どんたく号
どんたく号(どんたくごう)は、愛知県名古屋市と福岡県北九州市・福岡市を結ぶ高速バスの愛称である。
概要[編集]
名鉄バス・西日本鉄道が共同運行する夜行高速バスで、愛称は博多どんたくに由来する。
1989年の運行開始当初は名古屋 - 福岡間をノンストップで結んでいたが、名古屋と熊本県の荒尾を北九州経由でを結んでいた玄海号が1997年に廃止されて以降、北九州経由へと改められた。
また、不知火号廃止に伴い、「ひのくに号」に/から福岡天神で乗り継ぎができる割引きっぷが販売されている。
運行会社[編集]
- 名鉄バス
- 担当営業所:名古屋中央営業所
- 名鉄バスの福岡側の運行支援業務は西日本鉄道博多自動車営業所が担当。続行便が出た場合、2号車以降は西日本鉄道百道浜自動車営業所で待機することもある。
- 西日本鉄道
- 担当営業所:博多自動車営業所
- 西鉄の名古屋側の運行支援業務は名鉄バス名古屋中央営業所が担当。
運行経路・停車停留所[編集]
太字は停車停留所。愛知県内のみ・福岡県内のみの利用は出来ない。
- 名鉄バスセンター - 栄 - 東新町入口/出口 - (名古屋高速都心環状線・5号万場線・東名阪自動車道・新名神高速道路・名神高速道路・中国自動車道・山陽自動車道・広島岩国道路・山陽自動車道・中国自動車道・関門橋・九州自動車道) - 門司IC - (北九州都市高速4号線) - 富野出入口 - (平和通り・小文字通り) - 小倉駅前 - (国道199号) - 砂津 - (国道3号・国道199号) - 足立出入口 - (北九州都市高速4号線) - 黒崎IC〈引野口〉 - (北九州都市高速4号線) - 八幡IC - (九州自動車道) - 直方PA - 若宮IC - 福岡IC - (都市高速4号線・1号線・環状線) - 天神北出入口 - 西鉄天神高速バスターミナル - 博多バスターミナル
- 名鉄バスセンターは福岡行きは3階5番乗り場から発車、名古屋行きは4階21番乗り場(名鉄観光バスバスツアー集合場所)に到着する。
- 栄停留所に関しては、福岡行きはオアシス21内バスターミナル8番乗り場から発車、名古屋行きはオアシス21沿線の路上バス停にて降車扱いを行う。
- 小倉駅前に関しては、名古屋行きはセントシティ(旧:小倉そごう・コレット)前高速バス乗り場から発車、福岡行きは小倉駅バスセンター高速バス降車場において降車扱いを行う。
- 黒崎IC〈引野口〉は一旦北九州高速4号線を降り、黒崎出入口から直進した場所にある一般路線バス(西鉄バス北九州)の「引野口」停留所において乗降扱いを行う。
- 福岡側における名古屋行きに関しては、西鉄天神高速バスターミナルは6番乗り場から、博多バスターミナルは35番乗り場からそれぞれ発車する(福岡行きはそれぞれの降車ホームに到着)。
- 道路事情や悪天候などによる通行止めや帰省ラッシュ時期等における長区間での渋滞により大幅な遅延が予想される場合は、運行ルートを一部変更(一般道や別の高速道路への迂回など)される場合もある。
途中休憩など[編集]
あくまでも一例であり、時季や続行便との調整、途中の道路事情などで休憩場所が変更となることがある。
- 土山SA・壇之浦PA - 10分休憩(下り)名鉄バス便
- 御在所SA・壇之浦PA - 10分休憩(下り)西鉄便
- 淡河PA・道口PA・玖珂PA - 乗務員交代のみ(車外には出られない)
- めかりPA ・土山SA - 10分休憩(上り)名鉄バス便
- めかりPA ・御在所SA - 10分休憩(上り)西鉄便
車両・車内設備[編集]
- スーパーハイデッカー
- 両社とも三菱ふそう・エアロクイーンを採用
- 3列独立シート
- 名鉄では2014年末以降に導入された車両は従来の座席横幅を広げた「プレミアムワイド車」を採用している。
- 化粧室
- 通路カーテン(窓側席のみ)
- 西鉄ではフェイスカーテンを採用。
- 除菌装置
- 名鉄ではプラズマクラスターを装備する。
- 携帯端末充電装置(座席コンセントまたはUSBポート)
以前はビデオ(DVD映画)サービスをおこなっていたため従前の車両において車内にはテレビモニターが設置され、ビデオ映画の他、始発地出発直後と終点到着前は地上波放送も流していたが、近年はビデオサービスも廃止されており、両社とも車内前方にテレビモニターは残されているも、音声合成装置と連動した車内案内(座席周り・車内設備の説明や車内での過ごし方など)ならびに次の停留所案内・運賃表示のみとなっている。
西鉄バスの初代専用車のうち、3台目に増備された車両では、全席にフェイスカーテン・液晶テレビを設置していた。これははかた号運行前に試験的に導入したもので、この使用実績が、はかた号の車両仕様の決定に活用された。また、全席へのフェイスカーテン装備は、その後の西鉄バス夜行高速車両の標準仕様となった。
かつては両社共に車内中央にはカーポットが置かれ、セルフサービスにおいてインスタントコーヒーとティーバッグのお茶が提供されていたが、現在使用されている車両にはカーポットは置かれず、代替として西鉄はペットボトルのミネラルウォーターが、名鉄は紙パックの緑茶が、それぞれ乗務員より乗客1人ひとりに配られている。
尚、運行当初は名鉄・西鉄ともに専用車で運用され、両社とも車体側面に(西鉄バスは正面にも)オランダ語表記で「ZONDAG」と書かれていた。また、西鉄バスの車体側面塗装のデザインは画家の岡本太郎が担当しており、その後は、はかた号でも同じデザインが流用された(ただし、車両都合時や続行便で使用される車両はムーンライトデザインが施された他路線の車両が使われる事もあった)。2000年代以降に導入された他路線の西鉄バス夜行高速車両はこのデザインに統一されている。
現在は、両社共に車両の効率運用から専用車ではなくなり、車体への愛称表記もなくなっている。
その他[編集]
JR系でも、どんたく号と同じ日にジェイアール東海バスと九州旅客鉄道(JR九州、現在バス部門はJR九州バスに移管)の共同運行でのダブルトラックが認められ、名古屋駅と博多駅を直行便として運転していたレインボー号が誕生したが、天神を経由せず、北九州市内の停車地確保にも失敗したことから、高速バス運行で実績に富む西鉄・名鉄系の牙城を崩せずに競争に敗北、僅か3年3ヶ月後の1993年(平成5年)4月に廃止に追い込まれている[注 1]。
脚注[編集]
- 注
- 出典