有井行夫

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有井 行夫(ありい ゆきお、1949年 - 2018年3月22日)は、マルクス経済学者。駒澤大学経済学部教授。専攻は理論経済学[1]

経歴・人物[編集]

長野県諏訪郡生まれ。1973年東京大学法学部卒業[1]。1976年駒澤大学経済学部助手[2]。1978年東京都立大学大学院社会科学研究科経済政策専攻博士課程単位取得[1]。1978年駒澤大学経済学部専任講師、1982年同助教授[2]。1988年「マルクスの社会システム理論」で経済学博士(東京都立大学)[3]。1988年駒澤大学経済学部教授[2]。2017年3月病気療養のため退職。2018年3月22日死去[4]

1979年1月に哲学者の白須五男とともに東京ヘーゲル研究会を結成した[5]吉原直毅(1967~)が北海道大学経済学部の学部生だった頃、経済学部や教育学部の大学院で『マルクスの社会システム理論』(有斐閣、1987年)がちょっとしたブームになっていたという[6]。『マルクスはいかに考えたか――資本の現象学』(桜井書店、2010年)は『資本論』分析やそのための方法論・認識論を展開した優れた本であるが、きわめて難解である[7][8]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『マルクスの社会システム理論』(有斐閣、1987年)
  • 『株式会社の正当性と所有理論』(青木書店、1991年、増補版1998年、新版2011年)
  • 『マルクスはいかに考えたか――資本の現象学』(桜井書店、2010年)

編著[編集]

  • 『現代認識とヘーゲル=マルクス――認識主義の没落と存在主義の復興』(長島隆共編、青木書店、1995年)

分担執筆[編集]

  • 森岡孝二、杉浦克己、八木紀一郎編『21世紀の経済社会を構想する――政治経済学の視点から』(桜井書店、2001年)
  • 大谷禎之介編『21世紀とマルクス――資本システム批判の方法と理論』(桜井書店、2007年)

出典[編集]

  1. a b c 株式会社の正当性と所有理論 (新版) 紀伊國屋書店
  2. a b c researchmap
  3. CiNii 博士論文
  4. こまざわ経済通信第41号PDF”. 駒澤大学経済学部同窓会 (2018年10月20日). 2022年9月6日確認。
  5. ホームページ 東京ヘーゲル研究会
  6. 稲葉振一郎松尾匡、吉原直毅『マルクスの使いみち』太田出版、2006年、64頁
  7. 島崎隆書評 有井行夫著, 『マルクスはいかに考えたか-資本の現象学-』, 桜井書店, 2010年, 319頁PDF」『歴史と経済』第214号(第54巻第2号)、2012年1月31日
  8. 佐々木隆治『マルクス 資本論』角川選書、2018年、560頁