還俗
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還俗(げんぞく)とは、出家して僧侶となった者が、俗者・俗人に戻る(復帰する)ことを指す。復飾(ふくしょく)とも言われる。ただし、官から正式に許可を受けて出家している場合の還俗は、国家あるいは権力者からの許可が無ければ難しい。逆に許可も受けずに自らの意思だけで出家しているいわゆる私度僧の場合は還俗することはさほど困難ではない。
還俗は本来、家督を継承する長男以外の兄弟が出家して仏門に入っていた場合、その長男が病死あるいは戦死して後継者がいない場合、御家存続のために還俗して新たな当主に迎えられる例が多かった。これは武士・公家・天皇家・宮家などに関係なく、いずれも還俗して僧侶から復帰している例が数多く存在する。ただし、還俗した場合は、もともと出家していない人間などからバカにされる例も多かったという。
著名な還俗している人物として、室町幕府の第6代将軍・足利義教、第15代将軍・足利義昭、戦国大名の今川義元や上杉謙信、江戸幕府の京都所司代・板倉勝重などがいる。