Microsoft Windows Millennium Edition
Meたんの感情表現。 | |
開発者 | Microsoft |
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プログラミング言語 | C,C++ |
OSの系統 | Windows NT系 |
開発状況 | 開発終了 |
初版 | 2000年9月23日 |
対象市場 | 一般ユーザー向け |
カーネル種別 | モノリシックカーネル |
先行品 | Microsoft Windows 98 Second Edition |
後続品 | Microsoft Windows XP |
サポート状況 | |
サポート終了 | |
Microsoft Windows Millennium Edition(マイクロソフト ウィンドウズ ミレニアム・エディション)は、米Microsoft社がかつて開発・販売していたオペレーションシステムの一つ。
概要[編集]
Windows 95、Windows 98と紡がれてきたWindows 9x系の締めとなったOS....であったが、後述の様々な原因により、Microsoft Windows史に残る黒歴史もとい青歴史と呼ばれ、勝手に忘れ去られたり罵倒されたりする事も多い悲しきOSとして知られている。別称は「Windows Me(ウィンドウズ ミー)」など。ネット上などでは「Meたん」と呼称される事もある。
開発の背景[編集]
当時のMicrosoft社は「ビジネス・企業用」として堅牢性、安定性に優れたWindows NT系、「家庭用」として動的コンテンツの機能性・利便性を重視したWindows 9x系がそれぞれ独立した設計・方針で開発されていた。そのため開発リソースが2倍に膨れ上がってしまい非効率的であるため、Microsoft社はこれら2つの系統をNT系に統一する方向で開発を進める方針を打ち立てた[1]。
その後の2000年2月18日(日本時間)、Windows NT系OSであるMicrosoft Windows 2000(Microsoft Windows NT 5.0)が発売[2]。このWindows 2000シリーズ内で、本来の9x系の役割であった「家庭向けOS」を担うエディションが、コードネーム「Neptune(ネプチューン)」という名で開発されていた。だが当たり前というかなんと言うか、Microsoftの予想以上に開発は難航し、ついには開発中止を余儀なくされてしまう。Microsoft社も流石にこのままではまずいと焦ったのか[注 1]、本来Neptuneが担うはずだったエディションの代わりとして、本来NT系への統合によりお役御免となるはずであった9x系OSのWindows 98 SE(Second Edition)の"機能追加版"を急遽開発し始める。急ピッチで開発が進められたこの代替エディションのコードネームは「Millennium(ミレニアム)」だった。そう、この家庭向けNT系windows計画が頓挫した応急処置もといピンチヒッターとして誕生したこのOSこそが、伝説の"Meたん"こと「Windows Millennium Edition」なのである[注 2]。そもそも生まれる予定もリリースされる予定も無かったという悲惨な経緯にはとてもとても目を塞ぎたくなってしまう。ああMeたん...
結局、Windows MeはMicrosoftの狙いであった「2000年(Millennium)内のリリース」にギリギリで滑り込み無事2000年9月23日に発売することが出来たが、短い開発期間で多くの機能拡張を行った結果非常に動作が不安定で扱いづらいOSとなってしまった(OSの特徴については後述)[3]。またMicrosoftの宣伝熱も低く、単なる次回作の時間稼ぎもといリリーバーでしかないWindows Meを積極的に推す姿勢は見られなかった[4]。そうしている間に、なんとも中途半端なタイミングで次作であるWindows XPの前身である「Whistler(ウィスラー)」の開発が始まり、凡そ1年後の2001年10月25日のXPリリース。それとともにWindow Meの存在感はだんだんと薄れていき、Meたんは市場、いや大多数の人々の記憶から完全に姿を消してしまった。その後2006年7月11日にひっそりとサポート終了[5]。本当にお疲れ様でした..。
特徴[編集]
32 ビット | |
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CPU | Pentium 150MHz以上 |
メモリ | 32MB以上 |
ストレージ | 295MB以上 |
先述の通りMicrosoft Windowsにおける9x系OSのラストバージョン的な立ち位置のOSであり、同年リリースのWindows 2000(Windows NT系)とは似て非なる。例えば、インターフェイスはWindows 2000寄りのデザインのものが採用されたが内部的には9x系であるため、9x系で使用可能であったソフトフェアなどは引き続き使用することができた[4]。なおソースモデルはクローズドソースであるため、プログラムはバイナリのみを配布しておりソースコードを公開していない。
また今作は”遊べるWindows”[7]というキャッチフレーズの通り、Windows Meにはデジタルメディア関連での機能強化やUI周りの改善、システムの安全性向上などの機能改善がなされた[6]。が...これらの機能改善・拡張が全て無に帰すほどとにかくOSが重たい。原因は言わずもがな。お察しください。メモリ128Miバイトほどでも動作が安定しない[4]。そのため多くのWindows Meユーザーは常にブルースクリーンに怯えながら作業しなければならないという地獄を日常的に味わうハメになってしまった。ああMeたん.....。
脚注[編集]
- 出典
- ↑ “Windows Meとは - コトバンク”. 2022年6月13日確認。
- ↑ “マイクロソフト、Windows 2000日本語版を2月18日に発売 - PCwatch”. 2022年6月13日確認。
- ↑ “WindowsOSの35年超の歴史 バージョンごとに解説【年表付き】 - techcanp”. 2022年6月13日確認。
- ↑ a b c “Microsoft Windows Me ‐ 通信用語の基礎知識”. 2022年6月25日確認。
- ↑ “Windows 98、Windows 98 SE および Windows Me のサポート終了”. 2022年6月25日確認。
- ↑ a b “西川和久の「もうすぐ登場!! Windows Me」- PCwatch”. 2022年6月15日確認。
- ↑ “Windows Me日本語版は9月23日に登場,「企業ユーザーには薦めない」と強調”. 2022年6月25日確認。
- 注釈