臨春閣
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臨春閣(りんしゅんかく)は、三渓園内にある数寄屋建築の重要文化財である。第一屋・第二屋・第三屋がある。三つの棟が桂離宮に似た雁行形に連なる配置となっている。
概要[編集]
江戸時代前期の1649年(慶安2年)に当時の紀州藩主・徳川頼宣の夏の別荘・巖出御殿として造営された。和歌山県那珂郡岩出町の紀ノ川沿いに建てられていた。1764年(宝暦14年)に解体され、堺の豪商に買われ大坂春日新田に移築された。1906年(明治39年)に原三渓が購入し、1915年(大正4年)から三渓園内に移築を開始し、1917年(大正9年)に移築を完了した。2019年(平成31年)1月から保存修理を開始し、老朽化した屋根を交換し、耐震対策の工事が行われ、2020年5月に完了する。以前は、 桃山時代に豊臣秀吉が建てた聚楽第の遺構と伝えられていたが、近年に巖出御殿説が有力となった。
室内は数寄屋(茶室)の意匠を取り入れた書院造りとなっており、各部屋から三重塔や周辺の景観を眺めることができる。
基本事項[編集]
- 名称:臨春閣
- 構成
- 第一屋:式台、鶴の間、瀟湘の間、花鳥の間、台子の間及び縁より成る、一重入母屋造、檜皮葺、四面庇付、こけら葺
- 第二屋:琴棋書画の間、浪華の間、住の江の間、繁の間及び縁より成る、一重、矩折入母屋造、檜皮葺、四面庇付、こけら葺
- 第三屋:一階 天楽の間、次の間、縁、二階 村雨の間、縁及び階段室より成る、二重、上重矩折寄棟造、檜皮葺、下重こけら葺
- 指定:重要文化財
- 重文指定年月日:1931年(昭和6年)12月14日
- 所在地:神奈川県横浜市中区本牧三之谷58番1号