労働レーダー
労働レーダー(ろうどうレーダー)は、旧同盟系の労働雑誌。
概要[編集]
1977年に創刊、2019年に終刊した月刊雑誌。主に旧同盟系の労働組合の立場から労働に関する記事を掲載していた。2017年3月1日発行の3月号によると、昭和52年6月15日第三種郵便物認可、ISSN:03858138、今号は第41巻3号(通巻478号)、定価は648円(本体600円)、発行所は労働問題研究会議(東京都中央区新川1-21-8 石田ビル2F)。表紙には「労働者の貧困化を進める派遣労働をきっぱり否定しよう」「マルクスもケインズも触れなかった嘘まみれ世界金融の超タブー」とあり、裏表紙は安部芳裕・天野統康『嘘まみれ世界金融の「超」最大タブー』(ヒカルランド)のカラー広告となっている。天野によると、この広告は編集者の心意気で掲載してもらったという[1]。
2005年1月号の目次を見ると、「▶巻末特別企画◀9・11はアメリカ政府とイスラエルの自作自演?④」なる記事があるものの、笹森清連合会長のインタビューや小井戸有治「鈴木文治の「風景」が語りかけるもの」など比較的普通の内容である。2015年10月号の目次を見ると、署名記事がほとんどなく、「闇の権力ユダヤの正体をさらした小村寿太郎」といった陰謀論のコラムが内容の大半を占めており、次第に陰謀論に関する記事が多くなっていたようである[2]。陰謀論とともに右派的な論調の記事も多く、2015年には黄文雄の全10回の特別インタビューや「反日日本人の目からうろこを落としたい二冊!これを読めば日本人の近代史観が親日に変わる!」という黄の著書の書評が掲載されていた[3]。
2019年3月に502号をもって終刊。同誌に掲載されたラストメッセージによれば、薩川隆司(筆者の父親)が創業者で、矢加部勝美、芦村庸介、政治家の春日一幸(一時は田英夫)、評論家の下村澄、福田常雄、ジャーナリストの大橋弘(毎日新聞)、植木隆司と関わりがあったという。以下はラストメッセージの一部の引用[4]。右派・反共・ユダヤ陰謀論という独特の立場を取っていた。
本誌は国益を中心としたインターナショナルな民族主義的労働ジャーナリズムとして生きてきた。だからといって戦争には反対であった。正しい歴史問題の啓蒙活動(反日勢力論破)、国防第一(アメリカに対してでさえ)、反共(反日の中国、韓国、北鮮対応)、偽ユダヤ支配への抵抗といったメルクマールはあるものの、本誌の心の中心にあるものは、平和な社会の構築である。
発売元[編集]
発売元は同盟出版サービス株式会社[5][6]。出版物は『労働界人事録』(1988年、2万2000円)、『日本固有の領土北方領土』(2010年、2万8571円)、『美智子さまと御所の彩り――奉祝ご成婚五五周年』(2015年、2万5000円)などといった高額本が多いが[7]、学術的な評価の高い水野秋『太田薫とその時代――「総評」労働運動の栄光と敗退(上・下)』(2002年、各巻ともに2500円)も出版しており、こちらは安い。
以下は会社概要。東京都生活文化局消費生活部による(2016年11月22日現在)[8]。
- 商号:同盟出版サービス株式会社
- 屋号:全国障害者福祉協会、日本新聞連盟
- 所在地:東京都中央区新川1-21-8 石田ビル2F
- 設立:昭和49年(1974年)11月14日
- 資本金:1000万円
- 業務内容:書籍、カレンダーの電話勧誘販売
- 社員数:12名
国税庁法人番号公表サイトによると、法人番号は9010001052056。2016年7月に東京都中央区日本橋茅場町1丁目から事務所の所在地を変更した[9]。
出典[編集]
- ↑ 月刊労働レーダーの3月号の裏面に著書「嘘まみれ世界金融の超最大タブー」のカラー広告が掲載 天野統康のブログ 金融システムから見る経済社会論(2017年3月10日)
- ↑ 岸本元のツイート
- ↑ 早川タダノリのツイート
- ↑ 希流のツイートより
- ↑ 労働レーダー 2019年 03月号 紀伊國屋書店ウェブストア
- ↑ 早川タダノリのツイート
- ↑ 同盟出版サービス Honya Club
- ↑ 書籍の電話勧誘販売業者に3か月の一部業務停止命令 東京くらしWEB(2016年11月22日)
- ↑ 同盟出版サービス株式会社の情報 国税庁法人番号公表サイト
外部リンク[編集]
- 労働レーダー = Worker's radar (労働問題研究会議): 1977|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
- 労働レーダー - CiNii 雑誌、レーダー - CiNii 雑誌
- 労働レーダー - CiNii 雑誌、レーダー - CiNii 雑誌 - 発行:同盟通信社、編集室:労働問題研究会議。上記と巻号体系が異なる別書誌。詳細不明。