新春 ジャズの一人祭典!
『新春 ジャズの一人祭典!』(しんしゅん ジャズのひとりさいてん)は、2015年1月15日に、中野サンプラザホールで開催された、進撃の阪神深見東州によるチャリティジャズコンサート。オペラ歌手としても活動している深見東州が、30曲あまりのジャズを披露した[1]。収益金は、エイズ撲滅を目指すレソト王国の福祉団体・サンタバリーに寄付される[2]。
概要[編集]
深見東州による、初のジャズのワンマンコンサートであり、オペラの素養を活かした発声による歌唱がされた[3]。2000人の超満員の観客を前に、深見のギャグでコンサートが開始された[4]。オープニングの『A列車で行こう』の途中で、深見が「ゴムバンドの演奏に覇気がない」と感じたためにいったん演奏を停止し、ゴムバンドのメンバー全員(60代が主流)に栄養ドリンクを配り、「リハーサルにないことをやる、それがジャズ!」と、予想のつかない展開で開始した[3][5]。『Quick Japan』のライターの森樹によると、「場の堅苦しさを和らげていこうとする意識」も感じられたという[5]。曲間のMCでは、曲の歌詞の内容から背景に至るまで、ギャグを交えながら丁寧に説明され、曲についての突っ込みもところどころに挟まれた[5]。
当日は、3時間半にわたるステージを休憩をはさむことなく、毎曲間のMCで観客の笑いをとりながら、のべ30曲(2度歌唱した曲を1曲と数えると28曲)を連続披露した[3][4]。『ひょっこりひょうたん島』『アニメ主題歌ジャズメドレー(ルパン三世→ガッチャマンの歌→マジンガーZのフルコーラス)』は、ジャズ風のアレンジで歌唱された[6]。アンコールでは、聖者の行進、ダニー・ボーイ、オー・ソレ・ミオ、聖者の行進(2回目)、テネシーワルツの5曲を披露し、観客席に降りて歌いながら歩くパフォーマンスも行っている[3][4]。
来場者には、紅白の餅が振る舞われた[3]。
評価[編集]
2014年ミス日本グランプリの沼田萌花は、スポーツニッポンに「今回のオールジャズはとても興奮しました」等の手記を寄せている[7]。
デイリースポーツ記者の今野良彦は、深見を「ジャズな人」と評し、本コンサートが、生まれて初めてジャズのコンサート行った高校生のときに、同じ中野サンプラザで聞いた「ジャズ・サックスの巨人、ソニー・ロリンズのサックスの最初の音を聞いたときの思いに勝るとも劣らない、感動」であったと評価した[8]。
深見の歌声に関して、マイケル・ボルトンが「一度聴くだけで半田氏が歌うことをどれほど愛しているかがすぐわかる。その圧倒的な美声、卓越した歌唱力、幅広い声域と歌にかける情熱は音楽を愛する数多くの人々を魅了するだろう。私は半田氏の大ファンである」と評価している。ジョー・リン・ターナーも「初めて半田氏の歌を聴いたとき、深みのある豊潤な声と完璧な音程に驚嘆しました。じっくり聴くと、彼の歌詞とメロディーに込める深くて繊細な情感が伝わってきます。それはまさに彼が『本物の歌手』である証だと思います。彼は歌い手に必要な要素をすべて融合し、一つひとつの歌を本来歌われるべき表現でリスナーに届けます」と評価を寄せた[6]。
ライターの森樹は、「深見の知識と好奇心の旺盛さがこうした無二のパフォーマンスに繋がっている」、「混沌とする時代に放たれる縦横無尽なパフォーマンス」、「還暦を超えているとは思えない無邪気さとテンションは、現在のポジションに収まることを良しとしない深見の前向きさの表れ」と本コンサートの意義を評価している[5]。
ライターの西原真志は、「実際にこのステージからは、深見のジャズや音楽に対する熱い想いや、オーディエンスに対する溢れんばかりのサービス精神が感じられた」と本コンサートの意義を評価している[3]。
東京スポーツで、「あらゆるジャンルで“チケット代以上に楽しめる”ステージ」の一つとして報道された[9]。
広告[編集]
宣伝広告には、「ワンマン」の「ワン」にかけて、「ワンワン」と吠える犬が散りばめられたデザインとなっていた[5]。
ライブ出演者[編集]
- ボーカリスト
- ゴムバンド(柔軟に何でも出来るという意味[5])
『Quick Japan』によるアンケートの結果、ゴムバンドのメンバーは、小林旭からの紹介によりバンドに加入になった人がもっとも多かったという[5]。バンドメンバーによると、深見のボーカリストやパフォーマーとしての魅力は、「あらゆるジャンルに精通・実践していること、オペラ的歌唱をベースとする声の良さ」という点で共通していた[5]。その他、須藤哲史は「自由」、隼トシヒデは「超人」、市川直樹は「子どもが遊んでいるみたい」などと、深見を評価している[5]。
セットリスト[編集]
曲順 | 曲名 |
---|---|
1 | A列車で行こう |
2 | イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン |
3 | フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン |
4 | ばら色の人生 |
5 | ベサメ・ムーチョ |
6 | キサス・キサス・キサス |
7 | 思い出のサンフランシスコ |
8 | ムーン・リバー |
9 | ミスティ |
10 | アズ・タイム・ゴーズ・バイ |
11 | アンチェインド・メロディ |
12 | ラヴ・ミー・テンダー |
13 | 君はわが運命 "You Are My Destiny" |
14 | シャドウ・オブ・ユア・スマイル (いそしぎ) |
15 | ベッドでタバコを吸わないで |
16 | モナ・リザ |
17 | サマータイム |
18 | 嘘は罪 |
19 | 枯葉 |
20 | 魅惑の宵 |
21 | 慕情 |
22 | この素晴らしき世界 |
23 | ひょっこりひょうたん島 |
24 | アニメ主題歌ジャズメドレー |
25 | 〜 マジンガーZ(フルコーラス) |
アンコール | |
26 | 聖者の行進 |
27 | ダニー・ボーイ |
28 | オー・ソレ・ミオ |
29 | 聖者の行進(2回目) |
30 | テネシーワルツ |
脚注[編集]
- ↑ “深見東州さん、「新春 ジャズの一人祭典!」で30曲披露”. 産経スポーツ (産経新聞社). (2015年1月21日)
- ↑ “Jazz concert raises money for AIDS charity in Lesotho”. ジャパンタイムズ (ジヤパンタイムズ). (2015年1月23日)
- ↑ a b c d e f 西原真志「深見東州が挑むジャズ・エンターテインメントの世界」、『Jazz Japan』第47巻第8号、株式会社ジャズ・ジャパン、2015年2月、 112-113頁。
- ↑ a b c “東州ワールドに感動&笑い初め”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2015年1月21日)
- ↑ a b c d e f g h i 森樹「深見東州色100%の、濃厚なジャズコンサートに突撃!」、『Quick Japan』第118巻、太田出版、2015年2月、 158-159頁。
- ↑ a b “深見東州氏 新春 ジャズの一人祭典!”. 日中新聞 (日中新聞社). (2015年1月22日)
- ↑ “名曲ジャズのオンパレード ミス日本グランプリら観客わかす”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社). (2015年1月20日)
- ↑ 今野良彦 (2015年1月21日). “「新春 ジャズの一人祭典!」深見氏のJAZZYな声に酔いしれた”. デイリースポーツ (神戸新聞社)
- ↑ “2000人が名曲に酔いしれた「新春ジャズの一人祭典!”. 東京スポーツ (東京スポーツ新聞社). (2015年1月21日)