牧野富夫

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牧野 富夫(まきの とみお、1937年 - )は、経済学者。日本大学名誉教授。専攻は労働経済[1]

略歴[編集]

熊本県生まれ[2]。1960年日本大学経済学部卒業[3]。1962年日本大学大学院経済学研究科修士課程修了。日本大学助手、助教授を経て[2]、1977年経済学部教授[4]。2002年~2007年3月経済学部長[5][4]。2003年~2004年副総長[4]。2007年定年退職[6]、名誉教授[7]。2008年9月~2011年9月日本大学常務理事[8][9]。2015年秋の叙勲で瑞宝中綬章を受章[10]

労働者教育協会理事[11][12]労働運動総合研究所常任理事[11]、労働運動総合研究所代表理事[7][13][14]社会政策学会幹事(2002年~2004年)[15]鎌倉・市民アカデミア3代目代表なども務めた[16]。労働運動総合研究所顧問[17][18]平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(全国革新懇)代表世話人[19]、「新しい日本大学をつくる会」会長[20]

日大アメフト問題[編集]

日大アメフト問題を受け、2018年8月3日に勝山進元商学部長、戸田善久元歯学部長、加藤康榮元法科大学院研究科長、沼野輝彦元法学部長(いずれも元副総長)とともに記者会見を行い、田中英壽理事長ら執行部の役職辞任を要求した[21]。同年9月3日にこの5名が呼びかけ人となり「新しい日本大学をつくる会」を結成した[22]。2019年5月7日に「つくる会」は記者会見を開き、理事全員を背任罪で刑事告発することを明らかにした[20]。同年10月4日に「つくる会」や現役教員らが田中英壽理事長、内田正人元アメフト部監督、現役の常務理事らに対し、3億5千万円を大学に賠償するよう求めて東京地裁に提訴した[23]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『労働経済論』(八千代出版、1975年)
  • 『労働問題――賃労働と疎外』(総合労働研究所、1982年)
  • 『産業空洞化時代の労働運動』(青木書店、1987年)
  • 『「豊かな日本」を問う』(昭和出版、1990年)
  • 『「日本的労使関係」と過労死』(学習の友社、1991年)
  • 『日本型企業社会の神話』(新日本出版社、1993年)
  • 『人間らしい生活と賃金』(新日本出版社[シリーズ労働運動]、1996年)
  • 『大競争時代の賃金体系――「成果主義賃金」を斬る』(学習の友社[学習の友ブックレット]、1999年)
  • 『「日本的経営」の崩壊とホワイトカラー』(新日本出版社、1999年)
  • 『構造改革は国民をどこへ導くか』(新日本出版社、2003年)
  • 『「小さな政府」論とはなにか――それがもたらすもの』(公人の友社[地方自治土曜講座ブックレット]、2007年)

共著[編集]

編著[編集]

  • 『資本主義経済の理論』(片桐昭泰共編著、時潮社、1977年)
  • 『社会政策の現代的課題――小林巧教授還暦記念論集』(飯田鼎大陽寺順一共編、御茶の水書房、1983年)
  • 『ホワイトカラー――銀行・商社・損保の労働者たち』(加藤佑治共編著、新日本出版社、1990年)
  • 『日本的労資関係の変貌』(編、大月書店、1991年)
  • 『社会政策――国際化・高齢化・雇用の弾力化』(石畑良太郎共編著、ミネルヴァ書房[Basic books]、1995年)
    • 新版『社会政策――構造改革の新展開とセーフティネット』(石畑良太郎共編著、ミネルヴァ書房[Basic books]、1998年)
  • 『さらば!日本低酷主義――最低賃金生活者が見た「豊かなニッポン」』(ミニマムチャレンジの会共編、かもがわ出版[かもがわブックレット]、1996年)
  • 『ものづくり中小企業の可能性』(編、新日本出版社、1998年)
  • 『労働ビッグバン――これ以上、使い捨てにされていいのか』(編著、生熊茂実今村幸次郎藤田宏著、新日本出版社、2007年)
  • 『格差と貧困がわかる20講』(村上英吾共編著、明石書店、2008年)
  • 『よくわかる社会政策』(石畑良太郎共編著、ミネルヴァ書房[やわらかアカデミズム・「わかる」シリーズ]、2009年)
    • 第2版『よくわかる社会政策――雇用と社会保障』(石畑良太郎共編著、ミネルヴァ書房[やわらかアカデミズム・「わかる」シリーズ]、2014年、第3版2019年)
  • 『アベノミクス崩壊――その原因を問う』(編著、新日本出版社、2016年)
  • 『検証・テレワーク――「働き方改革」との関連から考える』(編著、学習の友社、2021年)

訳書[編集]

  • 『イギリスの労使関係制度』(H.A.クレッグ著、木暮雅夫共訳、時潮社、1977年)
    • 新版『イギリス労使関係制度の発展』(H.A.クレッグ著、木暮雅夫、岩出博山下幸司共訳、ミネルヴァ書房、1988年)

監修[編集]

  • 労働運動総合研究所編『財界新戦略と賃金』(新日本出版社、1997年)
  • 労働運動総合研究所編『「日本的経営」の変遷と労資関係』(新日本出版社、1998年)

出典[編集]

  1. 渡辺治ほか『戦後70年の日本資本主義』新日本出版社、2015年
  2. a b “小さな政府”論とはなにか / 牧野 富夫【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  3. 社会政策 / 石畑 良太郎/牧野 富夫【編著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  4. a b c 日本大学広報第578号PDF 日本大学(2008年9月30日)
  5. 日本大学広報第556号PDF 日本大学(2007年3月15日)
  6. CiNii 論文 - 牧野富夫教授定年退職記念号
  7. a b 構造改革は国民をどこへ導くか / 牧野 富夫【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  8. 日本大学広報第580号PDF 日本大学(2008年10月10日)
  9. 田中圭太郎「日本大学元副総長決死の告白「私たちは日本大学を訴えます」(3/3)」現代ビジネス(2019年4月26日)
  10. 日本大学広報第624号PDF 日本大学(2011年9月15日)
  11. a b 牧野富夫『「日本的労使関係」と過労死』学習の友社、1991年
  12. 労働ビッグバン / 牧野 富夫【編著】/生熊 茂実/今村 幸次郎/藤田 宏【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  13. 震災復興財源/大企業などの内部留保で/4.7%で15兆円生まれる しんぶん赤旗(2011年4月29日)
  14. 「最賃裁判ニュース」第16号(2013年9月18日) | 最低賃金の取り組み 神奈川労連
  15. 第27期(2002~2004年)役員 社会政策学会
  16. 市井の学び場、終幕へ 鎌倉・市民アカデミア 神奈川新聞(2017年6月1日)
  17. 労働総研ニュース№70 2012年9月 労働総研
  18. アベノミクス崩壊 / 牧野 富夫【編著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  19. 日本共産党第28回大会 来賓あいさつ/平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(全国革新懇)代表世話人 牧野富夫さん/日本共産党は永遠の親友 しんぶん赤旗(2020年1月16日)
  20. a b 日大教職員が理事長提訴へ 産経ニュース(2019年5月7日)
  21. 田中理事長の辞任求める/日大タックル問題 元副総長5氏 しんぶん赤旗(2018年8月4日)
  22. 日大再生 日大生とOBの会
  23. 日大理事長らに賠償請求 アメフット問題で提訴 イザ!(2019年10月4日)

外部リンク[編集]