誹謗中傷

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誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう、英:slander)は、暴言、嫌がらせ、いじめ、攻撃、戦いなどを通して何らかの対象を貶めること。相手の名誉を傷つける行為である。殺害予告も含まれる。

概要[編集]

法律上では名誉毀損罪侮辱罪脅迫罪などとして扱われて、犯罪・違反ともなる行為である。根拠のあるなしに関わらずに、相手の信用を失墜させる悪口は名誉棄損に当たる可能性がある。例外として内部告発などの公共の利益になる場合には誹謗中傷に当たらないこともあるが、ある対象を貶める行為は基本的に事実であるかどうかに関わらずに誹謗中傷行為となって法律的に問題がある場合が多い。

なお、本来誹謗と中傷は別々の意味を持つ言葉(誹謗は根拠のあるなしに関わらず相手の信用を失墜させること、中傷は事実無根の文言で相手の名誉を傷つけること)なのだが、今日ではセットで使われることが多くなっている。

インターネット[編集]

インターネットにおいては誹謗中傷行為が多発。個人攻撃とも呼ばれる。インターネット上での違反行為・荒らし行為でもある。何かしら事件が起こると加害者や被害者を貶める行為があるが、これらの誹謗中傷で訴訟に発展するケースがある。実際に大津の中学生がいじめで自殺したとされた事件では、デヴィ夫人がインターネット上で軽率に写真を掲載したとして名誉棄損に問われて慰謝料を支払う事態に発展した[1]

匿名掲示板の2ちゃんねるにおいては、誹謗中傷が禁止されているにも関わらずに誹謗中傷が多発している。Wikipediaにおいても女子高生コンクリート詰め殺人事件に関してまったく根拠のない犯人説を書き込む事案が発生する(スマイリーキクチ中傷被害事件)など、Wikiサイトにおいても誹謗中傷事案が発生している。また、Yourpediaフェイクペディアのように、誹謗中傷の温床となっているウィキサイトもある。正義の味方気取りで不特定多数の集団となって誹謗中傷を行うものに対しては、ネットイナゴと評されることもある。Twitter、 LINEでも誹謗中傷が起きる場合もある(?)。

Enpedia[編集]

Enpediaにおいて誹謗中傷行為は禁じられている。誹謗中傷はルール違反であり、誹謗中傷記事は削除され、誹謗中傷を行う利用者は投稿ブロックの対象にもなる。

選挙戦[編集]

選挙戦ではネガティブ・キャンペーンにより、競争相手の評判を落とす事が必要とされる。

発音[編集]

ひ↗ぼーちゅーしょー

マスコミ[編集]

言論の自由の名目下でしばしば誹謗中傷が発生している。マスコミによる誹謗中傷は訂正に応じる事が少なく、かつ一度報道されると訂正報道を行っても名誉回復が困難なのが特徴である。テレビの場合、放送倫理・番組向上機構を介して訂正を求める事が出来るが、審議されるのは重大案件とされる件のみの上強制力もなく、13名の調査役全員が放送局および民放連からの出向者・放送局OBと、ほぼ身内という構成から客観性に乏しいのではないかと批判されている。新聞の場合、日本では匿名記事が原則であり第三者機関も存在しない。従って自社による検証・処分が行われるにとどまり客観性に乏しく、時に虚偽報道を伴う。尤も、過失による誤報があっても、それは故意に行った誹謗中傷に当たらないので注意が必要である。

宗教[編集]

儒教[編集]

  • 孔子は「己所不欲,勿施於人。」[2]と教えているので、誹謗中傷はたぶんしない。

ユダヤ教[編集]

  • ヨブ記は聖典に含まれている。ヨブは試練にあった時、友から「何か悪いことをしたために天罰が下ったのだ」という風に、根拠の無い非難=誹謗中傷された。そのため、慎重な対応が求められる事はたぶん理解している。
  • 創世記に登場するヨセフは、強姦未遂の濡れ衣を着せられ、獄屋に入れられた[3]。明らかに嘘、誹謗中傷だが、ヨセフが獄屋から出るにはだいぶ時間がかかっている。そのため、今獄中にいる人に対しても慎重な対応が求められる事はたぶん理解している。

キリスト教[編集]

  • イエス・キリストは、エルサレムの神殿で商売や両替をしていた人を強盗呼ばわりした事があるが[4]、よっぽどぼったくってたのでは?という考察もあり、正当な理由があれば誹謗中傷には当たらない?
  • イエス・キリストは当時の「律法学者とパリサイ人」を痛烈に非難した事がある[5]。根拠を示しているので誹謗中傷には当たらない?
  • パウロは「老人をとがめてはいけない。」[6]とテモテに教えているので、キリスト教の信者は基本的には誹謗中傷はたぶんしない。

哲学[編集]

ニーチェの哲学[編集]

ニーチェの哲学を見ると、まずこの世には優れたものと劣ったものがいて、劣ったものが自分の理想と現実の摩擦に追いやられ、優れたものを悪とみなし誹謗中傷することで、快感を得ているとも解釈できる。

この哲学では理想に忠実になるべきとも説かれている。

脚注[編集]

関連項目[編集]