序ノ口
概要[編集]
前相撲を取り終えた新序出世力士が初めて番付に載るのが序ノ口である。力士ランキングの下位10%に概ね相当する。
三段目以上と違い定数は無く、序二段以下の番付内人数の概ね20%が序ノ口に番付される。
付出要件が厳しくなったこと、付出資格に有効期限が設けられたことや公傷制度が無くなったことから、近年は過去のアマチュア相撲のタイトル獲得者や幕下中上位からの陥落者でも序ノ口に番付されることが多くなり、序ノ口の取的は玉石混交の傾向が強まっている。
取組[編集]
幕下以下の本場所はスイス式トーナメントで15日間で7番取組が行われ、1、2日に東西同番付(同部屋なら近い番付)の力士が対戦し、3、4日目は近い番付の力士と1勝同士、1敗同士で対戦。5日目以降は同成績の力士同士の対戦を繰り返して、最短で13日目に成績上位者同士が対戦して優勝が決まる。ただ、部屋別総当たり制なので、同部屋非対戦が何組生じるかで優勝者が決まる日が変化する。終盤になると星違いの対戦もあるので、時には6勝の力士で千秋楽の中入前に優勝決定戦が行われる。
昇進等[編集]
序ノ口で勝ち越すと序二段に無条件で昇進する。例え、序ノ口で負け越しても、新序出世力士が多数だと序二段に押し上げられることがある。序ノ口で全敗しても番付外に落とされることはない。一方、序ノ口で全休すると番付外に落とされ、前相撲を取って再出世する必要があり、取的の地位を保つため7番勝負の取組のみ出場する力士もいる。
記録[編集]
- 最多優勝記録 - 3回(蘇堅太)
その他[編集]
1960年までは、出世披露と新序は分けられ、前相撲で1番出世となった新弟子は、新序として序ノ口での対戦があり、序ノ口でも好成績なら、翌場所に序ノ口を飛び越して序二段で初めて番付表に載ることがあったが、現在は最低でも1場所7戦の序ノ口での経験を必要としている。
2023年9月からのインターハイの成績優秀者に対する三段目最下位付出は、上記の1960年以来の高卒年齢での優遇措置となった。
序ノ口の有名力士[編集]
- 勝南桜聡太 - 中学校では陸上部に所属。卒業後に式秀部屋に入門した。最高位序ノ口東9枚目で、序二段に昇進することなく、連敗、連続負け越しを重ねた式秀部屋の力士。結局、2021年7月場所後の引退まで、104連敗は史上最下位のワースト記録、34場所在位全場所負け越しを記録し、在位中の白星はわずか3勝だった。
- 澤勇智和 - 序ノ口在位通算119場所、序二段昇進延べ29度を数える力士。元Berryz工房の嗣永桃子のファンで一時期、桃智桜と名乗ったことでも有名。1992年7月場所初土俵で華吹大作引退後は現役最古参力士となっている。
- 森麗勇樹 - 序ノ口在位通算86場所、序二段昇進延べ35度を数える力士で、前記の澤勇同様古参力士の域に入っている。38場所連続負け越し[注 1]を記録した後、同じく連敗記録で有名な競走馬のハルウララにちなみ、平成21年九州場所より「森
麗 」に改名した。なお、ハルウララの連敗記録は、一着以外全て負け扱いされる競馬の世界でのもので、実際に二着なら何度かあるので、力士と同列に比べることはできない。 - 有門勇人 - 森麗以前の最多連続負け越し場所の記録者。なお初土俵から24場所目で初勝ち越しをしている。
- 志免錦金五郎 - 力士生活の約4分の3を序ノ口で過ごす。前記の有門より9歳年上で数度あった有門との対戦は序ノ口の名物だった。
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名称[編集]
大相撲の番付の表記は「序ノ口」であり、「序の口」ではない。
転用[編集]
転じて「物事の始まり」という意味で使われる。この場合は「序の口」と表記される。
関連項目[編集]
注[編集]
- ↑ 2024年3月現在も最多負け越し記録である。