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デスナ (駆逐艦)
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デスナ(Десна)は、オルフェイ級駆逐艦の6番艦である。なお、オルフェイ級駆逐艦はノヴィーク級駆逐艦に属する。
概要[編集]
艦名「Десна」は日本語では「デスナ」の他に「ヂェスナ」と表記されることもある。本艦は、サンクトペテルブルクのウスチ・イジョラ造船所で1914年11月に起工され、1916年8月29日から運用が開始された。その後1922年に「エンゲリス」(Энгельс)(エンゲルスとも)に改名され、1941年8月24日に沈没した。
兵装[編集]
- 主砲:60口径102mm単装砲 4基
- 高角砲・対空砲:ランダー76.2mm高角砲 1基、21-K 45mm対空砲 1基
- 魚雷発射管:457mm三連装魚雷発射管 3基
- 機雷
- 爆雷
- その他:305mm無反動砲(1934年から約3年間のみ試験的に設置)
主な記録[編集]
- 1916年8月29日、バルチック艦隊の第二水雷戦隊(2-го дивизиона минной дивизии)で運用が開始された。
- 第一次世界大戦では、バルト海での敷設作戦などに参加した。1917年10月にはドイツ軍のアルビオン作戦に対抗するために応戦した。
- 十月革命後、デスナはヘルシンキからクロンシュタットに移り、1918年10月から1919年12月まで予備役となった。
- 1921年4月24日、デスナはバルチック艦隊に復帰し、1922年12月31日には艦名がエンゲリス(Энгельс)に改名された。
- 1934年、艦尾の102mm砲2門を撤去し、クルチェフスキーの設計による305mm無反動砲を搭載した。射撃試験に用いられたが、精度と信頼性が低く安全性にも難があることが判明したため、1937年頃に撤去され102mm砲2門に戻された。
- 冬戦争中、フィンランド軍の沿岸砲やトーチカを攻撃する作戦に2度参加した。
- 第二次世界大戦
- 1941年、ドイツ軍から西エストニア諸島を防衛する作戦に参加した。
- 1941年7月6日、駆逐艦2隻と巡視船1隻と共に敷設作戦に参加していたところ、オヴィシ岬沖でドイツの掃海艇2隻と遭遇し、砲撃戦となった。
- 1941年8月7日、燃料補給中に空襲を受け被害を受けた。側面付近で250kg爆弾が炸裂し船体が損傷、右側のタービンが故障し、後部主砲と舵が破壊されたが、幸いにも死傷者は出なかった。しかし同時に攻撃を受けたタンカーはひどく損傷を受け沈没しはじめたため、エンゲリスはタンカーの乗組員を救出し自力でタリンまで避難し、応急修理を受けた。
- タリンでの修理は8月18日に完了し、8月24日、掃海艇6隻と駆潜艇2隻、輸送船数隻を含む船団と共にクロンシュタットへ向けて出航した。午後5時4分、進路上に浮遊式機雷を発見し、前方を航行していた輸送船はそれを回避したが、エンゲリスは回避しきれずに艦尾が機雷に接触した。その結果、スクリューと舵が損傷し、推進力と操舵機能を失い、風に流されて左舷方向に浮遊している別の機雷へ向かって漂流しはじめた。漂流を止めるために緊急投錨を行い、2度目の触雷は免れた。同じ船団でクロンシュタットへ向かっていた哨戒戦闘艇 МО-201がエンゲリスに接近し負傷者を救出し、機密文書を回収した。その後、甲板が第3主砲まで水没した時点で、艦長は乗組員に避難準備を命じた。
午後5時16分、エンゲリスは破氷船「オクチャブリ」(Октябрь)により曳航されたが、5時35分、エンゲリスに2つ目の機雷に接触し、艦尾で爆発した。ほぼ同時に弾薬庫が誘爆し、エンゲリスの乗組員は掃海艇 ТЩ-45へ避難した。その直後、エンゲリスは艦尾から左舷に傾きながら沈没した。