機帆船

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機帆船 (きはんせん)は、航行用の発動機を搭載した帆船である。

概要[編集]

18世紀末に発明された蒸気機関は19世紀に帆船に搭載された。当時の蒸気機関は信頼性に乏しく、すぐ故障したうえ、効率も悪いので、本格的な運用はされずに、港での接岸、離岸が主であった。

歴史[編集]

帆装の外輪船として登場した機帆船は、外洋では帆を使い、帆船として航行していた。しかし、帆装は人件費がかかり、戦闘の際は砲撃でマストを倒されたり、ロープを切断されたりして航行の自由を失うことがあった。
推進装置が外輪からスクリューに変わると効率が高まり、戦闘の際にも破壊されにくいので、軍艦は1870年代から帆装の設備を廃止し、商船もそれに続いた。最後まで帆船で残った外洋船はイギリス紅茶を運ぶカティーサークであった。
一方、小規模な内航海運漁船は帆装も簡単で人件費もかからないので20世紀に入っても機帆船が残った。日本では和船にエンジンを搭載することもあった。これらに搭載されるエンジンは焼玉機関が多かった。太平洋戦争中は燃料の節約のために木造の機帆船が小規模な輸送船として使われた。

現状[編集]

現在、「大型帆船」と呼ばれている練習船のほとんどは、航行用のエンジンを搭載する機帆船である。日本丸海王丸も同様であり、純粋な帆船は少ない。

一方で、1980年代に燃料費節減の観点から、帆をコンピュータ操作しながら補助的に使用する機帆船が登場。普及は遅々としているが、開発が止まったわけではなく、温室効果ガス排出量抑制の観点で新時代の機帆船の実用化の研究がなされている。

関連項目[編集]