岩淵慶一

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岩淵 慶一(いわぶち けいいち、1940年 - )は、哲学者。立正大学名誉教授。

経歴・人物[編集]

東京市小石川区(現・文京区)生まれ。1964年東京大学文学部哲学科卒業。1969年東京都立大学大学院博士課程修了。立正大学文学部哲学科助教授、教授、2010年名誉教授[1]東京唯物論研究会(東京唯研)会員。

マルクスの疎外論を重視し、スターリン主義や構造主義、物象化論的なマルクス解釈を批判している。弟子に田上孝一がいる。

70年代に旧ユーゴスラヴィアプラクシス派を日本に紹介した。加藤哲郎は「日本では芝田進午さんの近くにいた岩淵慶一さんなんかが紹介していました」と述べている[2]北村実は「岩淵慶一君が誰よりも早くユーゴのプラクシス派や東独の哲学論争に強い関心を持って、私にヘルムート・ザイデルなどの実践的唯物論を吹き込んだんです。実を言うと芝田さんは岩淵君から示唆を受けて進んでいったんです。東独のコージングの登場と軌を一にして、ザイデル、アルフレート・コージングと連動して芝田さんは実践的唯物論に向かっていったのです。ですから、内発的なものでは必ずしもないんです」と述べている[3]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『初期マルクスの批判哲学』(時潮社、1986年)
  • 『神話と真実――マルクスの疎外論をめぐって』(時潮社、1998年)
  • 『マルクスの21世紀』(学樹書院、2001年)
  • 『マルクスの疎外論――その適切な理解のために』(時潮社、2007年、増補版2012年)
  • 『マルクスの哲学――その理解と再生のために』(時潮社、2014年)

共著[編集]

訳書[編集]

  • ミハイロ・マルコヴィチ『実践の弁証法』(岩田昌征共訳、合同出版、1970年)
  • ハインリヒ・オピッツ『マルクス主義と認識論』(長沼真澄共訳、啓隆閣、1970年)
  • W.R.バイアー『ヘーゲルの全体像』(林和弘、平野英一、中本信子共訳、啓隆閣、1970年)
  • ガーヨ・ペトロヴィッチ『マルクスと現代』(田中義久共訳、紀伊國屋書店、1970年)
  • エルハルト・ヨーン、マンフレート・ブーア、マットホイス・クライン『マルクス主義とヒューマニズム』(丸野稔共訳、啓隆閣、1972年)
  • アダム・シャフ『言語と認識』(紀伊國屋書店、1974年)
  • M.マルコヴィチ『マルクス哲学の復権――『プラクシス』派の歴史と哲学』(三階徹共編訳、時潮社、1983年、増補版1987年)
  • ミハイロ・マルコヴィチ『コンテンポラリィ・マルクス』(市川達人、佐藤春吉、森尾直康共訳、亜紀書房、1995年)

分担執筆[編集]

  • ウィルヘルム・ライムント・バイアー他著『現代ヘーゲル研究』(啓隆閣、1971年)
  • 浦野春樹他著『ルカーチ研究』(啓隆閣、1972年)
  • 江川義忠編『哲学と宗教――菅谷正貫先生古稀記念論文集』(理想社、1983年)
  • 東京唯物論研究会編『マルクス主義思想どこからどこへ』(時潮社、1992年)

出典[編集]

外部リンク[編集]