敵に塩を送る
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敵に塩を送る(てきにしおをおくる、英:Send salt to the enemy)とは、敵を助ける、という意味の日本のことわざ。
概要[編集]
塩の供給を停止されて困っていた敵に、塩を供給した、という昔話が由来とされる。
日本の戦国時代である永禄年間、桶狭間の戦いで今川義元が織田信長に敗れて戦死し、今川氏が衰退すると、それまで今川氏と甲相駿三国同盟を結んでいた武田信玄は同盟を破棄して駿河に侵攻しようとした。そのため、義元の後継者である氏真は甲斐に対して塩止めを行い、同じく同盟者である北条氏政にも同様の措置を求めた。当時の武田領には海が無く、塩止めをされれば死活問題であったが、これを助けたのが信玄の宿敵であった越後の上杉謙信(当時は上杉輝虎)であった。謙信は甲信の領民の苦しみを見ておけぬとして送ったとされ、このため、この故事を「敵に塩を送る」と言われて謙信の義の厚さを物語るエピソードのひとつに用いられているが、これは単に謙信が塩を売ることで膨大な利益を得ようとしたともされており、真相は不明である。
ちなみに[編集]
「傷口に塩を塗る」は、更に痛い目に合わせるという意味になるため、「敵に塩を送る」とは対極である。