カミツキガメ
カミツキガメ | |
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分類 | |
界 | 動物界 |
門 | 脊索動物門 |
綱 | 爬虫綱 |
目 | カメ目 |
亜目 | 潜頸亜目 |
上科 | カミツキガメ上科 |
科 | カミツキガメ科 |
属 | カミツキガメ属 |
名称 | |
学名 | Chelydrta spp |
和名 | カミツキガメ (噛付亀) |
英名 | Snapping turtle |
保全状況 |
カミツキガメとは、カメ目カミツキガメ科カミツキガメ属に分類されるカメの内 現存種の総称である。
概要[編集]
カナダ南部からアメリカ合衆国東部、中央アメリカ、南アメリカ北部の池、沼や川に生息する。浅い泥底で、水草が茂っている場所を好む[1]。
昆虫、甲殻類、貝類、魚類、両生類、鳥類や小型哺乳類の死体などを食べる[2][3]。
一生のほとんどを水中で過ごし、陸上に上がることは少ない[1]。
長寿で、80年ほど生きるという説がある[4]。
4~11月に交尾して、産卵は5~9月にする。産卵は陸上でし、土を掘って産卵巣に卵を産んで、巣を埋め戻す[2]。
産卵数は20~40個で、100個以上産卵した事例も確認されている[4]。ニホンイシガメやクサガメ、アカミミガメの卵は楕円形であるが、カミツキガメの卵は球形である[1]。卵は75〜95日でふ化する[5]。
形状[編集]
体色は、茶色や黒色。
甲長約50cm、体重約30kgになる[2]。
頭部は嘴状。背甲は、滑らかで、3本のキールがあり、後半の縁はギザギザしている[2]。
お腹の甲羅は、十字型になっている。尾は太くて長く、骨質のウロコが並んでいる[3]。尾を甲羅の中に隠すことができない[1]。
足も太く、爪が発達している。
ワニガメに似ているが、甲羅が滑らかで、下顎にミミズ状の赤い舌がないことで見分けることができる[1]。
種類[編集]
日本ではカミツキガメを1種4種とすることが多い。チュウベイカミツキガメとナンベイカミツキガメは、遺伝的な差異により、独立種であるとされており、フロリダカミツキガメは、遺伝子的な差がないことからホクベイカミツキガメと同種であるとされる。フロリダカミツキガメをホクベイカカミツキガメの亜種とする説もある。
外来種法では『カミツキガメ Chelydra serpenntina』として特定外来生物に指定されている。環境省はカミツキガメを一種四亜種という分類に従っているため、フロリダやチュウベイ・ナンベイも対象になる。
- ホクベイカミツキガメ Chelydra serpenntina
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- トウブカミツキガメ Chelydra serpenntina serpenntina
- フロリダカミツキガメ Chelydra serpenntina osceola
- 現在ではカミツキガメのジュニアシノニムとされる。
- チュウベイカミツキガメ Chelydra rossignoni
- 頸部に長く扁平で隆起した突起があり、第3椎体の幅/C L比は0.29-0.48。
- ナンベイカミツキガメ Chelydra acutirostris
- 頸部に低い丸みを帯びたイボ状の結節があり、第3椎体の幅/C L比は0.24〜0.28。
人間との関係[編集]
本種は、1960年代以降、アメリカからペット用として大量に輸入されていた。
1990年代中盤になると、ペットとして飼育されていたカミツキガメが野外で、発見されるようになり[6]、現在は千葉県と東京都、静岡県、神奈川県、大阪府、愛媛県で定着している[1][5]。
長寿で、繁殖力が強く、人間への被害が出ると予想されていることから、2005年6月に特定外来生物に指定された。そのため飼育や保管・運搬、野外に逃がすことが禁止されている[6]。
脚注[編集]
- ↑ a b c d e f 特定外来生物・特定(危険)動物へのマイクロチップ埋込み技術マニュアル 環境省,2022年7月19日閲覧
- ↑ a b c d カミツキガメ防除の手引き 環境省,2022年7月19日閲覧
- ↑ a b カミツキガメにご注意ください!! | いわき市役所
- ↑ a b 特定外来生物の解説:カミツキガメ [外来生物法 - 環境省
- ↑ a b 外来カメ類 - 愛媛県 2022年7月19日閲覧
- ↑ a b カミツキガメ | は虫類(カメの仲間)図鑑 | 図鑑 | 大阪府立環境農林水産総合研究所
関連作品[編集]
- 柴田 哲孝『KAPPA』 (徳間文庫 し 32-1、2009)