東京国際コンサート

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東京国際コンサート(とうきょうこくさいコンサート、Tokyo Global Concert)とは、芸術文化の振興と国際交流を目的として、日本国外の著名オペラ歌手を日本に招き、東京都で開催しているコンサート[1]

2013年より、「より多くの人にクラシックを愛してほしい」という主旨の下、クラシック歌曲を鑑賞できる場として、半田晴久が会長を務めるNPO法人世界芸術文化振興協会 (IFAC) 主催で開催されている[1][2]

概要[編集]

主催のIFAC会長半田は「世界トップレベル音楽校の一つであるジュリアード音楽院卒業者を中心に招待し、世界水準の歌唱力や表現力、演技がどのようなものかを肌で体験する機会を設けた」[3]と述べると共に、「東京を世界一の文化とスポーツの都市にしたい」と希望しており、特に「『東京』でコンサートや能の無料催事を開催し、文化振興に努める」としている[1]

当日は、世界のアーティストから学べる機会を提供するために、日本人の若手音楽家も招いている[4]。また、半田自身もオペラ歌手として出演している。

IFAC副会長栗林義信は「広く一般の皆さんに世界水準の歌声を聴いて頂く機会を提供することが、結果的にはオペラ芸術のファンを増やし、日本声楽界の発展につながる」と本コンサートの意義を述べている[3]

開催リスト[編集]

日程 会場 主賓歌手 出演者
2013年 9月10日 なかのZERO大ホール キリ・テ・カナワ 深見東州、コナル・コード大西宇宙
2014年 6月18日 新国立劇場オペラパレス ルネ・フレミング 深見東州、コナル・コード、ロベルト・アバド
2015年 6月15日 新国立劇場オペラパレス ホセ・カレーラス 深見東州、コナル・コード
8月26日 東京国際フォーラム プラシド・ドミンゴ 深見東州、ヴァージニア・トーラ、ミカエラ・エステ、ユージン・コーン
2016年 7月27日 新国立劇場オペラパレス アンジェラ・ゲオルギュー 深見東州

2013年のコンサート[編集]

2013年9月10日、芸術文化の振興と国際交流を目的とし、キリ・テ・カナワやジュリアード音楽院卒業生と大学院在学生を中心とする出演者により、東京都中野区のなかのZERO(もみじ山文化センター)大ホールで無料開催された[3]。出演者の深見東州とコナル・コードは、以前にも、ベルディ作曲のオペラナブッコ」で共演し、旧知の仲であった。曲の合間には、深見東州により、クラシック曲の解説がされた[5]

キリ・テ・カナワからは、来日できたことを喜ぶ挨拶があった[3]。このコンサートにはサプライズ出演であったという[3]

第1部
深見東州とコナル・コードによるコンサート
出演者
  • 深見東州(バリトン、日本出身)[6]
  • コナル・コード(バス、ニュージーランド出身)
  • フィービー・ブリッグス(ピアニスト、フィリピン出身)
第2部
ジュリアード音楽院声楽科の大学院生と卒業生によるコンサート
出演者
  • 大西宇宙(バリトン、日本出身)
  • メレディス・ラスティング(ソプラノ、米国出身)
  • キム・ユジュン(テノール、韓国出身)
  • リー・クナ(ピアニスト、韓国出身)
第3部
キリ・テ・カナワによるコンサート(ニュージーランド出身)
出演者
  • キリ・テ・カナワ(ソプラノ)

2014年のコンサート[編集]

2014年6月18日に新国立劇場オペラパレスで無料開催された[2]。抽選で当選した1,500名(応募数約5,800人)[1]に加え、日本の音楽大学の学生ら300名が招待された[1]

出演者は、ルネ・フレミング(ソプラノ)を主賓とし、深見東州(バリトン)とコナル・コード(バス)が共演した[3][7]。指揮者はフレミングの直接の指名によりロベルト・アバドが勤めた[1]。演奏は、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が行った[4]

深見は、友人のマイケル・ボルトンを通してフレミングと親交を持ち[4][8]、8年ぶり3度目の訪日公演が実現した[3][9]。深見とフレミングは「音楽はエンタテイメントであり、観客の皆様に喜んでいただければそれでいい」という共通の信念に基づき、入念な選曲を行ったと述べている[1][4]

コンサートには文化庁外務省東京都駐日アメリカ合衆国大使館が後援しており[10]、当日は安倍晋三日本国首相)、岸田文雄外務大臣)、下村博文文部科学大臣)、鳩山由紀夫舛添要一東京都知事)らからの祝辞が寄せられた[4]

深見からは「当代随一と言われるソプラノ歌手の円熟した歌唱を聴いて頂きたい」と挨拶があり、フレミングは「いつも旅をして歌っていますが、日本に戻ってこられて幸せ」と感謝の言葉を述べている[1][11]。2015年に、フレミング主演の音楽祭をニューヨークで開催する際、深見が共同開催委員長をつとめるという発表もされた[4]

第1部
深見東州とコナル・コードによるコンサート
出演者
  • 深見東州
  • コナル・コード
第2部
ルネ・フレミングによるコンサート
出演者
  • ルネ・フレミング
アンコール
出演者
  • 深見東州
  • コナル・コード
  • ルネ・フレミング

アンコールでは、フレミングと深見のデュエット、フレミングのソロの他、東日本大震災の復興を願って出演者全員による「故郷」が三重唱で唄われた[1][11][12]。多くの観客が涙したという[1][11][13]。深見は、フレミングに「日本人なら誰でも知っている」と勧めたところ、フレミングが賛同し、全員で「故郷」を歌うことになったと述べている[11]

2015年のコンサート[編集]

2015年には、三大テノールを招いてのコンサートが二度開催された。

第3回[編集]

ホセ・カレーラスを招き、2015年6月15日新国立劇場オペラパレスにおいて無料開催された。アンコールでは、カレーラスも「川の流れのように」を流ちょうな日本語で、深見東州コナル・コードとともに歌唱した[14]

第4回[編集]

プラシド・ドミンゴを招き、2015年8月26日東京国際フォーラムホールAにて、東北復興のためのチャリティーコンサートが開催された。ドミンゴは4年のぶりの来日であった。テノールの深見東州、ソプラノ歌手のヴァージニア・トーラ、ミカエラ・エステも出演した[15]。ユージン・コーン指揮、東京フィルハーモニー交響楽団を迎えたこの公演では、ドミンゴ自身が音楽監督も務めた[16]。アンコールでは、ドミンゴ始め参加者全員が、日本語で「ふるさと」を合唱した[15]

主催[編集]

後援[編集]

脚注[編集]

  1. a b c d e f g h i j “「世界一の文化都市」目指し、IFACが「東京国際コンサート」無料開催 世界最高峰の歌声が夢の共演”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2014年6月25日 
  2. a b “<東京国際コンサート>美声で魅了 米歌手フレミングさん”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2014年6月19日 
  3. a b c d e f g 「東京国際コンサート 歌姫ルネ・フレミングをゲストに開催」、『MOSTLY CLASSIC』第206巻、産経新聞社2014年5月、 96-97頁。
  4. a b c d e f “東京国際コンサートが開催〜音楽で国境を越える〜(Tokyo Global Concert/Concert aims to eliminate borders through music”. ジャパンタイムズ (ジヤパンタイムズ). (2014年6月26日. http://www.japantimes.co.jp/culture/2014/06/26/music/concert-aims-eliminate-borders-music/#.U64jC33LfK5 
  5. “10日は中野で国際交流オペラ”. スポーツニッポン (株式会社スポーツニッポン新聞社). (2013年9月7日 
  6. 研究データPDF”. 有明教育芸術短期大学. 2014年4月11日確認。
  7. “フレミングのソプラノ響く 東京国際コンサート”. 産経新聞 (産業経済新聞社). (2014年6月19日. http://www.sankei.com/region/news/140619/rgn1406190004-n1.html 2015年4月2日閲覧。 
  8. ルネ・フレミングのどこが、どのように素晴らしいのか。”. 世界芸術文化振興協会. 2014年6月24日確認。
  9. “「世界一のソプラノ」ルネ・フレミング 美声で新国立劇場の聴衆魅了”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社). (2014年6月20日. http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/06/19/kiji/K20140619008397690.html 
  10. 『東京国際コンサート』、2015年4月2日閲覧。
  11. a b c d ““当代随一のソプラノ”フレミング、4カ国語でオペラを披露!”. サンケイスポーツ (産業経済新聞社). (2014年6月20日. http://www.sanspo.com/geino/news/20140620/oth14062005030013-n1.html 
  12. 『東京国際コンサート』を鑑賞して思ったこと”. 四宮政治文化研究所 (2014年6月19日). 2014年6月26日確認。
  13. 今野良彦 (2014年6月21日). “東京国際コンサート”. デイリースポーツ (神戸新聞社) 
  14. “夢の共演実現 世界的テノール歌手ら美声で聴衆魅了”. スポーツニッポン (株式会社スポーツニッポン新聞社). (2015年6月18日. http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/06/18/kiji/K20150618010560740.html 
  15. a b “3大テノールの一人プラシド・ドミンゴ 4年ぶり来日で大観衆を魅了”. 東京スポーツ. (2015年8月28日. http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/441473/ 
  16. “国境越え豪華ハーモニー再び 世界的テノール歌手ら美声披露”. スポーツニッポン (株式会社スポーツニッポン新聞社). (2015年8月28日. http://www.sponichi.co.jp/society/news/2015/08/28/kiji/K20150828011016530.html 

外部リンク[編集]