琺瑯
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琺瑯(ほうろう)とは、金属素材(主に鋼板)の上にシリカを主材料として釉薬をかけて焼いたものをいう。
概要[編集]
金属の錆びやすさをカバーし、ガラスの色彩の豊かさを発揮するための技法である。いわゆる七宝焼とほぼ同じ。家庭用品としては容器として味噌や漬物の保存、吸い殻入れとして用いられ、かつては病棟内で洗面器(石炭酸による手洗い用)の素材としても用いられた。
また、屋外用の琺瑯引きの看板(琺瑯看板)としても利用された。
現代ではコレクターズ・アイテムとされ、「森下仁丹」の広告とタイアップした町名表示板もある(耐候性が高いので、しばしば現役である)。「金鳥蚊取り線香」「酒」「鹽」「煙草」「ボンカレー」などは愛好者が多い。もっとも多くみられるのは、おそらく交通標識である。
構成[編集]
シリカはクラーク数において一位の珪素と二位の酸素の化合物であり、地表面において最も豊富な鉱物であるといえる。
金属アルミニウムよりも融点は高いが、鉄よりも融点が低いため、加熱処理によって鉄板にシリカを焼きつけることができる。
よって製鉄や熱間圧延によって鋼板の利用が盛んになったことにより(同時にプレス加工が工業的に普及したことにより)、前述のように医療用の洗面器などから普及した。のちに発電が盛んになったことから融点が低く圧延加工が簡便なアルミニウムの表面を窒化処理したアルマイトが一般化したり、ステンレス鋼が普及したことからあまり見られなくなった、
ほうろう加工技能士も2008年には受験者減少により廃止になったが、昭和レトロな雰囲気の一枚ものの琺瑯看板などはまだ需要がありそうに思う。古い琺瑯看板をショップディスプレイに用いている店舗はたまに見かける。