アブセメント

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アブセメント[1]は、変位時間を乗じたもの、つまり変位の時間積分である。単位はメートル・秒(m・s)となる。変位の時間微分と比べて、変位の時間積分は登場する機会が極めて少ない。しかし、全く役に立たないというわけでもない。例えば、公衆電話では、通話先との距離と通話時間によって通話料金が決定する。実際には距離や通話時間と通話料金が完全に比例しているわけではないが、おおむねアブセメントが大きくなるほど、通話料金は高額になると言える。あるいは、「等速直線運動をした後一旦停止し、その後先ほどとは逆向きに等速直線運動をして停止した」といった場面を考える際、x-tグラフでは一旦停止している場面はグラフがt軸と平行になり、その後はグラフが軸に近づいていくが、アブセメント-tグラフでは、一旦停止している場面はグラフの傾きが一定になり、その後はグラフの傾きがだんだん小さくなっていく。グラフが常に右上がりになるので、こちらの方が分かりやすいという人もいるだろう。アブセメントをさらに時間で積分するとアブシティ(Absity、単位m・s2)と呼ばれる物理量になるが、もはやほとんど使われることはない。

脚注[編集]

  1. 日本語の定訳がないため、英語のabsementを片仮名表記したものを記事名とする
変位の時間微分量
m/s6 加加加加加速度 (Pop / Pounce)
m/s5 加加加加速度 (Crackle / Flounce)
m/s4 加加加速度 (Snap / Jounce)
m/s3 加加速度 / 躍度 (Jerk / Jolt)
m/s2 加速度 (Acceleration)
m/s 速度 (Velocity) / 速さ (Speed)
m 変位 (Displacement) / 位置 (Position) / 距離 (Distance)
m⋅s アブセメント[1] (Absement)
m⋅s2 Absity
m⋅s3 Abseleration
m⋅s4 Abserk
m⋅s5 Absnap
m⋅s6 Absackle
m⋅s7 Absop
脚注
  1. 定訳がないため、英語の片仮名表記としている