スポーツ平和サミット東京大会
スポーツ平和サミット東京大会(Tokyo World Sports Values Summit for Peace)とは、2013年7月18日〜19日に東京で開催された国際会議[1]。2012年にロンドンで開催されたスポーツ平和サミット「Olympic Values : London and Beyond〈オリンピックの価値 : ロンドンとその先へ〉」に続く第2回大会として、ともに半田晴久(深見東州)が代表を務める一般社団法人国際スポーツ振興協会・NPO法人世界開発協力機構が主催し、文部科学省・東京都・公益財団法人日本体育協会・パシフィックフォーラム CSISなどの後援を受けて、東京のホテルニューオータニにて開催された。
概要[編集]
16ヶ国から47人のトップアスリートやエキスパートが集まり[2]、スポーツの力は人々の人生に、幸せや喜びをもたらし、復興や平和に貢献する推進力があるという世界中の事例を検証し、日本がスポーツにおいていかに貢献できるかなど[3]、スポーツの価値、素晴らしさを日本から発信した[1][4]。
このサミットではスポーツの力がいかに人生に幸せと喜びをもたらし、社会をより良くし、平和に貢献する推進力となるか、世界中の事例を検証し、情報発信するのを目的とする。東京大会では、日本がいかにしてスポーツを通じて世界平和に貢献出来るかということもテーマのひとつとされた。
また、スポーツのスターが多く集まったが、これは、一般の人にもスポーツの価値に興味をもってもらいたいという主催者側の意向があったためであるという[注 1][5]。文部科学省、東京都、公益財団法人日本体育協会、パシフィックフォーラム CSISなどが後援した。
参加者は、二日間でのべ約2000人。内閣総理大臣安倍晋三からのメッセージもよせられた[6]。2012年ロンドンオリンピック開催の際、イギリスオリンピック委員会会長であったコリン・モイニハンや、2020年東京オリンピック誘致の中心人物である竹田恆和、猪瀬直樹、下村博文らが参加した。日本のオリンピック誘致に関わる分科会も行われた[7][2]。
19日の最後には、キャサリン・マーシャル、コリン・モイニハンが総括を行い、実行委員長の半田晴久が閉会の挨拶を行った[1]。
両日、Ustreamで全世界に向けてのライブ配信が、日米の同時通訳で行われ[8]、7162件の視聴があった[9]。また、2013年9月1日より2〜3か月程度の間、HANDA.TV(インターネットテレビ)において、講演、特別座談会、分科会等が日替わりで再放映された。
なぜ、東京にオリンピックを招致すべきかという疑問に、スポーツの価値とパワーを顕彰する本サミットが、論理的な意味づけを与えることができ、学びがあったとされる[10]。
基調講演[編集]
- 文部科学大臣下村博文
- 世界共通の文化であるスポーツは、夢と感動と与えるツールであり、明るく豊かな社会形成のために必須の要素であるという講演があった[11]。
- 東京都知事猪瀬直樹
- オリンピックが東京で開催された場合には震災復興にも寄与するとし、2020年オリンピック招致を猛アピールする講演があった[2]。本基調講演を踏まえ、分科会により、日本はスポーツを平和と開発に行かし、日本にオリンピック誘致が実現することで、世界平和への貢献につながるというテーマの議論もされた[7][2]。
- 実行委員長半田晴久
- 南アフリカ共和国のアパルトヘイト打破のために、スポーツ(ラグビー)の力が大きく寄与した実例を紹介した。また、特に一般の人々にスポーツの意義を広めていきたいという、今サミットの意義が語られた[11][12]。
特別座談会[編集]
特別座談会「復興とスポーツの力」では、東日本大震災で被災し避難生活を続けている、富岡町立富岡第一中学校と福島県立富岡高等学校のバドミントン部の生徒が参加し、復興への貢献について意見交換がされた[13]。
生徒たちは、将来、オリンピックを目指し練習に励みつつも、避難生活により練習もままならない窮状などを訴えた[14]それに対し、イベンダー・ホリフィールドとミシェル・クワンは、自身がオリンピックに参加した際の経験を披露してアドバイスし、激励を行った[8]。
分科会[編集]
以下の6つの分科会が開催された[1]。
Session1からSession3が18日に、Session4からSession6が19日開催された。
- Session1
- スペシャルオリンピックとパラリンピックにおける、普遍性と社会的参加(Universality and Social Inclusion: Focus on the Special Olympics and Paralympics)
- スポーツの普遍的な価値が、スペシャルオリンピックやパラリンピックでいかに表現されてきたか、ということに関する検証が行われた。
- Session2
- 文明間協調としてのスポーツ──オリンピック休戦と平和(Alliance of Civilization through Sport: Peace and the Olympic Truce)
- 平和のツールとしてのスポーツという側面から、現代の国際的な枠組みの中でいかにすればスポーツを平和構築に役立てられるかについて検証した。
- ジャン・クリストフ・バス(国連『文明の同盟』(UNAOC)戦略的開発・提携部長)
- シャーロット・デイビス(オークランド国連ユース・アオテアロア前議長)
- ジンターレ・ジャヌライタイテ(リトアニア国防大臣顧問)
- ポール・ライト(北大西洋条約機構前教誨師)
- 飯塚鉄雄(東京都立大学及び至学館大学名誉教授)
- 坂見敏夫(日本体育大学名誉教授)
- Session3
- オリンピックと日本的価値観(Olympic and Japanese Values: When respect, excellence, and friendship meet inclusion, resilience, and harmony)
- スポーツを平和と開発に生かした日本における、活動について検証した。
- コリン・モイニハン(英国上院議員、前イギリスオリンピック委員会会長)
- アレック・ベネット(関西大学国際部准教授)
- ゴーイ・プンティム(国際オリンピックアカデミー修士課程在籍)
- デイビット・コーエン(スタンフォード大学WSDハンダ人権・国際司法センター所長)
- モクタール・オマール(列国議会同盟上級顧問)
- ローラ・ローソン(ケンブリッジ大学在籍、ロンドン・オリンピック価値、シンポジウムのエッセイ・コンテスト優勝者)
- イベンダー・ホリフィールド
- 清水宏保
- 小錦八十吉
- 平仲信明[15]
- Session4
- スポーツと人間的成長、起業家精神(Sport, Human Development, and Entrepreneurship)
- 人間的成長にスポーツがいかに貢献し、変革をもたらしているかについて、先駆的な事例をもとに検証した。
- デビー・ライ(ワールドワイド・インパクト代表、インターナショナル・インスピレーション・フォー・UK・スポーツ部長)
- アダム・ファイン(ファイブス・フットボール 創設者兼CEO)
- ディナ・ブックバインダー(デポルテス・パラ・コンパルティール創立者)
- シリ・カルサ(ピース・アンド・スポーツ国際部長)
- イベンダー・ホリフィールド
- カヴィヤ・スリニヴァサン(インド工科大学修士課程在籍)
- ロベルト・パティーニョ(VotoJoven & JoTA 創設者、2010年度インターナショナル・デモクラシー賞受賞、ハーバード・ケネディースクール在籍予定)
- 森静雄[7]
- 野田英樹
- 田中哲也
- Session5
- スポーツと芸術、メディア(Sports, Arts, and Media)
- スポーツと芸術とメディアが協力して、世界の紛争地帯における地域共同体に紛争解決の糸口となり、若者を夢の実現に向けて奮起させることにつながった活動の成功例を検証した。
- ジョージ・ケアリー
- セツコ・クロソフスカ=ド=ローラ
- シンシア・シュナイダー(前駐オランダ米国大使、ジョージタウン大学教授)
- ナタリー・アンブローズ(マレーシア王室からの偉業達成メダル受賞、サイト編集長)
- サウード・アル・サーニ(カタール文化・芸術・遺産省の代表)
- サム・シュナイダー(在カーブル「トロニュース」オンラインニュース)
- 多田昭重(西日本新聞相談役)
- ザ・グレート・サスケ[16]
- 倉田保昭
- Session6
- スポーツの価値観を通じた若い女性のリーダーシップ育成(Fostering Young Female Leadership through Sports Values)
- 女性の地位向上のために、スポーツがいかに役立か、男女平等という将来目標に向けた取り組みをふまえて検証した。
- キャサリン・マーシャル
- ミシェル・クワン
- カレット・ワン・サンドブ(ユース・アンド・スポーツ・フォー・オール委員、ノルウェーオリンピック・パラリンピック委員会)
- シーカ・ウベロイ
- ローラ・ホワイト(テュレーン大学卒業、在アショカ・エンパシー・イニシアティブ・チームメンバー)
- エリーナ・ヌーア(ISISマレーシア外交政策・安全保障事務局長補佐)
- ジャン・スティーブンソン
- アレクサンドラ・ノロドム(カンボジア王国王女)
- 結城和香子(読売新聞東京本社編集委員)
- 野中ともよ
運営[編集]
- 実行委員長 - 半田晴久
- インターナショナルコミッティー - コリン・モイニハン、キャサリン・マーシャル
- 顧問(アドバイザリー・ボード) - ジョージ・ケアリー
- アンバサダー - キャサリン・グレインジャー
- ユース&アスリートアンバサダー - アレクサンドラ・ノロドム、マシュー・カウドリー
- 参加者 - 八代英太(司会)[17]
- スペシャルゲスト - 下村博文[17]、猪瀬直樹[17]
主催[編集]
- 国際スポーツ振興協会(ISPS)
- 特定非営利活動法人 世界開発協力機構(WSD)
後援[編集]
- 文部科学省
- 東京都
- 公益財団法人日本体育協会
- パシフィックフォーラム CSIS
- 特定非営利活動法人日本オリンピック・アカデミー
注釈[編集]
- ↑ 一般参加者対象のサミットであったのが第二回大会の特色であり、多くのトップアスリート、スポーツ界のスターが集まった。
出典[編集]
- ↑ a b c d “スポーツの力は無限、人生と復興と平和に貢献”. 日中新聞 (日中新聞社). (2013年8月6日). オリジナルの2014年6月10日時点によるアーカイブ。
- ↑ a b c d “「スポーツ平和サミット 東京大会」に世界のエキスパートが集結”. 東京スポーツ (東京スポーツ新聞社). (2013年7月19日)
- ↑ “16カ国参加スポーツ平和サミット開幕”. デイリースポーツ (神戸新聞社). (2013年7月19日). オリジナルの2013年7月20日時点によるアーカイブ。
- ↑ “「スポーツ平和サミット東京大会」スポーツの価値を日本から発信”. サンケイスポーツ (産業経済新聞社). (2013年7月19日)
- ↑ “スポーツ平和サミット実行委員長 半田晴久氏”. 日中新聞 (日中新聞社). (2013年8月6日). オリジナルの2014年6月10日時点によるアーカイブ。
- ↑ “主催者ごあいさつ(PDF)”. 国際スポーツ振興協会 (2013年7月). 2014年6月10日確認。
- ↑ a b c “スポーツ平和サミット東京大会が開催-スポーツの力は無限大”. 公益法人 日本プロゴルフ協会. 2013年7月19日確認。
- ↑ a b “スポーツの力は無限大 平和、復興に貢献を…”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社). (2013年7月19日)
- ↑ “お知らせ”. スポーツ平和サミット東京大会. 2013年7月21日確認。
- ↑ Gasant Abarder (2015年11月6日). “Harnessing sport for social change” 2016年1月2日閲覧。
- ↑ a b “『スポーツ平和サミット 東京大会』における登壇者の発言”. 四宮政治文化研究所 (2013年8月5日). 2014年6月13日確認。
- ↑ スポーツ平和サミット実行委員長 半田晴久氏 - 日中新聞(2013年8月6日 14:19:03)。
- ↑ “スポーツの力で復興と平和を「スポーツ平和サミット東京大会」”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2013年7月19日)
- ↑ “被災の福島全中V3目指すバドミントン部員へ「ハンディがパワーを生む」”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2013年7月19日)
- ↑ “スポーツ平和サミットに参加します!”. 平仲信明 公式サイト. 2013年7月16日確認。
- ↑ “スポーツ平和サミット”. ザ・グレート・サスケ オフィシャルブログ「THE GREAT SASUKE」. 2013年7月22日確認。
- ↑ a b c “開催要項”. スポーツ平和サミット. 2014年6月15日確認。