松尾匡

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

松尾 匡(まつお ただす、1964年7月25日 - )は、マルクス経済学者。立命館大学経済学部経済学科教授。専門は理論経済学。

経歴・人物[編集]

石川県小松市出身[1]。1983年金沢大学文学部入学、のち経済学部に転学。学部3年・4年次は藤田暁男のゼミに所属[2]。1987年金沢大学経済学部卒業[3]神戸大学大学院経済学研究科入学、置塩信雄に師事[4]。1992年神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程修了[3]。「マルクスの経済理論における価値と蓄積の研究 : 長期均衡の視点から」で経済学博士(神戸大学)[5]。1992年久留米大学商学部講師、1994年同大学経済学部講師、1998年同助教授、2003年同教授。2008年立命館大学経済学部教授[6]

社会党員であったが、村山内閣時代に自身が所属していた神戸市内の総支部ごと除名された。かつての仲間は新社会党で活動を続けているが、松尾はどこの政党にも入っていない[7]

ひとびとの経済政策研究会共同代表[8]薔薇マークキャンペーン呼びかけ人[9]グリーン・ニューディール政策研究会アドバイザー[10]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『セイ法則体系――マルクス理論の性格とその現代経済学体系への位置づけ』(九州大学出版会[久留米大学経済叢書]、1996年)
  • 『標準マクロ経済学――ミクロ的基礎・伸縮価格・市場均衡論で学ぶ』(中央経済社、1999年)
  • 『近代の復権――マルクスの近代観から見た現代資本主義とアソシエーション』(晃洋書房、2001年)
  • 『はるかさんとラピート君の入門 今どきの経済――国家から市場へ,そして……』(晃洋書房、2001年)
  • 『「はだかの王様」の経済学──現代人のためのマルクス再入門』(東洋経済新報社、2008年)
  • 『商人道ノスヽメ』(藤原書店、2009年)
  • 『対話でわかる痛快明解 経済学史』(日経BP社、発売:日経BP出版センター、2009年)
  • 『不況は人災です!──みんなで元気になる経済学・入門』(筑摩書房、2010年)
  • 『マルクス経済学』(ナツメ社[図解雑学シリーズ]、2010年)
  • 『新しい左翼入門──相克の運動史は超えられるか』(講談社[講談社現代新書]、2012年)
  • 『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼──巨人たちは経済政策の混迷を解く鍵をすでに知っていた』(PHP研究所[PHP新書]、2014年)
  • 『この経済政策が民主主義を救う──安倍政権に勝てる対案』(大月書店、2016年)
  • 『自由のジレンマを解く──グローバル時代に守るべき価値とは何か』(PHP研究所[PHP新書]、2016年)
  • 『左翼の逆襲――社会破壊に屈しないための経済学』(講談社[講談社現代新書]、2020年)

共著[編集]

  • 『マルクスの使いみち』(稲葉振一郎、吉原直毅共著、太田出版、2006年)
  • 『経済政策形成の研究──既得観念と経済学の相克』(野口旭編、浜田宏一、若田部昌澄、中村宗悦、田中秀臣、浅田統一郎共著、ナカニシヤ出版、2007年)
  • 『これからのマルクス経済学入門』(橋本貴彦共著、筑摩書房[筑摩選書]、2016年)
  • 『ポスト「アベノミクス」の経済学――転換期における異議申し立て』(金子勝共著、立命館大学社会システム研究所編、かもがわ出版、2017年)
  • 『そろそろ左派は<経済>を語ろう――レフト3.0の政治経済学』(ブレイディみかこ、北田暁大共著、亜紀書房、2018年)
  • 『左派・リベラル派が勝つための経済政策作戦会議』(「ひとびとの経済政策研究会」共著、青灯社、2019年)
  • 『資本主義から脱却せよ――貨幣を人びとの手に取り戻す』(井上智洋、高橋真矢共著、光文社[光文社新書]、2021年)

編著[編集]

  • 『市民参加のまちづくり――NPO・市民・自治体の取り組みから』(西川芳昭、伊佐淳共編著、創成社、2001年)
  • 『市民参加のまちづくり【事例編】──NPO・市民・自治体の取り組みから』(西川芳昭、伊佐淳共編著、創成社、2005年)
  • 『市民参加のまちづくり【戦略編】──参加とリーダーシップ・自立とパートナーシップ』(西川芳昭、伊佐淳共編著、創成社、2005年)
  • 『市民参加のまちづくり【コミュニティ・ビジネス編】──地域の自立と持続可能性』(伊佐淳、西川芳昭共編著、創成社、2007年)
  • 『市民参加のまちづくり【グローカル編】──コミュニティへの自由』(伊佐淳、西川芳昭共編著、創成社、2013年)
  • 『「反緊縮!」宣言』(編、池田香代子、井上智洋、梶谷懐、岸政彦、西郷南海子、朴勝俊、宮崎哲弥、森永卓郎、ヤニス・バルファキス、プログレッシブ・インターナショナル著、亜紀書房、2019年)
  • 『教養のための経済学超ブックガイド88――経済の論点がこれ1冊でわかる』(飯田泰之、井上智洋共編、奥山雅之、小田巻友子、佐藤綾野、中田大悟、朴勝俊、北條雅一、増田幹人、矢野浩一著、亜紀書房、2020年)
  • 『最強のマルクス経済学講義』(編著、神山義治、浅川雅己、熊澤大輔、橋本貴彦、西淳、恒木健太郎著、ナカニシヤ出版、2021年)
  • 『コロナショック・ドクトリン――徹底検証コロナ期日本の経済政策』(編著、論創社[論創ノンフィクション]、2022年)

訳書[編集]

  • ビクトール A.ペストフ『市場と政治の間で――スウェーデン協同組合論』(藤田暁男田中秀樹、的場信樹共訳、晃洋書房、1999年)
  • ハンス・ブレムス『経済学の歴史 1630-1980――人物・理論・時代背景』(駄田井正、大水善寛、長島正治、矢野生子、井原豊實、鈴木康夫共訳、多賀出版、1996年)
  • ヤニス・バルファキス『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層』(朴勝俊、山崎一郎、加志村拓、青木嵩、長谷川羽衣子共訳、明石書店、2019年)

出典[編集]

  1. 『東京新聞』2016年6月20日付朝刊3面
  2. 『協う』2009年6月号 私の研究紹介 第14回 松尾  匡さん(立命館大学経済学部教授・当研究所会員) マルクスの基本定理と市民型社会モデルを追い求めて くらしと協同の研究所
  3. a b 松尾 匡 講談社現代新書
  4. 10月7日大阪で開催!雨宮処凛×松尾匡トークイベント「どうする?日本の経済と格差社会」 本がすき。
  5. CiNii 博士論文
  6. 松尾 匡 立命館大学研究者学術情報データベース
  7. 新社会党のどこが問題なのか 松尾匡のページ、2002年10月17日
  8. about People's Economic Policy
  9. 呼びかけ人 薔薇マークキャンペーン
  10. メンバー紹介 グリーン・ニューディール政策研究会

外部リンク[編集]