熊本豪雨

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令和2年7月豪雨から転送)
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熊本豪雨(くまもとごうう)は、2020年7月に九州地方を中心に発生した豪雨災害の通称である。気象庁による正式名称は「令和2年7月豪雨」。

概要[編集]

2020年7月3日から7月31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、各地で大雨となり、人的被害や物的被害が発生した。

7月3日から8日にかけて、梅雨前線が華中から九州付近を通って東日本にのびてほとんど停滞した。前線の活動が非常に活発で、西日本や東日本で大雨となり、特に九州では4日から7日は記録的な大雨となった。また、岐阜県周辺では6日から激しい雨が断続的に降り、7日から8日にかけて記録的な大雨となった。気象庁は、熊本県鹿児島県福岡県佐賀県長崎県、岐阜県、長野県の7県に大雨特別警報を発表し、最大級の警戒をよびかけた。

その後も前線は本州付近に停滞し、西日本から東北地方の広い範囲で雨の降る日が多くなった。特に13日から14日にかけては中国地方を中心に、27日から28日にかけては東北地方を中心に大雨となった。

7月3日から7月31日までの総降水量は、長野県や高知県の多い所で2,000ミリを超えたところがあり、九州南部、九州北部地方、東海地方、及び東北地方の多くの地点で、24、48、72時間降水量が観測史上1位の値を超えた。また、旬ごとの値として、7月上旬に全国のアメダス地点で観測した降水量の総和及び1時間降水量50mm以上の発生回数が、共に1982年以降で最多となった。

この大雨により、球磨川や筑後川、飛騨川、江の川、最上川といった大河川での氾濫が相次いだほか、土砂災害、低地の浸水等により、人的被害や物的被害が多く発生した。また、西日本から東日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定となり、埼玉県三郷市竜巻が発生したほか、各地で突風による被害が発生した。

気象庁は一連の大雨災害を「令和2年7月豪雨」と命名したが、特に熊本県に被害が集中した(県内だけで67人が死亡)ことから「熊本豪雨」の通称も広く使用されている。

被害[編集]

  • 人的被害
    • 死者 86人(うち熊本県で67人)
    • 行方不明者 2人
    • 負傷者 82人
      • 重傷 28人
      • 軽傷 54人
  • 住家被害
    • 全壊 1,627棟(うち熊本県で1,493棟)
    • 半壊 4,535棟
    • 一部破損 2,116棟
    • 床上浸水 1,741棟
    • 床下浸水 6,266棟