旧閑谷学校
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旧閑谷学校（きゅうしずたにがっこう）は、江戸時代前期に岡山藩によって開かれた庶民のための学校である。所在地は現在の岡山県備前市閑谷にある。「旧閑谷学校」として特別史跡に指定され、講堂は国宝に指定されている。
概要[編集]
岡山藩主で江戸時代前期の名君として著名な池田光政が寛文10年（1670年）に家臣の津田永忠らに命じて造らせた学校である。
この時代としては珍しい庶民など一般教育を目的としていた学校であった。光政としては藩主の仁政を一般に理解させるという政治的な目的もあったとされるが、実は当時の庶民教育を担っていた僧侶が堕落・腐敗しきっていたため、教育の場から締め出すことも創設の目的だったという。また庶民といっても、藩肝煎りの庄屋や村役人、あるいは召使いを雇える程度の百姓の子弟などといういわゆる上流・中流階級の農民に限られていたという。それでも庶民にまで教育を浸透させるというのはこの時代では稀であり、岡山県が長野県に次ぐ教育県とされているのはこの当時の伝統のためとされることが多い。
教育内容は朱子学を中心とした読書と習字で、高山彦九郎・菅茶山・頼春水・頼山陽・大塩中斎らの著名人らが本学校を訪れている。
現在では当時のままの建造物が多数残されており、元禄14年（1701年）に造られた石塀と貞享元年（1684年）に改築された聖廟は重要文化財に指定されている。聖廟の東に閑谷神社があり、神社の近くに頼山陽が絶賛した茶室である黄葉亭がある。
明治維新後は、私立閑谷黌、私立閑谷中学校、県立閑谷中学校→県立閑谷高等学校を経て、岡山県立和気閑谷高等学校に名前を残している。
民衆教育に重点を置いた学校の遺風は現在、岡山県青少年教育センター閑谷学校として受け継がれている。
アクセス等[編集]
- アクセス：吉永駅から車で5分。
