民主主義

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民主主義(みんしゅしゅぎ)とは、人間が構成する団体に於いて異なる意見があったときには議論を行い(これを「少数意見の尊重」という)、多数決の原則によって決議するという考えである[1]

英語の“democracy”の訳語とされるが、日本語の「民主主義」とは意味の違いがある。そもそも、「民」の字義を「人から生まれたもの」とみるか、「(片目を)潰された奴隷」とするかといった解釈の違いがあり、いわゆる戦後派(アプレ・ゲール)は後者の解釈をとることが多い。

概要[編集]

スイスのような直接選挙制と、議会制民主主義国家における代表制による間接選挙制がある。前者は規模の小さい団体が多く、学校のクラスの議会、小規模な学校の生徒会や町内会がある。さらに生徒総会株主総会、後者は規模の大きな団体で学校の生徒会、地方自治体の議会国会がある[2]。この対義語に専制主義がある[3]

民主主義の実現方法[編集]

日本国の場合、立法機関である国会議員の構成員を、国民の選挙によって選んでいる。行政のトップである内閣の構成員も国会により選ばれるので、司法(裁判所)・立法(議会)・行政が相互に監視しあう「三権分立」の原則があるが、韓国のように「議会の決定に司法が従わない」といった「ねじれ」を起こしている国家もある。

また、最高裁判所の判事は、内閣より任命される他、定期的に国民審査を受けるので、司法も民主主義が適用されている。ただし、国民審査に対する国民の関心は薄く、国民審査で罷免された最高裁判事は一人もいない。

民主主義の問題点[編集]

  • 他国から侵略の意図を持った多数派工作により、選挙結果を左右させられる事がある。実際にナチスは、当時「世界で最も民主的な憲法」と云われたワイマール憲法下で、政権をとって独裁政権をうち立てた。
  • 3S政策のような手段により、自国民が政治に参加する意欲が低下させられる事がある。
  • 指導者の人気が高ければ、国を間違った方向に進めていたとしても、誰も止められない。かつてのナチスドイツが悪例。
  • 衆愚政治 - これを防止するために義務教育という制度があるが、それでも東谷義和(ガーシー)のような失敗例もある。とはいえ議決には一度も関与してはいないので、「衆愚政治にならないように気をつけよう」という注意喚起としてはプラスだったかもしれない。

イスラム国・サウジアラビアなど[編集]

イスラム法であるイスラム国サウジアラビアは、神(アッラー)が主権を持つ。神のご判断ということで物事が決定するため、国民は潔く納得するのである。そのためイスラム国などでは、アメリカなどの民主主義は、人間(一般人)の恨み妬みの感情が政策などに反映されるため「民主主義は野蛮である」と主張する[4]

エマニュエル・トッド[編集]

エマニュエル・トッドは、核家族と核家族が生んだ民主主義が最も原始的であり、ユーラシア中心地域の共同体家族や周辺地域の直系家族、それらが生み出した専制主義の方が新しいと主張[5]

とはいえ、「民主主義は最悪な国家体制のうち、最良の形態である」といい、来日したミハイル・ゴルバチョフは「日本は世界一成功した社会主義国家である」と評している。

脚注[編集]

  1. https://americancenterjapan.com/aboutusa/translations/3077/
  2. https://kotobank.jp/word/%E6%B0%91%E4%B8%BB%E4%B8%BB%E7%BE%A9-140069
  3. ただし旧ソ連を含む社会主義の国のほとんどにおいて、実情はさておき、法律上では民主主義の形態を取っている。国号に「民主主義」をつける社会主義(朝鮮民主主義人民共和国など)もある。
  4. タリバン幹部語る テレビ東京 2021年
  5. 【書方箋 この本、効キマス】第4回 『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』エマニュエル・トッド 著/濱口 桂一郎

関連作品[編集]

  • 諸星大二郎『アメリカの黒船』
    • アメリカ国民は「デモクラシー・マシン」という脳内回路と直結した送信機を装着されており、選挙などといったややこしい手続きを踏まなくてもいいということになっている。そこで、「世界政府」から派遣された「水湿布丸」(ミシシッピ)「佐助花丸」(サスクハナ)「皿科丸」(サラトガ)「振増丸」(プリマス)の四杯がアメリカを訪れ、「一国民主主義はもう古い。開国しなさい」と迫るという筋立てになっている。主役は「リオ・サカモンド」(坂本龍馬)であり、「それはアメリカの夜明けであった」で終わる。この作品以降、「ドンマイ・ダンス」(ええじゃないか)という言葉がマニアの間で使われるようになった。「カーク・カシュー」(勝海舟)「サイモン・クモーリー」(西郷隆盛)なども登場し、「キッド・タッカード」(桂小五郎。後の木戸孝允)が女に化けて逃走する場面もある。

関連項目[編集]

  • 立憲主義
  • 大統領制
  • 世界政府 - 民主主義が採用されるという予想がある。関連作品としては、諸星大二郎の『アメリカの黒船』がある。