躍度
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躍度(やくど)、加加速度(かかそくど)、ジャークとは、単位時間当たりの加速度の変化率の事である。より専門的に言うと、躍度とは、加速度を時間で微分したもの、速度を時間で二階微分したもの、また、長さを時間で三階微分したものであると言える。単位としては物理学ではメートル毎秒毎秒毎秒(m/s3)が使われるが、地質学などではガル毎秒が、通俗的には重力加速度毎秒が単位として使われることもある。なお、躍度は速度や加速度と同様にベクトル量であり、向きと大きさとで表されるが、複雑な点がある。例えば、加速度0の状態から「北向きに1m/s3の躍度で加速度を増大する」といえば、1秒後には北向きに1m/s2の加速度、2秒後には北向きに2m/s2の加速度になる。ここで、今まで加速度を増してきたのと同じペースで加速度を減じ始めたとしよう。加速度の減少は負の躍度で表すことになるのだが、この時の躍度は「北向きに-1m/s3」つまり「南向きに1m/s3」ということになる。加速度は北向きのままなのに南向きとは奇妙に思えるが、このままの躍度で加速度を減じ続けると、2秒後には加速度は0となり、それ以降は南向きの加速度で進むことになる。ゆえに、「このままいくと南向きの加速度になる」という意味であると言える。ところで、スカラー量である躍度の大きさには速度に対する「速さ」のような特別な言い方はなく、「躍度の大きさ」と呼ぶのが普通である。また、単位時間当たりの躍度の変化量、つまり躍度を時間で微分したものをスナップという。躍度の上限は、時間の最小単位であるプランク時間で等速からプランク加速度まで加速度を増すときの躍度である。
変位の時間微分量 |