美都町
美都町(みとちょう)は、かつて島根県美濃郡に存在した町である。現在は益田市に編入されて消滅している。
概要[編集]
昭和29年(1954年)に東仙道村・都茂村・二川村の3村が合併して美都村が誕生する。昭和32年(1957年)4月に町制を施行して美都町が誕生した。
この町は益田市の東部に存在する山間の町である。中国山地の脊梁に近い傾斜地にあるため、町域の85パーセント以上を山林と原野が占める。町域の北東部の急峻な山岳を水源とする益田川・板井川・矢原川・丸茂川などが町域を流れており、この流域に民家と耕地が存在している。
主要産業は農業で、水稲や施設園芸作物を主な産業としている。肉用牛飼育なども行なわれているが小規模である。昭和53年(1978年)から栽培が開始された柚子は約19ヘクタール、100戸余りの農家で生産されており、柚子みそ・柚子酢・柚子マーマレード・清涼飲料水などに加工されている。また町内には1万本近い桜が植樹されており、このため柚子と桜の美しい町となっている。
この町には実を言うと平安時代初期の承和3年(836年)に発見された丸山銅山があった。さらに合併した旧都茂村は大森銀山代官の支配下にあった。このため、戦国時代には毛利氏・尼子氏・大内氏による銀山争奪戦も盛んに行なわれ、江戸時代になってからは「銀山天領地」とされて大いに繁栄を遂げたという。丸山銅山は昭和61年(1986年)に閉山した。
町域西部には室町時代末期に築城されたとされる四ツ山城跡があり、本丸や二の丸などの曲輪が残っている。町域北東部には双川峡があり、四季を通じて景観がよく、そのため行楽客も多く訪れる。ここにある養戸の滝は二段の滝で、上段は10メートル、下段は8メートルの落差がある。
町の文化財としては、笹倉八幡宮所蔵の獅子頭3個が県の有形民俗文化財に、金谷の城山桜が県の天然記念物に指定されている。
平成元年(1989年)に町内の宇津川に美都温泉が開発され、肌が美しくなる美人湯として有名である。
平成16年(2004年)11月1日、美都町は益田市に編されて廃止された。
美都町の主要施設[編集]
美都町の特産品[編集]
美都町の年中行事[編集]
- 美都温泉まつり(5月3日 - 5月4日。湯本館)
- 都茂エビネまつり(5月上旬。ふれあいホールみと)
- 四つ山まつり(8月の最終日曜日。四つ山山頂)
- みとふるさとまつり(11月3日。ふれあいホールみと広場)
- 都茂祇園夜市(7月21日。都茂商店街)
人口・面積[編集]
ゆかりの人物[編集]
- 北里柴三郎に師事してその研究所の副所長を務め、梅毒の化学療法剤であるサルバルサンを発見した秦佐八郎(1873年 - 1938年)は、旧都茂村の出身である。
- 林家木久扇が旧美都町内に「木久扇アトリエ」を構えている。