23-2
23-2(23たい2)は、2009年6月11日に行われたプロ野球(セ・パ交流戦)・千葉ロッテマリーンズ対広島東洋カープの結果。ロッテはこの試合で、6回裏に延べ20人の猛攻で15点を挙げ、チーム1イニングの攻撃に関する7つのプロ野球記録(チーム記録6、個人記録1)を樹立した(以下の太字は新記録及びタイ記録)。
1イニング12安打は史上2位タイで、最多記録に1本及ばなかったものの打者2巡・1イニング打者20人はこれまでの18人を更新する新記録。1イニング15得点、1イニング15打点も、過去にセ・リーグで通算4回記録された13得点・13打点を上回った。打者3人目の井口資仁から15人目の里崎智也まで3四死球を挟んで記録した10打数連続安打は、通算3回目となる当時の最多連続タイ記録。加えて里崎の後にはチェイス・ランビンと今江敏晃も死球と失策で出塁し、過去の13者連続を更新する15者連続出塁の新記録(失策による出塁を含む参考記録)。さらにこの間、井口からランビンまで記録した14連続得点も、1992年7月26日にオリックス・ブルーウェーブが対福岡ダイエーホークス21回戦(GS神戸)で記録した12連続を17年ぶりに更新する新記録となった。
また、この回先頭の福浦和也は2打席目に代走を送られたが、続く大松尚逸が日本プロ野球史上初の1イニング3打席を記録した。だが、2打席目で2点適時二塁打を放ったものの1打席目と3打席目では凡打に倒れた。大松は試合後、「不思議な感じですね。自分はアウトを2つ取られた。損したのか得したのか分からないです」と苦笑いしていた。
結局、ロッテの6回裏の攻撃は約48分にも及び、試合は23-2でロッテが圧勝した。ロッテが挙げた23得点は、セ・パ交流戦開催1シーズン目の2005年6月12日に読売ジャイアンツが対西武ライオンズ6回戦(東京ドーム)で、記録した19得点を更新するセ・パ交流戦最多得点の新記録となり、交流戦初の20得点以上を記録した。
ロッテは前日の6月10日、広島の先発コルビー・ルイスに苦しめられるなど、11残塁13三振を喫する拙攻で完封負けを喫していただけに試合後、ロッテのボビー・バレンタイン監督は、「昨日はラッキーな安打が出なくて苦労したのに、今日はそんな安打が何本も出たね」と満足そうだった。一方、大量失点を喫して敗れた広島のマーティ・ブラウン監督は、「まるでラグビーだね。」と怒りを通り越して呆れ返り「今日の勝者はマリーンズじゃない。むしろ、これだけ点差があっても応援し続けてくれた左翼席のカープファンこそが真の勝者だよ。」と悔しさをにじませていた。
球団ではこの記録達成を記念して、このイニングに出場した12人が当日使用していたバットを納めた「1イニング15得点記念モニュメント」を作成し、8月1日から千葉マリンスタジアムの内野スタンド2階Bゲート付近にて展示している。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
広島 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
ロッテ | 0 | 2 | 5 | 0 | 0 | 15 | 1 | 0 | x | 23 |
- ロッテ6回裏の攻撃(括弧内は得点数)
- 福浦 左前安打
- 大松 三飛
- 井口 中前安打
- 橋本将 右前安打 (1)
- サブロー 四球
- 里崎 中前安打 (1)
- ランビン 左前安打 (1)
- 今江 四球 (1)
- 早坂 死球 (1)
- 福浦 右前安打 (1)
- 大松 右二塁打 (2)
- 塀内 右前安打 (2)
- 橋本将 中前安打
- サブロー 中前安打 (1)
- 里崎 中前安打 (1)
- ランビン 死球
- 今江 遊ゴロ失策 (1)
- 田中雅 中犠飛 (1)
- 堀 中前安打 (1)
- 大松 右飛
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