密造酒
ナビゲーションに移動
検索に移動
密造酒(みつぞうしゅ)とは、公権力による管理から外れて密かに製造された酒の総称である。
概要[編集]
多くの国家において酒類は課税対象とされ、製造・販売に国による許認可が必要とされた。しかし脱税のためにこうした許認可を取らずに酒を密造する事例が横行している。また、禁酒法下のアメリカ合衆国でも行われた。
許認可が必要なのは課税対象として酒類が重要視されているだけでなく、国民の健康・衛生を守るという大義も無いわけではない。密造酒は管理の枠組みから外れており、製造販売側の悪意・過失による事故のリスク(メチルアルコールの混入)も高まる。
歴史[編集]
近代に入り、戦費調達のために多くの国家が国民に重税をかけた。酒もその対象で、徴税逃れのために密造酒を作った。ウイスキーは密造酒を隠すために樽詰めしていたものが熟成してできたものである。
日本における密造酒[編集]
日清戦争、日露戦争によって多額の戦費を使ったために酒税で収入を賄おうと、アルコール飲料製造業者以外のアルコール飲料製造を禁じた。1953年施行の酒税法により、日本では酒類製造免許を持たない者がアルコール分を1%以上含む酒類の製造は原則禁止となっている。製造免許は国税庁が交付しており、日本酒・ビールで60キロリットル以上、ウイスキー・ワインで6キロリットル以上を製造する必要があり、個人が取得することはまず不可能である。
規定の例外としては農学・醸造学など学術研究目的での酒類製造が認められている。またカクテルのように家庭や飲食店で飲む直前に混ぜる場合も例外として認められている。以上の他に20度以上の蒸留酒に対し、以下の物を混和せず、混和後にアルコールが1度以上発酵しない場合であれば自家消費目的の製造が認められている。
関連項目[編集]
- どぶろく裁判 - 日本国内での自家消費用の酒造の是非が問われた刑事事件。第一審1986年。