松山刑務所大井造船作業場受刑者脱走事件

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松山刑務所大井造船作業場受刑者脱走事件(まつやまけいむしょおおいぞうせんさぎょうばじゅけいしゃだっそうじけん)とは、平成30年(2018年4月8日愛媛県今治市大西町新町の松山刑務所大井造船作業場で発生した受刑者の脱走事件のことである。

経過[編集]

  • 4月8日 - 午後6時10分頃、今治市の松山刑務所大井造船作業場から窃盗罪などで懲役刑で服役していた受刑者A(当時27歳)が脱走する(寮の談話室に現れず、自室にもいなかったために脱走が発覚する)。1階廊下の無施錠の窓から脱走したものと見られる。近隣の住宅で車両が盗まれ、広島県尾道市向島で発見される。Aが逃走に使ったと見て捜査する。
  • 4月9日 - 単純逃走容疑愛媛県警指名手配する。
  • 4月10日 - 4月8日から4月10日までの間に向島北東部で現金携帯電話など6件の窃盗被害が確認される。
  • 4月13日 - 向島北東部でシャツの窃盗被害が出る。
  • 4月17日 - 窃盗容疑で愛媛県警が再度、指名手配を出す。
  • 4月24日 - 向島北東部で夜間、防犯カメラにAによく似た男が映っているのが確認される。Aの供述によると、向島から泳いで本州へ渡ったとされている。
  • 4月30日 - 午前11時25分頃、広島県広島市内のインターネットカフェ店員が110番通報する。近くの路上で職務質問すると逃走し、単純逃走容疑で広島県警の警察官が午前11時30分頃、広島市南区西蟹屋3丁目の路上でAを取り押さえて逮捕する。脱走から23日目。

容疑者について[編集]

Aは平成27年(2015年3月九州で窃盗などの罪により懲役5年6ヶ月の刑が確定して服役。3ヵ月後の6月に松山刑務所に入り、平成29年(2017年12月から大井造船作業場に移る。平成30年(2018年)3月4月に規則に従わなかったとして刑務官から注意を受けていた。Aは作業場で受刑者で作る自治会における指導的立場にあったという。この脱走事件で、愛媛・広島両県警は捜査に延べおよそ1万5000人を投入したとされている。

身柄を確保された際、Aは現金2万円余りが入った財布を所持し、黒のパーカーに白と青のチェック柄半ズボン、黒のタイツと靴下、サンダルなどを着用していた。

今治市の受刑者逃走事件[編集]

大井造船作業場は昭和36年(1961年)に開設し、一定の条件を満たした受刑者が一般作業員と一緒に溶接など造船作業を行なう矯正施設である。今治市では開設以来、今回の脱走を含めて17件20名の脱走事案が発生している。平成以降、脱走事案が起きたのは全国に4箇所ある同様の施設のうち、大井造船作業場のみである。