聴濤弘
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聴濤 弘(きくなみ ひろし、1935年 - )は、政治家、国際問題研究者[1]。元日本共産党参議院議員(1期)。元日本共産党衆議院議員の聴濤克巳の次男。
経歴・人物[編集]
東京生まれ[1]。京都大学経済学部中退。1960~1964年ソ連に留学[2]。1967年より日本共産党中央委員会に勤務[3]。国際部長、政策委員長[3]、常任幹部会委員(1990~1997年)を歴任[1]。1992年7月の第16回参議院議員通常選挙で比例区から出馬し初当選。1997年9月の第21回党大会で中央役員を引退、名誉幹部会委員[4]。1998年7月の第18回参議院議員通常選挙には出馬せず、国会議員を引退。2000年11月の第22回党大会で名誉議長・名誉幹部会委員・中央委員会顧問が廃止され、名誉役員に一本化された際に名誉職を失った。
日本共産党の理論家の1人。かもがわ出版の松竹伸幸は不破哲三と聴濤弘を「共産党の社会主義論を築き上げてきた両巨頭のようなもの」であると評している[5]。役職引退後は雑誌『季論21』(本の泉社)や社会主義理論学会などで活動し、著書や論文は党外の人間にも読まれている。松竹によると、著書『マルクスならいまの世界をどう論じるか』(大月書店、2016年)は『赤旗』から広告の掲載を拒否された。特に中国問題を主題にした本だとこのような扱いを受けることがあるという[6]。なおこのことをブログ記事に書いたところ、売れ行きが上がったという[7]。2021年刊行の『マルクスの「生産力」概念を捉え直す』(かもがわ出版)も『赤旗』から広告の掲載を拒否された[8]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『21世紀と社会主義』(新日本出版社、1984年4月)
- 『社会主義をどうみるか』(新日本出版社[新日本ブックレット]、1986年4月)
- 『資本主義か社会主義か』(新日本出版社、1987年8月)
- 『ソ連はどういう社会だったのか』(新日本出版社、1997年8月)
- 『新ロシア紀行――見たこと、聞いたこと、読んだこと』(新日本出版社、2004年1月)
- 『カール・マルクスの弁明――社会主義の新しい可能性のために』(大月書店、2009年5月)*聽濤 弘表記
- 『レーニンの再検証――変革者としての真実』(大月書店、2010年8月)*聽濤 弘表記
- 『マルクス主義と福祉国家』(大月書店、2012年4月)*聽濤 弘表記
- 『マルクスならいまの世界をどう論じるか――アメリカ、中国、IS、ロシア、EU』(かもがわ出版、2016年1月)*聽濤 弘表記
- 『ロシア十月革命とは何だったのか』(本の泉社、2017年10月)*聽濤 弘表記
- 『200歳のマルクスならどう新しく共産主義を論じるか』(かもがわ出版、2018年9月)*聽濤 弘表記
- 『マルクスの「生産力」概念を捉え直す――社会変革の新しい道筋のために』(かもがわ出版、2021年3月)*聽濤 弘表記
- 『〈論争〉地球限界時代とマルクスの「生産力」概念』(かもがわ出版、2022年7月)*聽濤 弘表記
共著[編集]
- 佐々木一司共著『社会主義と民族自決権』(白石書店、1982年5月/新日本出版社[新日本文庫]、1990年2月)
- 長砂實、荒木武司、岩田昌征、大西広、北見秀司共著『ポスト資本主義を構想する』(本の泉社、2014年9月)*聽濤 弘表記
- 芦田文夫、井手啓二、大西広、山本恒人共著『中国は社会主義か』(かもがわ出版、2020年6月)*聽濤 弘表記
訳書[編集]
- L.A.フォティエワ著、太田多耕共訳『レーニンの想い出の日日――フォティエワ回想録』(啓隆閣、1970年)
- レーニン著『国家と革命・国家について』(新日本出版社[新日本文庫]、1985年6月)
- レーニン著『帝国主義論』(新日本出版社[科学的社会主義の古典選書]、1999年12月)
分担執筆[編集]
- 日本共産党中央委員会出版局編『中野重治批判――変節者の共産党攻撃にたいして』(日本共産党中央委員会出版局、発売:日本共産党中央委員会機関紙経営局、1974年3月)
- 新日本出版社編集部編『ニューアカデミズム――その虚像と実像』(新日本出版社、1985年6月)
- 社会主義理論学会編『マルクスと21世紀社会』(本の泉社、2017年2月)*聽濤 弘表記
脚注[編集]
- ↑ a b c 新ロシア紀行 / 聴涛 弘【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
- ↑ 200歳のマルクスならどう新しく共産主義を論じるか / 聽涛 弘【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
- ↑ a b マルクス主義と福祉国家 / 聽涛 弘【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
- ↑ 名誉役員と顧問を承認 日本共産党
- ↑ 編集長の冒険 » 『200歳のマルクス…』も かもがわ出版(2018年8月31日)
- ↑ 編集長の冒険 » 「赤旗」では読めない斬新さ かもがわ出版(2016年1月21日)
- ↑ 編集長の冒険 » 「赤旗」が否定的に扱うと売れる不思議 かもがわ出版(2016年2月10日)
- ↑ 「赤旗」が死んだ日 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」(2021年3月29日)