進撃の阪神巨人 ロックコンサート!! 日本武道館
『進撃の阪神巨人 ロックコンサート!! 日本武道館』(しんげきのはんしんきょじん ロックコンサート!! にほんぶどうかん)は、2014年9月26日に、日本武道館で開催されたチャリティロックコンサート[1]。「何でもロックシンガー」と呼ばれる深見東州がプロデュースし、歌や司会もつとめたお祭りイベント[2]。深見の呼びかけにより、ジョー・リン・ターナー、ミッキー・トーマス、ボビー・キンボール、スティーヴ・オージェリーが「東州ロック5人組」結成を目的とし、この日のために来日した[3][4]。エイズ撲滅を目指し、レソト王国の福祉団体サンタバリーに収益金を寄付するチャリティコンサートとして企画され、4人のロック歌手が参加を即決して、本コンサートが実現した[5][6]。
概要[編集]
トップバッターの深見東州は、オペラやシャンソンをバックボーンとした歌唱法により多様な曲を披露する傍ら、「では最初に静かな曲を……マジンガーZですけどね[7]」、「演歌を歌ってええんか?[7]」、「ガソリンスタンドはさびれますが、スタンダードナンバーはさびれない[7]」、「武道館はこぢんまりして、今日は少数精鋭のコンサートです[2]」、「荷物を持ってサンフランシスコに行くと、重いでのサンフランシスコ[3]」など、矢継ぎ早にギャグを放つエンターテイナメント性も発揮した[7]。また、「アナと雪の女王」主題歌の『レット・イット・ゴー〜ありのままで〜』を歌う際には、「版権がクリアできなかったので作っちゃいました」と、映画のワンシーンを舞台上で再現したり、舞台での早着替えなどを披露するなど、能楽師としてのこだわりも見せた[8](能楽師は、能の舞台上で服を着替える)。
続いて、ボビー・キンボール、ミッキー・トーマス、スティーヴ・オージェリー、ジョー・リン・ターナーがヒット曲のみを順に歌った。深見は、舞台転換時にも、「この後は司会をやらせていただきます。しかいと言っても歯医者さんではなく…[3]」「今日はおいしいところばかり。ウニ、イクラの後にトロが出る。カッパ巻やゲソはありません[2]」などとジョークを交えつつ、進行役をつとめた[3]。
アンコールでは、東州ロック5人組が、ビートルズの『プリーズ・プリーズ・ミー』と『ヘイ・ジュード』を熱唱し、ラストは、観客が甲子園球場名物のジェット風船を飛ばし、阪神ネタで締めくくった[2][7]。
チケットは完売し、11,500人の観客を前に[6]、5人組は、3時間以上にわたり代表曲を熱唱した。ミッキー・トーマスは当日の来日となり、空港から会場へ直行したのち午後4時からリハーサルをこなし、午後5時30分から開場を迎えるというハードスケジュールであった[5]。
存在感のある新聞広告や、都内に張り出された絶大なインパクトの交通広告ポスターも、注目を集めて一部で話題となった[7]。
2017年6月28日にたちばな出版からDVDが発売された[9]。
評価[編集]
2014年ミス日本グランプリの沼田萌花は、スポーツニッポンに「大感激」「深見のロックな魂を歌声で感じた」等の手記を寄せている[10]。また、ライターの森樹は、Quick Japan紙面にて、音楽に対してのリスペクトがきっちりあったコンサートであり、満足できたと評価している[7]。
デイリースポーツ記者の今野良彦は、紙面にて、本コンサートが「奇跡だった。信じられないようなメンバーが集結した。」と評した。また、深見の「武道館はこぢんまりして、今日は少数精鋭のコンサートです」というギャグを飛ばした件につき、「こんなみんなが一体になるコンサートなら、東京ドームでも「少数精鋭のコンサート」になる。」と評した[2]。
コラムニストの辛酸なめ子は、公演の様子について、「とにかく会場中が深見氏のギャグに笑いっぱなしでした」と述べている[11]。
ライブ出演者[編集]
- ボーカリスト
- 深見東州 - 進撃の阪神、進行役
- ボビー・キンボール - エジプトの言葉の神「トト」神を使いこなす、人類の始まりとなった類人猿型巨人
- ミッキー・トーマス - ユメミルような巨人
- スティーヴ・オージェリー - 壁から飛び出し旅するような巨人
- ジョー・リン・ターナー - 鎧のようなヘビーなヘビメタ巨人
- バックバンド
- ストームブリンガーバンド
- Dana Newcomer
- Rick Moon
- John Vasalakis
- Eddie Pecchio
- ロックつりバンド
セットリスト[編集]
曲順 | 曲名 |
---|---|
深見東州 | |
1 | マジンガーZ |
2 | ヘビーローテーション |
3 | レット・イット・ゴー〜ありのままで〜(日本語歌) |
4 | なごり雪 |
5 | 思い出のサンフランシスコ |
6 | ムーン・リバー |
7 | モナリザ |
8 | さざんかの宿 |
9 | 天城越え |
10 | 東京砂漠(内山田洋とクール・ファイブの曲) |
11 | 恋に狂って支離滅裂 |
12 | GAT MAN(ガット・マン) |
ボビー・キンボール | |
1 | ホールド・ザ・ライン (TOTOの曲) |
2 | 愛する君に (TOTOの曲) |
3 | ロザーナ |
4 | アフリカ (TOTOの曲) |
ミッキー・トーマス | |
1 | Sara (スターシップの曲) |
2 | Jane (スターシップの曲) |
3 | Find Your Way Back (スターシップの曲) |
4 | We Built This City (スターシップの曲) |
5 | Nothing's Gonna Stop Us Now (スターシップの曲) |
スティーヴ・オージェリー | |
1 | Any Way You Want It (ジャーニーの曲) |
2 | Don't Stop Believin' (ジャーニーの曲) |
3 | Open Arms (ジャーニーの曲) |
4 | Separate Ways (ジャーニーの曲) |
ジョー・リン・ターナー | |
1 | ストリート・オブ・ドリームス |
2 | 紫の炎 (Burn) |
3 | ハイウェイ・スター |
4 | スモーク・オン・ザ・ウォーター |
アンコール 東州ロック5人組 | |
1 | プリーズ・プリーズ・ミー |
2 | ヘイ・ジュード |
脚注[編集]
- ↑ “Legendary artists rock Tokyo, raise money for charity”. ジャパンタイムズ (ジヤパンタイムズ). (2014年10月4日). オリジナルの2014年10月19日時点によるアーカイブ。
- ↑ a b c d e 今野良彦 (2014年9月30日). “進撃の阪神 巨人 ロックコンサート”. デイリースポーツ (神戸新聞社). オリジナルの2014年10月19日時点によるアーカイブ。
- ↑ a b c d “オペラの阪神とロックの巨人に武道館熱狂”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2014年9月30日)
- ↑ “深見氏呼びかけ!“東州ロック5人組”に武道館が熱狂!!”. サンケイスポーツ (産業経済新聞社). (2014年10月3日). オリジナルの2014年10月18日時点によるアーカイブ。
- ↑ a b “深見東州氏呼びかけ世界的ロッカー集結”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2014年10月4日). オリジナルの2014年10月18日時点によるアーカイブ。
- ↑ a b “ロックスターらがチャリティーコンサート エイズ撲滅へ”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2014年9月28日)
- ↑ a b c d e f g 森樹「『進撃の阪神巨人 ロックコンサート!!』で、『深見東州』を体感する。」、『Quick Japan』第116巻、太田出版、2014年10月、 208-209頁。
- ↑ “「進撃の阪神巨人 ロックコンサート」で奇跡の競演”. 東京スポーツ (東京スポーツ新聞社). (2014年10月1日). オリジナルの2014年10月19日時点によるアーカイブ。
- ↑ “[DVD]進撃の阪神 巨人 ロックコンサート!! in 日本武道館”. たちばな出版. 2018年2月5日確認。
- ↑ “パワフルな歌と爆笑ギャグの連続にミス日本もビックリ!”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社). (2014年10月2日). オリジナルの2014年10月19日時点によるアーカイブ。
- ↑ “宗教家の深見東州氏 コンサートは観客笑いっぱなしで超満員”. SAPIO 2015年1月号. (2014-12-24) 2018年2月5日閲覧。.
外部リンク[編集]
深見東州(半田晴久) |