横浜市営バス321系統 (2代)

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横浜市交通局自動車部 （横浜市営バス）磯子営業所 321系統
前身となる294系統（富岡バスターミナルにて）
基本情報
国	日本
所在地	神奈川県横浜市
種類	路線バス
起点	三井アウトレットパーク
終点	循環線
停留所数	23停留所
輸送実績	13.09人/km/日（2019年現在）
1日利用者数	171人/日（2019年現在）
開業	2021年（令和3年）7月11日
所有者	横浜市交通局自動車部 （横浜市営バス）磯子営業所
運営者	横浜市交通局自動車部 （横浜市営バス）磯子営業所
使用車両	UDトラックス・UA系ノンステップ(NSK)/UA系ワンステップ(NSK)/スペースランナーRA 三菱ふそう・エアロスター 日野・ブルーリボン いすゞ・エルガ
路線諸元
路線距離	10.12Km（能見台先回り） 10.90（富岡先回り）

321系統（横浜市営バス）（よこはましえいバス321けいとう）とは、神奈川県横浜市金沢区の三井アウトレットパークから金沢区内の富岡・並木・幸浦地区を走る横浜市営バスの循環路線。担当の営業所は磯子営業所。路線図で示されている色はスカイブルー■およびホットピンク■。

本項では当系統の前身となった294系統についても記載する。

• 本項では特記がないかぎり、三井アウトレットパークを起点として記述する。
• 系統については以下のとおりとする。
  • 61系統 … 新杉田駅から鳥浜町・三井アウトレットパーク方面へ向かう横浜交通開発の路線。かつては後述する富岡バスターミナルにも乗り入れていた。
  • 94系統 … かつて存在した富岡バスターミナルから金沢文庫方面を結んでいた横浜市営バスと京浜急行バスの路線。2021年3月31日の運行をもって廃止された。
  • 117系統 … 新杉田駅からかつて存在した三菱金沢工場方面へ向かう横浜交通開発の路線。
  • 294系統 … 新杉田駅から富岡・並木・幸浦方面へ向かっていた横浜市営バスの一方循環路線。本項で後述する。

概要

2021年の再編で廃止された94・294系統を統合した形で誕生した。両系統のみが運行していた区間に加え、地域住民から長年にわたるバス路線の開設が要望されていた区間を足した形で運行している。

歴史

本節では294系統の成立した経緯や富岡地区の市営バス網についても供述する。

2002年に横浜市長に就任した中田宏は横浜市の財政再建を掲げ様々な政策を行っていく。その中に横浜市営交通についての見直しが検討されることとなり、「横浜市営交通事業あり方検討委員会」が設置された。この時にはバス・地下鉄の民営化という案もあったが、最終的には民営化はせずに経営安定化を図っていくこととなる。そのため、赤字路線のうち他バス事業者や鉄道路線と並行している区間に関しては民間バス事業者へ運行主体を変更するか、路線を廃止することといった措置がとられることとなった。

2007年4月1日に横浜市営バス全線にわたる大規模な再編が行われた。この再編により従来からのこのエリアの基幹路線であった61系統は磯子駅 - 鳥浜町を除いてすべて廃止された。暫定運行措置路線として2年間限定で当系統が運行されることとなった。新設に際して、リネツ金沢や富岡バスターミナル発着便は廃止され、従来朝・夜のみ運行されていたなぎさ団地経由する循環の逆回りが日中に8循環運行されるようになった。暫定運行期間が終了を迎える2009年には利用者数が61系統の時代と比べて横ばい傾向であったことから、さらなる運行支出を削減したうえで一般路線化されることとなった。一般路線化にあたって、従来の8循環から6往復の運転に変更された。また、平日は4便が、土曜日は2便が富岡バスターミナル発着（294B、294C）の運行となった。 しかしながら、当系統は市営バスの中でもトップクラスに収益性が悪い路線となっており、2018年に行われた外部の監査でも何かしらの見直しが必要とされた。これに加え、富岡バスターミナルは横浜市港湾局所有の土地であり、交通局の無償利用可能期間が2021年3月をもって終了することから、2021年4月1日より富岡バスターミナル（294B、294C）発着便が廃止され、循環便が4循環という形になった。同バスターミナルを発着としていた94系統は路線そのものが廃止された。しかしながら、この再編による地域住民の反対や反発の声が大きく、代替となる交通機関を利用したとしても利便性が大幅に低下することとなるため、294系統のルートを変更をする形で今後の交通機関について模索することとなった。

その後、同年5月31日に開催された横浜市会水道・交通委員会にて当系統は三井アウトレットパーク横浜ベイサイドを起点として従来の並木・幸浦エリアに加え、これまで路線バスが運行されてなかった能見台駅・京急富岡駅を結ぶ循環線として7月11日のダイヤ改正から再編されることとなった。同時に系統番号もこれまでの294系統から321系統に変更された。運行本数は従前の94・294系統が運行していなかった早朝から夕ラッシュにかけて運行されるようになった。

年表

• 2006年（平成18年）8月31日 : 横浜市交通局が当路線の前身である61系統のうち新杉田 - 鳥浜町間を除く全線を神奈川県生活交通確保地域対策協議会に路線の退出意向を提出する。
• 2007年（平成19年）4月1日 : 61系統のうち新杉田 - 鳥浜町間を除く全線が廃止される。暫定運行措置路線として当路線が新設される。
• 2009年（平成21年）4月1日 : 一般路線化される。富岡バスターミナル発着便を新設。
• 2021年（令和3年）
  • 3月31日 : 富岡バスターミナル発着便が運行終了した。
  • 5月31日 : 同日に開催された横浜市会水道・交通委員会にて7月からルートを一部変更したうえで、321系統として運行することが発表される。
  • 7月11日 : 同日のダイヤ改正により、ルートを一部変更したうえで321系統として運行を開始する。

運行形態

No.	運行区間	備考
321A	三井アウトレットパーク → 富岡 → 能見台駅入口 → イガイ根公園前 → サブセンター前 → 三井アウトレットパーク	富岡先まわり
321B	三井アウトレットパーク → サブセンター前 → なぎさ団地前 → 能見台駅入口 → 富岡 → 三井アウトレットパーク	能見台駅入口先まわり
321C	サブセンター前 → なぎさ団地前 → 能見台駅入口 → 富岡 → 三井アウトレットパーク
321D	三井アウトレットパーク → サブセンター前 → なぎさ団地前 → 能見台駅入口 → 富岡 → 木材港入口

基本的に循環する321Aと321Bが運行されている。7時台から15時代は富岡先回りの321Aと321Bが交互に2時間毎に1本運行さえており、両循環あわせて毎時1本確保されている。16時代以降は富岡先回りの321Aが1時間間隔で運行される。6時台の始発はサブセンター前始発、20時台の最終は木材港入口止まりとなっている。どちらも磯子車庫への入出庫を兼ねている。なぎさ団地周辺では従来の294系統のルートを継承したため富岡まわりと能見台まわりでルートが異なる。

三井アウトレットパーク 時刻表

• B : 能見台先まわり、D : 木材港入口止、無印 : 富岡先まわり

新杉田駅前 2021年7月11日改正
時	平日	土曜日	日曜・祝日
7	18B	18B	18B
8	18	18	18
9	18B	18B	18B
10	18	18	18
11	18B	18B	18B
12	18	18	18
13	18B	18B	18B
14	18	18	18
15	18B	18B	18B
16	18	18	18
17	18	18	18
18	18	18	18
19	18	18	18
20	18D	18D	18D
21

294系統時代の運行形態

2021年4月1日以降

全便が通し運行であり、途中停留所止まり、始発便は存在しない。平日・土曜日・日曜祝日同一ダイヤで4循環が運行されている。

294系統全停留所時刻表（2021年4月1日改正、同日現在）

新杉田駅前 時刻表

新杉田駅前 2021年4月1日改正
時	平日	土曜日	日曜・祝日
7
8
9	00	00	00
10
11	05	05	05
12
13	05	05	05
14
15	05	05	05
16
17

2009年4月1日 - 2021年3月31日

2021年4月のダイヤ改正以前は以下の3つの子系統が運行されていた。

No.	運行ルート	運行本数
294A	新杉田駅前 → 八幡公園前 → パークハイツ前 → なぎさ団地前 → 並木中央 → 八幡公園前 → 新杉田駅前	平日2本、土曜日4本、休日6本
294B	新杉田駅前 → 八幡公園前 → なぎさ団地前 → 富岡バスターミナル	平日4本、土曜日2本、休日0本
294C	富岡バスターミナル →　パークハイツ前 → なぎさ団地前 → 並木中央 → 八幡公園前 → 新杉田駅前

平日は294Aが2便、294Bと294Cが4便、土曜日は294Aが4便、294B・294Cが2便、日曜・祝日は294Aのみが6便運行されていた。294Bは94系統の送り込み、294Cは94系統からの通し運用となっていた。すなわち、294Bを運行→94系統を1往復→294Cで戻るといった形になっている。

新杉田駅前 時刻表

• ● : 富岡バスターミナル行、無印 : なぎさ団地経由新杉田駅行（一方循環）

新杉田駅前 2009年4月1日改正
時	平日	土曜日	日曜・祝日
7
8	57	57
9	27●	27●	27
10			47
11	27●	27●
12		37	07
13	27●		27
14		37	47
15	27●
16	07	07	07
17

• 

  平日の全停留所時刻表

• 

  土曜日の全停留所時刻表

• 

  日曜日・祝日の全停留所時刻表

輸送実績

一般路線化以降の年間輸送実績をここに示す。▲はマイナスを表す。

年度	損益状況（円）			営業係数（円）	1日当たりの利用者数（人）	出典	注釈
	収入	支出	損益額
2009年（平成21年）度	7,822,000	21,491,000	▲13,669,000	274.8	133
2010年（平成22年）度	6,936,000	20,031,000	▲13,095,000	288.8	115
2011年（平成23年）度	7,522,000	20,107,000	▲12,585,000	267.3	130
2012年（平成24年）度	7,636,000	20,483,000	▲12,847,000	268.2	133
2013年（平成25年）度	7,765,000	20,812,000	▲13,047,000	268.0	137
2014年（平成26年）度	7,943,000	20,318,000	▲12,375,000	255.8	141
2015年（平成27年）度	7,410,000	18,928,000	▲11,518,000	255.4	130
2016年（平成28年）度	7,739,000	19,749,000	▲12,010,000	255.2	138
2017年（平成29年）度	7,865,000	23,651,000	▲15,786,000	300.7	140
2018年（平成30年）度	8,418,000	23,087,000	▲14,669,000	274.3	153
2019年（令和元年）度	9,357,000	23,855,000	▲14,498,000	254.9	171
2020年（令和2年）度	7,989,000	25,303,000	▲17,314,000	316.7	142
2021年（令和3年）度	2,003,000	4,945,000	▲2,942,000	246.9	36
	10,365,000	40,523,000	▲30,158,000	391.0	176
2021年 トータル	12,368,000	45,468,000	▲33,100,000	350.7	137
2022年（令和4年）度	15,790,000	53,481,000	▲37,691,000	338.7	269

停留所一覧

• 全停留所が横浜市金沢区に所在。
• 他バス路線と並走する区間に関しては最初と最後の停留所のみ記載する。
• 停車方向 : （空欄）両方向停車 ▲ 能見台さきまわりのみ停車 △ 富岡さきまわりのみ停車 ■ 循環方向のみ停車

停留所名	停留所間 営業キロ	通算 営業キロ	接続路線（鉄道）	接続路線（バス）	停車方向
三井アウトレットパーク	0.0	0.0		横浜交通開発 : ■61（鳥浜町入口まで並走）
鳥浜町中央	0.53	0.53			■
鳥浜町西	0.27	0.8
鳥浜町入口	0.3	1.1		横浜交通開発 : ■61（三井アウトレットパークまで並走）
木材港入口	0.31	1.41	横浜シーサイドライン：■シーサイドライン（鳥浜駅）	横浜交通開発 : ■117
サブセンター前	0.68	2.09
富岡東中学校前	0.56	2.65
八幡公園前	0.45	3.1
地区センター	0.54	3.65
金沢総合高校前	0.33	3.98
長浜公園前	0.33	4.31
金沢スポーツセンター前	0.2	4.51			▲
パークハイツ前	0.22	4.73			▲
なぎさ団地前	0.3	5.03			▲
長浜ホール前	0.25	5.28
能見台駅入口	0.85	6.13	京浜急行電鉄：KK 京急本線（KK 47）
富岡	0.7	6.83	京浜急行電鉄：KK 京急本線（KK 46）	京浜急行バス : ■4
宮の前	0.35	7.18
慶珊寺前	0.54	7.72
サブセンター前	0.56	8.28
三井アウトレットパークに戻る

• （長浜ホール前→パークハイツ前→長浜公園前）

停留所名	停留所間 営業キロ	通算 営業キロ	接続路線（鉄道）	接続路線（バス）	停車方向
長浜ホール前（参考）	0.85	4.78
イガイ根公園前	0.75	5.43			△
マリンハイツ前	0.11	5.54	横浜シーサイドライン：■金沢シーサイドライン（幸浦駅）		△
幸浦交番	0.42	5.96			△
並木中央	0.27	6.23			△
長浜公園前（参考）	0.3	6.53
三井アウトレットパークに戻る

廃止区間

• 接続路線は当時のものを表記する。
• 以下は2021年7月のダイヤ改正で廃止されたもの

停留所名	停留所間 営業キロ	通算 営業キロ	接続路線（鉄道）	接続路線（バス）	停車方向	所在地
新杉田駅前	-	0.0	東日本旅客鉄道：JK 05 根岸線 横浜シーサイドライン：■金沢シーサイドライン	横浜市営バス : ■215 横浜交通開発 : ■61（食品団地前まで並走）・■117系統		磯子区
新浜橋	0.8	0.8			▽
杉田平和町	0.4	1.2		京浜急行バス : ■ 110		金沢区
昭和町	0.37	1.57
南部市場前	0.25	1.82	横浜シーサイドライン：■金沢シーサイドライン（南部市場駅）
食品団地前	0.25	2.07		横浜交通開発 : ■61（新杉田駅前まで並走）
木材港入口（参考）	0.35	2.42	横浜シーサイドライン：■金沢シーサイドラインシーサイドライン（鳥浜駅）	横浜交通開発 : ■117

• 以下は2021年4月のダイヤ改正で廃止されたもの

停留所名	停留所間 営業キロ	通算 営業キロ	接続路線（バス）	所在地
地区センター	-	8.4		金沢区
富岡バスターミナル	0.14	8.54	横浜市営バス・京浜急行バス : ■94

外部リンク

• 横浜市営バス