脱オタク
脱オタク(だつオタク)とは、「旧来のオタク像を否定し、新しいオタク像を追求すること。
決して「オタクっぽい言動や服装(→アキバ系)をやめること」ではない。
だいたいアンケート調査によると、現在の女子高校生の 86% が「自分はオタクだ」と認識しているそうである。オタクはもはや男性のものとはいえず、「オタクっぽいライフスタイル」を追求し、「オタクファンション」によって「私はオタクです!」とアピールしてなんぼの時代になりつつあると謂える。
概要[編集]
オタクには、2種類の評価があるとされ、
との評価がある。
オタクを脱すること[編集]
『電車男』ではそのストーリーの中で、「エルメス」[1]と呼ぶ女性に再会するときに、髪を切り、新しい服を買い、典型的なオタクファッションを脱してから会いに行くというシーンがあったが、その行動のことを脱オタクといい、そこで選ばれていくファッションのことを脱オタクファッションという。
キーワードとしての「脱オタク」とは、電車男の影響でよく取り上げられるようになった語である。電車男自体はフィクションに基づく作られたブームであると言う説がある一方、小説の一種として扱われたりテレビドラマ化や漫画化という過程を経て、一過性ながらブームを起こしたことから、社会現象として扱われるオタク文化に絡む一つの方向性として、「脱オタク」が社会の注目を集めたといえる。
旧来のオタクファッションと、対策としての脱オタクファッション[編集]
嚆矢となったのは昭和天皇陛下であろう。ディズニーランドを訪れたときにプレゼントされたミッキーマウスの時計をつけていらっしゃり、それが報道されてから女子高校生から「天ちゃん、カワイイ!」という声が上がったりした。昭和天皇陛下は理系の教養もおありで、海洋生物(ヒドロ虫類)の専門家だから正統派のオタクである。上皇陛下も「ウロハゼの学名について」という本格ミステリー顔負けの論文があり、今上天皇陛下は琵琶湖でイワトコナマズの産卵を観察したり、メコン河上流を訪れてパンガシアノドン・ギガスの生態について調査していたりする。
脱オタク・ファッションでは、いわゆる「オタクっぽい格好」に当てはまらないようにするのが基本である。
いわゆるオタクファッション[編集]
グランジ・ファッションのような、「普段着っぽい」「仕事場っぽい」「やれた」感じがポイントであり、「どうせ作業服なんだから どうでもいい」的な投げやりな感じは歓迎されづらいので「機能美の追求」を考えよう。これは「着心地のよさ」とも関係するので、「着ていて居心地が悪い」のなら改善を考えよう。
オタクファッションと判断されがちな典型を称して「アキバ系」という。と共通する点が多い(これ以外のものとしては、東北大学生の「いかにも東北(「いかとん」と呼ばれる)」や東大駒場キャンパスの「駒場ルック」がある。)。この点はヘビアイ(ヘビーデューテー・アイビー)とも共通する。
海外(英語圏)では Nerd Fashion と呼ばれるが、Nerd は「オタク」の直訳ではない(やや異なった意味の言葉である)し、海外では「オタクっぽくワザと外したファッション」という文脈で使われることもある。
これら「オタクっぽい」、ないし「オタク臭い」と揶揄される要素(ステレオタイプないし偏見)は多岐にわたるため列挙は避けるが、流行から外れているとか、廉価大量販売されている(やや保守的ないし無個性な)衣服を着こなしなどに無頓着に身に着けている、さらにはそれらがだらしなさや不潔さを連想させる要素が目立つ…などが挙げられる。
以下に典型例を列挙しその改善案を示す。
ヘアスタイル[編集]
- いわゆる、「ちょんまげ」スタイルが多い ⇒
- そもそも髪型など気にしたことがないので、全般的に無頓着ではある。「長髪を後ろで一つにまとめている(ポニーテール)」や、いわゆるスポーツ刈り)も多い。一九八十年代では、バンダナを巻くのも多かった。「とりあえず臭わない程度に洗髪する」というのが吉である。シャンプーだと匂いがきついものがあるので、レブロンとかは避けたほうがよい。馬用のシャンプーなどはよいかもしれない。
- 天然パーマ
- 毛質の話なので放っとけ。
- 「 整髪料を付けヘアドライヤーを使い、櫛やヘアブラシで髪を梳かすようにする」などは気にしなくてよい。ルーネットで梳いておけばだいたいOK。
上記の例では、髪の長さにかかわらずオタクファッション的とされるという矛盾があるが、共通点は見た人に「だらしなさ」を感じさせるかどうかである。短髪であっても中田英寿のような髪型は「オシャレボーズ」と呼ばれ、坊主頭の類型であってもオタク的とはされない。
ボトムス[編集]
- 合成染料を使用したジーンズ
- 「薄い色やまだら模様でなく、濃い色合いのジーンズを履くこと。」という意見があるが、「普通にインディゴ染料のストレートですが何か?」という感じはする。
- 大き過ぎるチノ・パンツ(特に渡りの寸法が太い場合)
- 「現在(2009年)は股上が低く、渡りが(スラックスのタックやジーンズのシルエットスタイルを参照細いのが主流である。」という意見はあるが、工学部などではローライズはあんまり向かない。むしろベルトに凝ろう。
- ズボンの裾を折っている
- 裾上げをして履くこと
- ウェストの位置が高い
- 「ズボンからパンツを見せる。」という意見はあるが、女オタでスタイルのいい女性だったらスリムのローライズを履いても恰好がつくが、野郎のパンツなど誰が見たいものか。
- 股上をやや高めにするか見せパンを履く。
- 垂れ下がったズボンを履いている。
- 「サイズが大きいか、股下が長すぎるので、サイズを合わせた物を履くかサスペンダーを付ける(サスペンダーは下着なので本来は見せない)」という意見はあるが、「工具を吊っても様になるようなベルトを作業服屋で買ってこい」「いっそオーバーオールを着ろ」のほうが現実的だろう。
トップス[編集]
- タックインが前提の裾が長いシャツ
- 裾出しが前提の短い服に替えるべき(パンツのバックポケットの範囲内の長さにする)
- アニメやゲームなどのキャラクターがプリントされたTシャツ
- 無地や模様の入ったTシャツを選ぶ(英語や文字の言った物は避ける)
- チェック柄・市松模様・タータン・ストライプのネルシャツ、柄物のワイシャツ、ワークシャツ
- タンクトップやランニングシャツを着る(脇や脇毛が見えてしまうから、服が透けると形が解ってしまうから)
- 袖付きのTシャツを着る。つーかプログラマーは見本市などでメーカーの名入りTシャツを着るのが常道だが、プリントTシャクは湿気が通りづらいため着心地が悪く、ちゃんとした厚手の染めたTシャツはけっこう高いのが難といえば難なので、スポーツ用とか白無地とかに偏りがちである。
- 下着用のTシャツを見せる(下着は見せない)
- Vネックの深いタイプを着るか、上着タイプのTシャツを着ること。
- 色合いが地味
- 色合いがはっきりした濃色を選ぶ
- 衣服の裾をボトムスにタックインする
- トップスの外側は出すのが主流である。
その他の服装[編集]
- 上下黒・白、白黒、黒黒、緑橙、緑赤の服装
- 白の靴下
- ハイソックスで足や臑毛を見せない、白以外の靴下にする(白は体操用に用いることが多い)。ロゴは無しか薄目を履く。
- 薄手の靴下(透ける靴下)
- サイズが大きいか小さい服
- 自分のサイズにあった服を選ぶこと(合わない方が見た目の印象が悪い)
- 傷んだ衣服や汚れた衣服を身につける。
- ジージャンとジーンズを組み合わせる。
- 単体で用いること。
- レザージャケットとレザーパンツを合わせる。
- 単体で用いるかレザーパンツはバイクのみに用いる。
アクセサリ[編集]
- 穴開きグローブ(オープンフィンガーグローブ)
- 標準な手袋にする。
- フルリムの鼈甲もしくはメタルフレームの眼鏡(特にデザインの古いティアドロップ型)
- レンズが小さくフレームも細目の眼鏡を着用するかコンタクトレンズを着用する。
- 鞄にキャラクターもののストラップを大量に吊り下げる
- キャラクタープリントの手提げ紙袋
- 複数の鞄を同時に持ち歩く(例:リュックサック+ウェストポーチ+手提げ紙袋)
- 鞄にポスターを筒状にして差す(俗称:ビームサーベル)
- 自分より大きいバッグ
- 太めで光沢の強い金属類のアクセサリー
- 細目にして光沢を弱くするか、艶消しを選ぶ。
- 巨大なサングラスをする。
身だしなみ[編集]
- 髭を伸ばしたまま、無精髭
- 髭剃りをする
- 服で手を拭く。口を袖で拭う
- 爪が伸びたまま、爪が汚れている。
- 頭垢や体臭がする。
- 顔に油が浮く、目脂が浮いている。
- 洗顔をする。
- 口臭がする。
- 鼻毛が飛び出している。
- 体毛が目立つ
- 耳垢が目立つ。
- 耳掻きを使い、手入れをする。
- 眉毛が伸ばしたまま
- 眉毛専用の鋏、カッター、剃刀があるので手入れをする。
- 顔を触る。
- 首から上は触らないこと。
また、大手衣料品店で売られているような安価な商品しか着ていなかったり、安価でなくとも着こなしに問題がある場合「オタクっぽい」と判断されやすい。
特徴的な体型[編集]
厳密にはファッションとは関係ないが、オタクファッションと判断される人物は幾つかの特徴的な体型をしていると指摘される。
- 極端に太っている(もしくは締まりがない体型)
- 痩せぎすで長身
- 色白(あまり外出しないというイメージから)
心理学的にも極端な体型(肥満あるいは痩身)が好意的に受け取られないことは知られている。また、痩せ気味な長身や色白については必ずしも否定的に受け取られるとは限らない(ファッションスタイルや個々人の身体的特徴に依存するため)。
また、不衛生さが問題とされることもあり、この類型として「伸びたTシャツ」や「食べこぼしの染みが残る服」、身だしなみ(洗顔や髭剃り・入浴など)に気を使わないことによる「体臭」といった問題が指摘される。
脱オタクファッション[編集]
脱オタクの最初の段階では、大抵の場合はあまりコストや時間がかかるような方向にではなく、専ら「オタク臭くない」というものがコンセプトとなっている傾向が見られる。
例えば、最も単純なスタイルの変更として、清潔感の演出が挙げられる。シャツはクリーニングから返ってきたばかりの下ろしたてのものを着る、アイロンを掛ける、髪は10分間カットではなくヘアサロンでカットし、整髪料でセットをする、縮毛矯正を掛ける、髪型を変える、無精髭など清潔感から外れるような髭は剃る、顔や身体は清潔を心がけ、入浴・洗顔をして皮脂などが浮いていないようにすると言った具合である。次の段階としては、ファッション誌などを参考に、着衣やアクセサリをチョイスしていくことが薦められていることが多い。
一方で、いわゆる「オタク気質」と目される傾向に「何事にもこり過ぎる」という面もあり、脱オタク化を目指してファッション動向のデータ収拾に没頭したり、いわゆる「周りから浮いた」個性的な格好をTPOを考えずにしてしまったりして、結果的に「ファッションオタク」に陥りかねないという本末転倒な事態も懸念される。
ただし、これらは形だけのことであり、行動様式や考え方などの変容もしばしば課題となる。清潔感の演出の延長で、一般的に不快とみなされる癖(自身の頭を掻いたり、顔を触る、独り言をつぶやくなど)を直したり、表現に注意を払ったり、誠実さ・謙虚さを心掛けるなどの必要も挙げられる。
同時に、ジムなどに通いシェイプアップに努め、肥満を解消したり筋肉をつけひ弱な印象を払拭することや、スマートでテキパキとした身のこなしができる身体能力を鍛える、食生活を見直しジャンクフードやファストフードを控えるなど、フィジカルな面からの改善も求められる。
無論、脱オタしたオタクが他の脱オタしないオタクを見下す行為や、安易に個性的なファッションに対する悪口を言うことも含まれる。いくらファッションが万人に受けるものに変容したとしても、従来の攻撃的な(或いは逃避的な)性質が治らなければ反感を買い、脱オタのイメージ自体が悪くなるためである。
脱オタクとコンプレックス産業[編集]
近年ではコンプレックス産業としての「脱オタク・サービス業者」の存在も見られる。「オタク=色白」というステレオタイプもある。通信販売でも、やはり「オタク臭くないスタイル」を手に入れるための物品を扱う業者も少なくない。
これらでは、特にコーディネート(統一されたファッションスタイルの構築)に不慣れなオタクにも対応しており、コーディネート指南として統一されたスタイルを提供したり、あるいは客観的に改善点を指摘し、これを修正する方向性も見られる。ただしオタクファッションの多くが、当人の自覚のなさにも起因する。
オタクの癖と言動[編集]
服装だけでなく、癖や言動などもマナーの上では取り沙汰されやすい。会話ないし雑談では、コミュニケーションの性質として話題を選ぶことも重要だが、その受け答えの中で癖は無意識の内に現れてしまう行動であるため、マナーを理解して問題視されかねない行動は意識して回避するなどが、脱オタクする上で必要と考えることができる。
- 早口で捲し立てる、声を高くしてしゃべる。
- 遅くてもいいので落ち着いた声で気持ちを落ち着けて話す。
- 話しているときに反応をしない。
- 軽くうなずく、「はい」、「うん」、「そうそう」、「それで」など言葉を交えながら相槌を打つこと。
- 声が聞こえづらく声が小さい。
- 多少声を大きくして話す。
- 目を合わせて人と話さない、聞かない
ロリータファッション[編集]
脱オタクファッションではロリータファッションは避けられる傾向にある。
脱オタクが題材となった作品[編集]
関連書籍[編集]
- 久世, トレンド・プロ, 晴瀬 ひろき著『脱オタクファッションガイド』 (オーム社)ISBN 4274066193
外部リンク[編集]
- 『脱オタクファッションガイド』
- 『汎用適応技術研究』
- 『オタク系SNS オタバ』
- ↑ エルメスのティーカップを御礼に貰った。