関東上流江戸桜
関東上流江戸桜(かんとうじょうりゅうえどざくら)とは、日本の大学群である[1]。首都圏に所在する私立大学5校の組み合わせによる。 [2]首都圏に所在する私立大学6校の組み合わせによるものである。[3]
- (関東)関東学園大学 - 群馬県太田市
- (東)東京国際大学 - 埼玉県川越市
- (上)上武大学 - 群馬県伊勢崎市
- (流) 流通経済大学 - 茨城県龍ケ崎市
- (江戸)江戸川大学 - 千葉県流山市
- (桜) 桜美林大学 - 東京都町田市
関東学園大学と上武大学が群馬県、流通経済大学と江戸川大学が茨城県や千葉県に所在するといった具合に、文字通り「関東上流」に位置している大学である。
これらには、戦後に開学された実学重視の大学であるという共通点があるものの、大学群としての活動実態・単位実態等はない。
なお、よく間違えやすい事実であるがここには関東学院大学は含まれない[4]。ごくまれに、専門誌や予備校でもこうした誤用が散見される[5]。[注釈 1]
一方、桜美林大学が大東亜帝国の一部に組み込まれ“大東亜拓桜帝国”となっていた時期もあった[6]。
概要[編集]
この大学群は『螢雪時代』の編集長である代田恭之が作成したとされており、当時は桜美林大学が「大東亜拓桜帝国」として含まれているなど一部で異なるところがあった[7]。
これらの大学は、1980年代のバブル経済で各家庭の経済的余裕が生まれて私立大学志向が強まり、地方高校からの首都圏私立大学への進学熱も高まった時期に実学を重視したカリキュラムで注目を集め、団塊ジュニア世代に受験人口が増加し、急速に受験生を集めた。このため、大東亜帝国に次ぐ新興勢力として、まずマスメディアにおいて用いられるようになり、さらに派生する形で大学受験産業にも登場した。
しかし、実学重視のカリキュラム編成を実施する大学が多くなり、この大学群を形成する大学のみの特徴ではなくなったため、マスメディアには登場することも少なくなった。
現在では、大東亜帝国の大学群より偏差値が下位にある大学群として認識されているともいうが[8]、「ほとんど使われていない」とする見方もある[9]。
近畿大学が2017年に出した「早慶近」と題された新聞広告では、大学群の括りについて述べるコピーの中で「ちょいと粋なところで "関東上流江戸桜" なんてのもあります。」という言及がなされた[10][11]。
共通点[編集]
一括りにされているだけで大学間の交流はほぼ皆無だが、共通点としては以下の点が考えられる。
- 開学時期が江戸川大学以外1960年代であり、いわゆる団塊の世代が大学受験期に差し掛かる時期に、国の高等教育拡大の方針と相俟って設立された。
- 実学志向であり、各大学とも実業界から多くの教員・客員教員を招き寄附講座を多く開設した。他の有名大学と比べ、創設当時は伝統や実績の面で蓄積がなかったこれらの大学は、独自性を打ち出すため、卒業生が実業の世界で活躍する事を前提とした、実学教育重視の姿勢を早くから採用した。
- 資格取得の課外講座を設置して実業の世界で即戦力となる簿記・語学・情報関連など、実務的な資格取得を学生に奨励していた。大学を教育と研究の場と捉えていた当時の大学界からは、大学の専門学校化・研究機関である大学の本来の目的から離れた安易な教育などと批判の目で見られる事も少なくなかったが、こうした実学志向が、高い就職率やいわゆる有名企業に内定者を出すなど、主に就職の面で実績をあげ、受験者の獲得に成功したことで急速に受験者数を増やした。
- この大学群は、規模の大小こそあるものの、都心からやや距離を置いた大学であるという共通点を持っている。大都市圏の出身者にとっては、首都圏郊外に立地する大学への進学については敬遠する向きもあった。しかし地方出身者にとっては、むしろ都心の大学よりも馴染みやすい環境であり、また少し足を伸ばせば都心に出ることも可能ということで、人気を博していた。これらの大学の人気は、地方出身者が支えていたという側面もあった。
- 近年少子化の波にのまれ、これらの学校でも学生を集めるのが難しくなってきている。
脚注[編集]
- ↑ 【関東上流江戸桜】就職・学部・偏差値紹介!大東亜帝国との比較も! - studyplus2018年7月15日 閲覧
- ↑ 【関東上流江戸桜】就職・学部・偏差値紹介!大東亜帝国との比較も! - studyplus2018年7月15日 閲覧
- ↑ “2019大学入試 “早慶”“MARCH”はもう古い? 私大の新序列”. 週刊朝日: p. 140. (2019年1月11日). "従来の大学カテゴリー ... 関東上流江戸桜(関東学園大、上武大、流通経済大、江戸川大、桜美林大)" - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ↑ 小林哲夫. “旧帝大という呼び方はやめよう”. みくに出版. pp. 88-89. 2014年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。より
- ↑ a b 関東上流江戸桜 - e塾ネット2018年7月15日 閲覧
- ↑ "MARCH"に至るまでの道 - cakes2018年7月15日 閲覧
- ↑ "MARCH"に至るまでの道 - cakes2018年7月15日 閲覧
- ↑ 大学選び方・失敗も後悔もしない賢い選択ポイントまとめ - ガールズSlism2018年7月15日 閲覧
- ↑ “上大岡教室からのメッセージ 大学の呼び名まとめ”. 城南コベッツ (2016年4月21日). 2019年2月15日確認。
- ↑ “早慶近 近畿大学(PDF)”. 近畿大学. 2019年2月15日確認。
- ↑ “早慶近 近畿大学(PDF)”. 読売新聞社. 2019年2月15日確認。