新撰信長記
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新撰信長記(しんせんのぶながき)とは、戦国大名の織田信長に関する史料である。
概要[編集]
著者・成立年代[編集]
著者は江戸幕府の京都所司代である板倉重宗。成立年代は不明だが、重宗は明暦2年(1656年)12月に死去しているため、下限はここまでとなる。
重宗は天正14年(1586年)生まれなので、信長の死から4年後の出生である。その重宗がなぜ信長の記録を作ろうとしたのかというと、小瀬甫庵の『甫庵信長記』を見て漏脱があり、顛末もつまびらかではないので、たまたま近江国にいた1人の老僧が信長の事績に詳しく、その話を口誦していたので、老僧を招いてその語るところを書き取らせたのが『新撰信長記』なのだという。重宗が京都所司代になったのは元和6年(1620年)なので、上限はここからとなる。
なお、この書は近江国の木本地蔵院において記されたと明記されている。重宗は父・板倉勝重が寛永元年(1624年)に死去した際、近江伊香郡などの遺領を相続しているため、この年あたりがこの著の成立年代と見てよいかもしれない。なお、重宗が信長の事績を語らせた老僧については名前も素性も不明である。
内容[編集]
全13巻。小瀬甫庵の『甫庵信長記』の脱漏を補うために編まれた作品である。つまり、『甫庵信長記』に無い章などが、この著書には存在する。また、『甫庵信長記』が間違い、あるいは不正確であるとして「文言替」と注記したりして書き換えた本文を載せている。つまり、史料性が低くて大久保忠教にすら批判される『甫庵信長記』を、重宗は載ってない記事を載せる、簡略であったり間違っている記事を差し替えたりしているのである。