認知症

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認知症(にんちしょう)は、認知障害の一種であり、脳の細胞が死んだり働きが悪くなったりすることで、物忘れや妄想、一人歩きなどの症状が出て日常生活に支障がある状態で、いわゆる後天的なの器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態である。狭義では「知能が後天的に低下した状態」の事を指すが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知障害や「人格変化」などを伴った症候群として定義される。これに比し、先天的に脳の器質的障害があり、運動の障害や知能発達面での障害などが現れる状態は知的障害、先天的に認知の障害がある場合は認知障害という。

概要[編集]

当初は「老人性痴呆症」(いわゆる老人ボケ)と呼ばれてさほど問題視はされていなかったが、その後「若年性痴呆症」(いわゆる精神分裂症)という名称が生まれ、そこから「幼児自閉症」などの診断名が生まれた。
平成17年(2005年)に厚生労働省が「痴呆」から「認知症」に呼称を改めた。人間で65歳未満で発症する場合には、若年性認知症と言われる。日本の高齢者の5人に1人が発症しているとされ、特に80代後半になると発病率が過半数を超えるなど比較的ありふれた病気となっている。
また、認知症はなど人間以外でも発症する。愛想が悪くなった、同じ場所をグルグル徘徊、トイレの位置を忘れる、夜鳴き等があれば疑われる。
現在のところ、認知症の診断法はない。MRI などの検査によっては診断できないためである。
したがって根本的な治療法は確立されていない。世界的にも認知症が重要な社会問題として捉えられ、アメリカイギリスフランスでは国家戦略の策定など取り組みが進められている。
とはいえ、「明らかに認知症になりにくい人の傾向」というものは存在すると考えれれるタイプはいて、「九十過ぎてもボケる様子もない」という人もいらっしゃる。
「初めは物忘れが酷かったり性格が攻撃的になる程度だが、進行すると判断力や社会性の落ち込みが顕著になる他、視力や聴力、筋力など身体機能の低下も目立ち始め最終的には寝たきりを余儀なくされる場合もある」と云われるが、若年性の場合は困った人化するたみに、病識がないだけ家族関係に問題が起きることもある。

代表的な認知症[編集]

アルツハイマー病[編集]

海馬を中心に脳全体に委縮が見られる。昔のことはよく憶えているのに、最近自分が行なったことをすっかり忘れてしまう記憶障害や複数のことを並行してするのが苦手で要領が悪くなるなど実行機能の障害などが見られる。認知症の7割近くを占める。

レビー小体型認知症[編集]

脳の萎縮は軽度であるが、後頭葉の働きが低下していることが脳血流の検査などで確認される。初期には記憶障害は目立たず、見間違いや距離感がわかりづらいなど視空間認知機能の障害や幻視、パーキンソニズム、便秘、起立性低血圧など自律神経症状、睡眠中に大暴れするといった症状から気付かれることもある。進行はアルツハイマーよりも早い。

脳血管型認知症[編集]

脳梗塞脳出血などによって脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳細胞が死滅する。障害部位で症状は異なるが、思考や動作は緩慢で、手足の麻痺感情失禁などが見られることもある。

前頭側頭型認知症ピック病[編集]

前頭葉あるいは側葉頭に委縮が見られる。エピソード記憶見当識空間認知は保たれている。周囲の状況など考慮せず、頭に浮かんだことを話したり行動を繰り返すため、社会的に容認されない行為を特徴とする認知症として解釈されていることが多い。他の認知症と違って取り繕うことは少ない。

予防[編集]

多くは民間信仰的なものであるが、それなりに有効であると考えられるものもあるので、疫学的な調査も有効かもしれない。

  • 睡眠時間の確保
  • 頭を使う活動
  • 青魚(秋刀魚)。血栓防止効果があるため、脳血管型認知症の予防にはなる。
  • えごま油
  • 高野豆腐
  • 緑黄野菜
  • アーモンド
  • ピーナッツ(皮をむかずそのままのほうが良い)

認知症の場合の金融対応[編集]

認知症が進んだ場合、キャッシュカードなどの暗証番号をすぐに忘れたり、通帳を紛失したりしやすくなるため、資産の管理が難しくなったり、金融詐欺に遭う可能性も高まる。金融庁はこれに対して、銀行などが地方自治体福祉関係機関と連携して、認知能力が衰えた顧客を支援することが必要であると指摘し、金融業界に模範的な事例の共有などを求めている。