春日井市ラーメン店強盗殺人事件

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春日井市ラーメン店強盗殺人事件(かすがいしラーメンてんごうとうさつじんじけん)とは、2015年9月24日愛知県春日井市のラーメン店で発生した強盗殺人事件である。この事件で元ラーメン店の従業員で当時無職のM(当時27歳)が逮捕された。

概要[編集]

2015年9月24日午前5時から午前7時15分までの間に、春日井市高山町のラーメン店にMが侵入し、従業員のO(当時35歳)の頭部を複数回殴って殺害し、別の男性従業員A(当時39歳)にも重傷を負わせ、金庫から売上金約250万円と売上金が入ったバッグを奪って逃走した。盗まれたのは前日までのシルバーウィークにおける間の売上金である。同日午前7時20分頃、食材配達業者が倒れている2人を見つけて110番通報した[1]。9月27日、愛知県警大阪府内にいたMから任意で事情聴取し、春日井署に任意同行した。9月28日の夜、Mが任意の聴取を拒否して署を出たため、捜査員1人が同行して戻るように説得し続けたが、9月29日午前2時頃に署から南約20キロの名古屋鉄道神宮前駅(名古屋市熱田区)近くで突然走り出して逃走した。このため愛知県警はMを強盗殺人の容疑で逮捕状をとり、全国に指名手配した[2][3]

9月29日午後10時30分頃、大阪府岸和田市にある実家の庭先で隠れているMを捜査員が見つけ、身柄を確保し逮捕した。Mは「一人でやった。凶器は捨てた」と容疑を認めている。Mはラーメン店と売上金の一部を着服したとするトラブルを起こし、8月末で事実上解雇されていた。このためMは金銭的に困窮していたという。愛知で行方をくらました後、岐阜県大垣市まで約38キロを歩き、JR大垣駅から電車で大阪駅へ移動し、実家のある岸和田市までたどり着いたものと見られている[4]

事件発生後、Mはラーメン店の関係者として捜査員から事情を聴かれたが、その際に事件当日は「大阪の友人の家にいた」と自身のアリバイを主張する一方で、思い当たる人物として店の関係者の名前を出した。ところがその後、Mが小牧市内の名鉄駅で券売機に1万円札が詰まるトラブルに遭い、駅員と携帯電話で通話していたことが判明しアリバイが崩れた。これはMが捜査の撹乱を狙ったものと見られている。Mは逮捕直後、強盗殺人容疑について「間違いありません」と認めていたが、一転して供述内容を変え、殺意を否認している。

Mは妻に「大阪府の親族宅に現金がある」と伝えていたとされ、県警特別捜査本部が妻から話を聞いて親族宅を捜索し、現金約195万円が見つかったことが決め手となった。Mは現金を奪い親族宅に隠したことを妻に伝えたという。

2015年10月20日、名古屋地検はMを強盗殺人で起訴した。

脚注[編集]

  1. 産経新聞、2015年10月1日、26面
  2. 日本経済新聞、2015年9月30日、43面
  3. 日刊スポーツ、2015年9月30日、23面
  4. 読売新聞、2015年10月1日、33面