芦田文夫
芦田 文夫(あしだ ふみお、1934年 - )は、経済学者。立命館大学名誉教授。専門は経済理論、比較経済体制論、社会主義経済論[1]。
経歴・人物[編集]
京都市生まれ。1957年京都大学経済学部卒業。1962年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学[2]。1981年「社会主義的所有と価値論」で経済学博士(京都大学)[3]。1962年立命館大学経済学部専任講師、1965年助教授、1972年教授。1974年経済学部主事、1975年経済学部長代行、1978~1979年学生部次長、1986~1988年教学部長、1991~1994年立命館副総長・立命館大学副学長[4]。2000年定年退職[2]、立命館大学名誉教授[5]。2005年まで特任教授[1]。
京大で木原正雄に師事[6]。経済学の基礎理論としての所有論と価値論を軸にソ連や東欧の社会主義経済のメカニズムを研究し、1976年に『社会主義的所有と価値論』(青木書店)として刊行した[2][6]。ソ連や東欧の社会主義経済に関する主な著書に『現代日本と社会主義経済学(下)』(木原正雄、長砂實編、大月書店、1976年)、『ソ連社会主義論――現状と課題』(長砂實共編、大月書店、1981年)がある。1980年代末の社会主義体制の崩壊以後はロシアや東欧の体制転換過程の文明史的・理論的研究に取り組み、1991年に『ロシア体制転換と経済学――文明史における市場化』(法律文化社)を刊行した[2]。旧ソ連・東欧・中国・朝鮮の研究者・研究機関との学術交流にも活発に取り組み、立命館大学人文科学研究所とロシア連邦労働省付属労働研究所・科学アカデミー東洋学研究所との間で1995年以降毎年開催されている「国際シンポジウム」で中心的役割を果した[2][7]。
比較経済体制学会代表幹事(1997~1998年度)、比較経営学会理事、経済理論学会会員[4]。1963年の結成以来、京都労働者学習協議会で講師活動を行う[8]。2020年時点で日本ユーラシア協会京都府連副会長、日中友好協会準会員、京都労働者学習協議会会長[7]。
著書[編集]
単著[編集]
- 『社会主義的所有と価値論』(青木書店、1976年)
- 『ロシア体制転換と経済学――文明史における市場化』(法律文化社、1999年)
- 『「資本」に対抗する民主主義――市場経済の制御と「アソシエーション」』(本の泉社、2021年)
共著[編集]
- 『ソ連社会主義論――現状と課題』(長砂實共編、大月書店、1981年)
- 『これからの社会主義』(真田是共著、学習の友社[学習文庫]、1981年)
- 『新経済学の基礎』(後藤靖、坂本和一共編、有斐閣[有斐閣双書]、1984年)
- 『現代の社会主義――変革の展望をひらく5』(編、小野一郎共著、学習の友社、1987年)
- 『疑問に答える社会主義』(浜林正夫、山田敬男共編、学習の友社、1990年)
- 『進化・複雑・制度の経済学――立命館大学経済学部創立50周年記念出版』(高木彰、岩田勝雄共編、新評論、2000年)
- 『中国は社会主義か』(井手啓二、大西広、聽濤弘、山本恒人共著、かもがわ出版、2020年)
出典[編集]
- ↑ a b 経済学部名誉教授 芦田 文夫 立命館大学経済学部創設70周年サイト
- ↑ a b c d e 山田彌「芦田文夫教授退任記念論文集の刊行にさいして(PDF)」『立命館経済学』第48巻第3号、1999年8月
- ↑ CiNii 博士論文
- ↑ a b 「芦田 文夫教授略歴・主要著作目録(PDF)」『立命館経済学』第48巻第3号、1999年8月
- ↑ “名誉教授(2021年5月1日現在)(PDF)”. 立命館大学. 2022年12月24日確認。
- ↑ a b 芦田 文夫 立命館大学
- ↑ a b 中国は社会主義か かもがわ出版
- ↑ 「資本」に対抗する民主主義 紀伊國屋書店