ウェリントン駅
Wellington railway station | |
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駅舎のファサード | |
ウェリントン | |
所属事業者 | Transdev、KiwiRail |
所属路線 | ノースアイランド本線 ワイララパ線 ジョンソンビル支線 |
キロ程 | 0.0km(当駅起点) オークランドから682km |
駅構造 | 地上駅(終端駅) |
ホーム | 2面4線 |
開業年月日 | 1937年6月19日 |
ウェリントン駅またはウェリントン中央駅(英語:Wellington railway station、Wellington Central station)は、ニュージーランドの首都ウェリントンにあるターミナル駅。ノースアイランド本線、ワイララパ線、ジョンソンビル支線の終点である。
駅は1937年6月に開業し、既存のターミナルであったラムトン駅とソーンドン駅を置き換えた。
歴史[編集]
鉄道開通[編集]
ウェリントン最初の駅は、ニュージーランド国鉄のウェリントンとアッパー・ハットを結ぶ路線の終点として、1874年に開業した。現在のデイビス・ストリートとソーンドン・キーの交差点の南側に位置する、こぢんまりとした駅であった。
埋め立てによって埠頭が移動したため、1880年、ウェリントン駅は新しい埠頭のすぐ近くに移転した。ところが、埠頭の交通量が予想を大きく上回って増加し、埠頭へと続くフェザーストンストリートが慢性的に混雑するようになった。そのため1885年、ウェリントン駅は道路から離れた場所に再移転した。
1885年に誕生した3代目のウェリントン駅は、ハット・アンド・ワイララパ線(現在のワイララパ線)の旅客専用駅であった。1908年にニュージーランド政府がウェリントン・アンド・マナワツ鉄道を買収すると、以前のウェリントン駅はラムトン駅に改名された。一方で、ウェリントン・アンド・マナワツ鉄道が1885年に開業させたマナワツ駅は、国鉄の路線網に組み込まれた上で、ソーンドン駅に改名された。
建設[編集]
1908年のマナワツ線国有化時にはすでに、国鉄のターミナル駅が2つあるのは不便であり、統合すべきだという世論が存在した。1912年以降、ウェリントン港湾委員会と国鉄は新駅の計画を練り、線路の複線化、敷地確保のための追加の埋め立て、新駅舎の設計などを次々と決定した。しかし、地震や世界恐慌が政府の財政に悪影響を及ぼし、新駅の着工は1933年にずれこんだ。
埋め立てには、タワ・フラット迂回線の工事で発生した土砂が使用された。
駅舎の設計はグレイ・ヤングによるものであった。ネイピア地震の教訓から、耐震性が非常に重視された設計であった。
U字型の駅舎で、壁面はニュージーランド産の花崗岩と大理石で装飾されていた。屋根には、マルセイユ・タイルと呼ばれるニュージーランド製の瓦を使用した。駅舎内には理髪店や書店、レストランなどの他に託児所が設置され、子供と旅行する親は広々とした待合室で発車時刻までくつろげるようになっていた。その他、駅事務室の入り口には、第一次世界大戦に従軍して命を落としたニュージーランド国鉄関係者を称える石版が設置されている。
ホームの有効長は12両であった。9番線のホームからは直接道路に降りられるようになっており、ニュージーランド国鉄のバス部門が運行するバスに直接乗り継げるようになっていた。
一連の建設工事には、およそ35万ポンドが費やされたと推定されている。当初の見積額は40万ポンドを超えていたが、石材や鉄鋼の商人を通さずに直接資材を採取するといったコストカットが功を奏した。
開業とその後[編集]
1937年6月19日、ニュージーランド総督立ち会いの下で、現在の4代目ウェリントン駅が開業した。同時に、ラムトン駅とソーンドン駅は役目を終えた。
1982年、ニュージーランド国鉄は民営化されてニュージーランド鉄道公社になり、鉄道職員は大幅に削減された。同時に、鉄道を保護するために行われていた道路交通への規制が撤廃され、鉄道利用者の数も大幅に減少した。
これに伴って、ウェリントン駅の施設の大部分は使われなくなり、放棄された。
2003年から2008年にかけて、1460万ニュージーランドドルを費やした大幅な改修が行われた。同時期、旧来のテナントが駅舎の内部から撤退し、新たに大学や企業のオフィス、スーパーマーケットなどが入居した。
発車する列車[編集]
TransdevがMetlinkのブランドで近郊列車を、KiwiRailが長距離列車を運行している。
近郊列車[編集]
ノースアイランド本線[編集]
当駅からワイカナエ駅までの55.3kmは複線電化されており、カピティ線の愛称で呼ばれている。運行本数は、平日は毎時3本、休日は毎時2本ほど。
- ウェリントン - タカプ・ロード
ワイララパ線[編集]
当駅からアッパー・ハット駅までの32.4kmは電化されていて、ハット・バレー線の愛称で呼ばれている。途中のトレンサム駅までは複線化されている。運行本数は、平日は毎時3本、休日は毎時2本ほど。
- ウェリントン - ナウランガ
メリング支線[編集]
メリング支線は、ペトネ駅でワイララパ線から分岐する支線である。運行は平日のみで、毎時1本。
- ウェリントン - ナウランガ
ジョンソンビル支線[編集]
当駅からジョンソンビル駅までの10.5kmを結ぶ路線である。電化単線。運行は毎時2本。
- ウェリントン - クロフトン・ダウンズ
長距離列車[編集]
キャピタル・コネクション[編集]
当駅とパーマストン・ノース駅を結ぶ長距離列車。ウェリントン近郊では途中駅を多数通過する。平日に1往復運行。
- ウェリントン - パラパウマウ
ノーザン・エクスプローラー[編集]
当駅とオークランドのオークランド・ストランド駅を結ぶ長距離列車。ウェリントン近郊では途中駅を多数通過する。
週3便運行。ニュージーランドを代表する列車である。
- ウェリントン - パラパウマウ
駅周辺[編集]
- ニュージーランド国会議事堂…ニュージーランドの立法府。
- ビーハイブ…ニュージーランドの行政府。
- ボーエンハウス…ニュージーランドの国家公務員宿舎。
- ニュージーランド国立図書館
- ウェリントン・セノタフ…戦争記念碑
- TSBアリーナ
- クイーンズ・ワーフ…フェリー乗り場
- ウェリントン・ヴィクトリア大学テ・アロキャンパス
- ウェリントン・ケーブルカーのラムトン・キー駅