山口義男 (労働運動家)

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山口 義男(やまぐち よしお、1929年8月7日[1] - ?)は、労働運動家。日産労連[2]同盟教育局長、副書記長、友愛会事務局長などを歴任。

経歴[編集]

東京深川生まれ。横浜日産自動車が創立されたときに父親が技術者として迎えられ、横浜で育つ[3]。旧制中学校在学中に海軍兵学校予科に合格したが、第二次試験の連絡通知を受け取ったときに敗戦を迎えた[4]。1946年4月日産自動車に入社、厚木工場に配属[5]。同年秋に労働組合の厚木支部青年部長に選出[5][6]。青年部長だったときに労働省で開かれていた労働講座で西尾末広の話を聴き、マルクス・レーニン主義ではない社会主義があることを知る。1953年全自動車日産分会に対抗して、日産労組の結成に参加[6]。1955年工学院大学第二機械工学部卒[1]。1957年より専従の常任委員[6]

日産労組組織部長を経て、1961年全日産労組教宣部長、1964年同書記長、1966年同組合長、1967年自動車労連組織局長[1]。1968年同盟教育広報局次長に転出[5]、1969年教育広報局長[7]、1970年教宣局長[8]、1974年教育局長[5][9]、1983年副書記長[5]。1984年自動車労連副会長[1]。この間、政府税調委員(大蔵省)、社会保障審議会委員(総理府)、経済審議会委員(経済企画庁)、雇用問題政策会議委員(労働省)等を務めた[6]

1987年友愛会議事務局長、1994年友愛会事務局長、1999年友愛会解散と同時に退任[6]。1987年民社研理事[10]、1994年政策研究フォーラム理事[11]。その他、民主労働教育会議事務局長[12]全文協副会長、同第5代会長(1987年から1996年の解散まで)[13]労福協副会長、日中技能者交流センター副理事長、核禁会議副議長、日本経済研究センター理事、富士社会教育センター専任講師[6]全労済協会理事(1999年まで)なども務めた[14]

同盟が明治時代から同盟結成までの日本における民主的労働運動の歴史をまとめた『ひとすじの道――民主的労働運動の歴史(全3巻)』の執筆を担当した。各巻ともに3万部の購読者があったという[15]

2016年12月時点で富士社会教育センター顧問[16]。2019年3月時点で故人[17]

著書[編集]

  • 『ひとすじの道――民主的労働運動の歴史 上』(山口義男執筆、同盟教育局編、全日本労働総同盟[同盟選書]、1978年)
  • 『ひとすじの道――民主的労働運動の歴史 下』(山口義男執筆、同盟教育局編、全日本労働総同盟[同盟選書]、1979年)
  • 『ひとすじの道――民主的労働運動の歴史 続』(山口義男執筆、同盟教育局編、全日本労働総同盟[同盟選書]、1981年)

出典[編集]

  1. a b c d 「インタビュー この人と30分 山口義男(友愛会議事務局長)」『労働レーダー』第17巻第8号(通巻195号)、1993年8月
  2. 「労働界・人と組織」『改革者』第34巻第12号(通巻404号)、1994年3月
  3. 山口義男「芝園橋界わい(二)」『改革者』第40巻第11号(通巻472号)、1999年11月
  4. 山口義男「芝園橋界わい(三)」『改革者』第40巻第12号(通巻473号)、1999年12月
  5. a b c d e 芦村庸介「今月の表紙」『労働レーダー』第17巻第8号(通巻195号)、1993年8月
  6. a b c d e f 山口義男「元気を出して国民と共に歩む組合に」『改革者』第40巻第6号(通巻467号)、1999年6月
  7. 神川房市「女書記長待望論」『経営と労働』1969年11月号
  8. 山口義男「職場のなかの組織論――当面する教育活動の諸課題」『同盟』第141号、1970年4月
  9. 「一九七四年における同盟活動の回顧」『同盟』第197号、1970年4月
  10. 『改革者』第28巻第11号(通巻331号)、1988年11月
  11. 『改革者』第35巻第2・3号(通巻406・407号)、1994年6月
  12. 米田重三「民主労働教育会議の発足にあたって――広範な教育通じ豊かな人間性の建設をめざす」『同盟』第238号、1978年5月
  13. メールレポート「友愛労働歴史館たより」第102号PDF友愛労働歴史館、2016年1月18日
  14. 「全労済協会理事会・評議員会を開催」『勤労者福祉』第52号、1999年10月
  15. 山口義男「芝園橋界わい(六)」『改革者』第41巻第3号(通巻476号)、2000年3月
  16. 公益財団法人 富士社会教育センター 役員 平成二八年一二月一三日現在 公益財団法人富士社会教育センター
  17. 60年前の三池争議の最中、良識派により三池新労組 友愛労働歴史館、2019年3月18日