高台寺
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高台寺(こうだいじ)とは、京都府東山区下河原町526にある寺院である。
概要[編集]
豊臣秀吉の正室である高台院(北政所、ねね)が夫の死去から8年後の慶長8年(1606年)にその菩提を弔うために建立した臨済宗建仁寺派の寺院で、寺名は北政所が出家した後の院号である高台院湖月尼にちなむ。当時、江戸幕府を創設して大御所として政権を掌握していた徳川家康は高台院と昵懇にあったことからその建立に協力し、当初はおよそ9万5000坪の境内地を所有し、壮大な伽藍が立ち並んだ。高台院は晩年をここで過ごしている。
寺内には、史跡で特別名勝に指定されている東山を借景としたおよそ1万平方メートルの池泉回遊式庭園があり、かの小堀遠州が手掛けたとされ、桃山文化を現在に伝える代表的な名園と評されている。他にも庭園鑑賞に最適なおよそ60メートルの回廊である臥龍廊、高台寺において最も神聖な場所とされ、重要文化財にも指定されている高台院の廟所である霊屋、ここには豊臣秀吉や高台院の坐像も置かれ、桃山文化を代表する漆工芸の最高峰とされる「高台寺蒔絵」などもある。
さらに重要文化財に指定されている利休好みの閑雅な雰囲気が漂う茶室「傘亭」やその傘亭と屋根付きの土間廊下で繋がっている2階建ての珍しい茶室である「時雨亭」などもある。この時雨亭は、慶長20年(1615年)5月の大坂夏の陣で大坂城が徳川家康によって落城炎上した際に、高台院がその煙を目にした場所と伝わっている。
なお、円山公園から清水寺に向かって南へ伸びている石畳の通りを過ぎて台所坂を上がると高台寺に到着するが、この石畳の通りを高台院にちなんで「ねねの道」と呼ぶ。