国鉄キロ58形気動車

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国鉄キロ58形気動車 (こくてつきろ58かたきどうしゃ)は、日本国有鉄道が設計、開発した気動車である。

概要[編集]

床下にDMH17Hディーゼルエンジンを2基設置した液体式気動車である。特急形を除く気動車でディーゼルエンジンを2基設置した一等車の気動車は本形式が唯一である。車体構造は同時期に登場した国鉄キロ28形気動車と同一であるが、吸水口が片側に2カ所あること、便所用水タンクが床下にディーゼルエンジンが2基あるため設置できず屋根上にあることが異なる。

登場に至った背景[編集]

国鉄キハ58系気動車急行列車に気動車化のために大量増備が行われたが、勾配線区には2エンジンの車両の比率を高めた。一等車は居住性を高めるために1エンジンの車両である国鉄キロ28形気動車の増備を続けたが、勾配が続く中央本線ではさらに2エンジンの車両の比率を高めるために本形式を登場させた。

履歴[編集]

国鉄キロ58形気動車の履歴 (全車帝国車両製造)
車番 落成年月日 落成配置 最終配置 改造 抹消年月日
キロ58 1 1963年5月6日 松本 名古屋 1979年5月10日
キロ58 2 1963年5月6日 松本 名古屋 1979年5月10日
キロ58 3 1963年5月6日 松本 名古屋 1979年5月10日
キロ58 4 1963年5月6日 松本 名古屋 1979年5月10日
キロ58 5 1963年5月14日 松本 美濃太田 1979年5月19日
キロ58 6 1963年5月14日 松本 美濃太田 キニ58 3 1978年8月31日
キロ58 7 1963年5月14日 松本 美濃太田 キニ58 1 1978年7月25日
キロ58 8 1963年5月14日 松本 美濃太田 キニ58 2 1978年9月22日

改造[編集]

全車がAU13による冷房化改造をされた。床下にディーゼル発電機を置く余裕がないので他の車両から給電されることになった。

運用[編集]

中央本線に投入されたが、同線の全面電車化によって用途を失った。一部は高山本線転用された。

形式消滅[編集]

急行列車の削減によって用途を失い、廃車された。一部の車両は国鉄キニ58形気動車に改造された。

参考文献[編集]