対数関数
対数関数(たいすうかんすう。対数函数とも)とは、「ある数 x を何乗すると y になるか」という関係(対数)を表した関数。
天体の位置計算の概算や、複利計算逆演算などに使われる例がよく知られる。イギリスのジョン・ネイピアによって発明されたと云われている。概算ではあるが、乗算を加算によって代行し、近似値を高速に求められるため、「対数の発明は、天文学者の寿命を十倍にした」といわれる。いわゆる計算尺はこの原理の応用のひとつである。のちに解析学の発展によって整理され、複素数との関連において理解されることによって広まった概念である。
概要[編集]
e を底とする自然対数と(「ln」と書かれる)、10 を底とする常用定数が多く用いられるが、地震のマグニチュード、星の等級、音の大きさのデシベルやフォーンなど各種ある。
ex=y ならば ln y = x であり、10x=y ならばlog y = x である。
x を底とする対数函数で z が xyであるとき、これを logxz=yである。このときy = ln z / ln x でもある。
逆関数は e の x 乗であり、複素数まで拡張すると円周率などとも関連し、初等関数として体系をなす。
対数の和は元の数の掛け算であり、その差は割り算となる。計算尺やノモグラフなどは、その応用例である。
計算[編集]
現在では「算法の魔術」といわれるCORDIC(座標回転のディジタルコンピュータによる処理)という技法があり、乗除算一発程度の手間で初等関数の計算が精度よく行われる。
黒柳徹子さんが出演していたカシオの関数電卓のCMで、「サイン・コサイン・タンジェント、アークもOKルート・パイ、log に ln エクスポン! あなたもちょっと言ってみて」というのがあったが、当時の関数電卓はメモリが貴重だったので、69の階乗(≒1.711224524×10の98乗)を計算すると初等関数の計算よりも遅かった。なお、めったに使われないが、双曲線函数も初等関数のひとつであり、その逆関数も関数のひとつとしてサポートされていた。