能
能(のう)とは、とは、日本の伝統的な舞台芸術である。
概要[編集]
「舞台そのものが楽器」というどすこいな舞台芸術である。舞台下が空洞になっており、反響用の甕がセットされている。舞台のサイズはおおむね決まっており、背景(松である)も同じである。楽器も同じく決まっており「太鼓(おおかわ)」「中太鼓」「小鼓」「能管」というカルテットが基本である、べつにドラムス、ベース、、ピアノ、サックスでやってもいけそうな気がする(というか、いままで誰もやったことがないのが不思議だ)。
謡方の位置も決まっていれば舞台装置(「作り物」といい、「そこに、そういうものがあるとイメージしてくれ」的なお約束である)もおおむね決まっており、演者は面(おもて)をつけて演じる。
一番目能から五番目まで通しでやると一日がかりになるため、ところどころ休憩が入る。いわゆる「狂言」のほかに、長い番組のダイジェスト版では「幕間狂言」という解説があり、これを「狂言回し」という。
なにしろ一日がかりなので、「幕の内弁当」は欠かせない。
番組[編集]
一番目から五番目までがある。
一番目は「たぁ~かぁ~さぁ~ご~やぁ~」で有名な『高砂』であり、五番目は『切能』『修羅能』といわれる戦闘シーン満載(『土蜘蛛』などが著名)である。
「『熊野』『松風』に米の飯」と云われる定番があるが、『羽衣』は「キミは何回寝たか?」と云われるくらい途中で音落ちすることで有名である。
参考書はかなり多く出版されているので、あらかじめ下ごしらえをしておくことをお奨めする。
その他[編集]
「大山能」という奉納能楽があり、ふだんは共演したことのない演奏者が集まって演ずるのだが、リハーサルは「口唱(くちずさみ)」といって楽器なしで集まって音合わせをする。ある意味ジャムセッションである。五線譜がなく小鼓方は打楽器だが音高の変化があるが、なぜかこれで通じてしまうのがすごい。「序の舞」の出だしは「オヒャーライホウホウヒー、オヒャーラーイヒウーヤー」だったりするが、なんとなく分かったりするので慣れると「うーむ」と考えこんでしまう。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 成田美名子『花よりも花の如く』(白泉社)