赤岩館
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赤岩館(あかいわだて)とは、現在の宮城県気仙沼市松川に存在した館である。
概要[編集]
城というより中世の館であったらしいが、その規模は比較的大きかったらしく天然の要害で、現在までその遺構らしきものをところどころに留めている。
平安時代末期の文治5年(1189年)に奥州征伐で藤原泰衡を滅ぼして同地を完全平定した源頼朝は、従軍した諸将に対して所領を与えたが、桃生郡と本吉郡は熊谷直宗に与えた(『東鑑』)。直宗は平家物語で著名な熊谷直実の孫であり、所領を与えられると赤岩に館を築いて本拠とした。熊谷氏は安土桃山時代の天正期(1573年 - 1592年)までに新城・長崎・細浦に出城を設けるなど勢力を振るったが、天正18年(1590年)の小田原征伐で主家の葛西晴信が小田原城に遅参してしまったことから、豊臣秀吉の命令で改易されると、当時の当主である熊谷直春も所領を没収されて没落した。
ちなみに祖先の直宗の位牌と墓は、菩提寺であった新城の宝鏡寺に存在する。