連立方程式

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連立方程式とは、複数の方程式の組み合わせのことである。

概要[編集]

複数の変数の関係を記述するのに、方程式が用いられる。しかし一行の方程式では、未知の変数がN個ある時、N個中N-1個が決まらないと、全ての変数の値を出すことができないことが多い。一方で、N変数の関係を記述する方程式が複数あれば、全ての変数の値を決定できたり、少ない数の変数を決定するだけで全ての変数が求まったりする。この、複数の方程式の組み合わせのことを連立方程式と呼ぶ。

中学校で習うのが基本だが、小学校の算数でも概念としては登場する。なお、1次元の連立方程式について深掘りしていく学問を線形代数学と呼び、高校高専3年以降(文系だと一部の専攻で大学以降)で本格的に学ぶことになる[注 1]

具体例[編集]

有名な連立方程式の一つに「つるかめ算」がある。「2本足の鶴と4本足の亀が合わせて匹、足の数が合わせて本である時、鶴と亀は何匹いるか?という問題である。鶴の数を、亀の数をとした時、次の様な関係式が成り立つ。

この様な、複数個の方程式の組み合わせのことを、「連立方程式」と呼ぶ。なお、この場合、2つある方程式のうち1つだけではが決まっていても、のうち片方が決まらなければもう片方を決めることができない。方程式が2ち揃っていることにより、つるかめ算で全てを求めることができる。

線形連立方程式[編集]

上記の「つるかめ算」の例の様に、2乗以上の冪乗がどこにも入っておらず、足し算・引き算・掛け算だけで構成される連立方程式のことを、「線形連立方程式」と呼ぶ。線形の連立方程式は、もっと簡略化した書き方がよく行われている。例えば、上記のつるかめ算の場合だと、次の様に書くことが多い(つるかめ算だとそうでもないが、もっと複雑な連立方程式だとこの書き方の方がはるかに簡単になる)。

こうすると、複雑な式を、A=B×Cの様な形に見せ、単純な式の様に見せることができる。この、一個一個の括弧で区切られたものを「行列」と呼び、特に一列あるいは一行の行列のことを「ベクトル」と呼ぶ。この行列、ベクトルを一つの数の様に扱い、深掘りしていく学問が線形代数学である。

連立方程式の解き方[編集]

一つの式を解き、その結果を他の式に代入して、、、を繰り返すのが基本。

線形連立方程式の場合、やり方がある程度決まっている。次の2つの操作を繰り返しながら式を簡単にしていき、答を求める。

  • 一つの式を、定数倍する
  • 一つの式に、別の式の定数倍を足したり引いたりする

例えば、つるかめ算の例で、2番目の式から、1番目の式の2倍を引くと、次の様になる。

2番目の式を、1/2倍する。

1番目の式から、2番目の式を引くと、から求める式が完成する。

これを、行列を用いて書くと、「行列の割り算(逆行列)」が使え、次の様なすっきりした形にすることができる。

応用[編集]

  • 中学校理科ではイオン化学式に関する問題が習ったばかりの連立方程式で解く問題が出てくる。数学の苦手な人にとっては苦しかった。
  • 高等学校化学基礎においては、化学反応式の係数の求め方の一つに連立方程式を解く未定係数法を学ぶが、未知数の数が式の数より多いことが多く、未知数のうちのひとつを1か2にして未知数を減らして解を求める。

脚注[編集]

  1. 但し、2012年から2021年の高校入学生については数学の単元から行列が削除された(入れ代わりに複素数平面が復活した)ので、大学以降の履修となった。