ケかヶか問題

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
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ケかヶか表記問題は、日本語の固有名詞を書くにあたって重大な問題である。
「个」という漢字の影響だと謂われる。

概要[編集]

「个」は「箇」と同義であり、音は「カ」である。「トマト3ケ百円」などの「ケ」はこの个であり、「3個百円」の意図なるので个が「コ」と訓まれることになった。「ヶ」も个が元である。そのため混乱が起きて「ケ」という訓ができた。「目に一丁字もない」も「一个字」の変化。
「が」はとりたて詞ではなく「所有・所属の『が』」で、“私の家”が「わが家」になる例などがある。「の」は「乃」「ノ」とも書かれ、同じく所有・所属を示す。こうした複数の原因が交絡して現状があると察せられる。
数多くの固有名詞でこれらが混同されており、ここEnpediaでも記事を立項する際に、どちらが正式なのかしばしば熱い議論が起こる[1]
○○ケ丘といった地名や、それに付随する公共施設・駅名などに多い。ほとんどの場合で、どの表記でも同様に「が」と読むので、当の住人は意外とそんなことは気にしていないことも多い。地名とそこにある駅名/インター名は一致しない事例が数多い。
自治体名など大きな地名でさえ、省庁間で表記に揺れがあることもある[2]
ケやヶ以外にも、平仮名の「が」を使うこともある。いずれも意味と読みは同じである。
どちらが正式なのかという議論では、しばしば、そもそも「正式」とは何であるかという本質論になることも多い。「『个』と書けばいい」とか「『ヶ』はそもそもカタカナではなく漢字なのだからそれを使え」といった意見もそれなりに頷ける。
鉄道の駅名では(特に中小私鉄では)社局内でも全く統一されていないことも少なくない。また、統一されていても、現場で作られた簡単なチラシなどでは厳密に使い分けられていない場合がほとんど。また『鉄道要覧』をはじめとする公的資料でも さまざまな表記が混在していることが多い。

実例[編集]

ここに挙げている表記が必ずしも「正式名称」であるとは限らない。

  • 現在、JRの駅名はほどんとが大きい「ケ」である。私鉄では社局次第である。
  • 名古屋市営地下鉄東山線の終着駅は、1969年の開業以来、名東区藤が丘にある藤ヶ丘駅であった。しかし、2004年に町名に合わせて藤が丘駅に改称された。
    • なお三駅隣には星ヶ丘駅もあるので紛らわしい。
  • 大阪府三国ヶ丘駅は、JR西日本の駅は「三国ケ丘駅」、南海電鉄の駅は「三国ヶ丘駅」と、若干の表記の差がある。
  • 東京都市ヶ谷駅は、JR東日本および東京メトロの駅は「市ケ谷駅」、都営地下鉄の駅は「市ヶ谷駅」である。
  • 茅ヶ崎市の中心駅は茅ケ崎駅である。
  • 東京都の霞が関は、東京メトロの駅は「霞ケ関駅」、首都高のインター名称は「霞が関」である。東武鉄道の「霞ケ関駅」は埼玉県川越市に位置し、両者は直線距離で40kmほど離れている。
  • 東京都目黒区にある東急電鉄の駅は自由が丘駅である。愛知県名古屋市にある地下鉄の自由ヶ丘駅と似ているが若干異なっている。
  • 茨城県の龍ケ崎市には、竜ヶ崎、竜崎、龍ヶ崎の表記が混在する。

類似の問題[編集]

似たような表記ゆれは、他の文字でも発生することがある。

之かのかノか問題[編集]

「○○の〇」的な地名で頻発する。そもそも「の」を文字表記に出さない場合もある。「乃」が駅名に使われた例は未聞。

  • 神戸市の中心駅は、阪急阪神は神戸三宮駅、地下鉄[3]とポートライナーは三宮駅であるが、JRの駅名のみは三ノ宮である。
    • 地名も神戸市三宮町であり、周辺の施設名も民間・公営を問わず「三宮」表記が普通。ただし「東横INN神戸三ノ宮」のような例外も稀にある。
  • 大阪市には「森ノ宮」「森之宮」の表記が混在する。
    • 駅名は森ノ宮駅、阪神高速のインター名は森之宮出入口
    • 駅に隣接する地下鉄の検査場は「森之宮検車場」。
    • 行政的には、城東区は城東区森之宮、中央区は中央区森ノ宮中央で区別されている...ようだが、その割には中央区に「森之宮公園」があったり、行政レベルでも混用されている。
    • 民間レベルではさらに混用は多く、「NLC森の宮ビル」など「森の宮」表記も散見される。
  • 東京駅周辺の地名は千代田区丸の内だが、地下鉄の名前は「東京メトロ丸ノ内線」である。

ツかッか問題[編集]

「四谷」「四ッ谷」「四ツ谷」の区別など。JR「四ツ谷駅」と丸の内線「四谷三丁目駅」など。

脚注[編集]

関連項目[編集]