キタドジョウ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
キタドジョウ
分類
コイ目
ドジョウ科
ドジョウ属
キタドジョウ
名称
学名Misgurnus sp. (Clade A)
和名キタドジョウ (北泥鰌)
保全状況
環境省レッドリスト情報不足


キタドジョウとは、コイ目ドジョウ科の淡水魚である。本種の分類には混乱があるが、同一と思われる為、一先ず本記事においてドジョウ属TypeIやM. chipisaniensisをキタドジョウに含めて解説する。

形状[編集]

体長は12~21cm。体色は褐色から暗褐色で、腹部が明色。

骨質盤はシャモジ状。目はマドジョウより小さい[1]

胸鰭分岐棘は8-10本(普通は9)[注 1]。尾柄部の深さ、背鰭、背鰭基底、胸鰭、骨質版の長さがドジョウよりも短い[2]

尾鰭の付け黒紋がある。

生態[編集]

東北地方関東地方北陸地方に分布する。

北海道サハリンの個体は、本州産個体と遺伝子的な差が小さすぎる事から移入とされる。ミトコンドリアDNA分析により本州北部集団・本州日本海側集団・本州太平洋側集団の3グループに分かれるとされる。

分類[編集]

2008年の研究により、マドジョウとは異なる遺伝子型のドジョウ属魚類が発見される。

2017年に中島淳が、このドジョウ属魚類に北海道濤沸湖産の標本を用いて『キタドジョウ』と名付けた[1]

同年9月、グレードAは隠蔽種とされ、Misgurnus sp. Type Iという仮の学名がつく。

2022年、遺伝子的に同系統のMisgurnus chipisaniensisが記載される。キタドジョウと同一と見られるが、記載論文内でキタドジョウとM.chipisaniensisの形状が比較されていないため、確定ではない。

またキタドジョウとMisgurnus dichachrousは同種の可能性が高いとされる。

人間との関係[編集]

開発や水質汚濁によって数を減らしていると思われる。環境省レッドリスト2020では「情報不足」とされる。

脚注[編集]

脚注
  1. ドジョウは7-9本で、モードは8本。
出典
  1. a b 中島淳内山りゅう 『日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑』 山と溪谷社2017年3月1日。ISBN 9784635062879
  2. Yuki, Yashima; Ryuya, Okada; Tadao, Kitagawa (2023). “Differences in sexual morphological dimorphisms between two loach species of the genus Misgurnus (Cypriniformes: Cobitidae) in the River Shono system, Fukui Prefecture, Japan”. Vertebrate Biology 72 (23035). doi:10.25225/jvb.23035.