教習車

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教習車(きょうしゅうしゃ)とは、自動車教習所で用いられている自動車オートバイの総称である。ここでは主に普通自動車とオートバイにおける教習車について記述する。

四輪教習車[編集]

自動車教習所では生徒のほとんどが無免許者であり、練習のために場内を複数の自動車が走っていることが普通である。そのため、他車との衝突や道路外への逸脱を防ぐための機構が備わっているものが教習車である。教習車は内部・外部のバックミラーが増設されており、助手席からも周囲の状況がわかりやすいようになっている。また、助手席から見えるスピードメーターが追加されており、車種によってはウインカーなどの灯火類の状況がわかるモニターランプが設置されていることもある。そして教習者最大の特徴が助手席に増設されたブレーキペダルであり、非常時には助手席から制動を掛けることが可能になっている。

これらの装備により特種用途自動車としての要件を満たすため、8ナンバー登録になっていることが普通である。また、ナンバープレートの近くには仮免許練習中であることを示すプレートを差し込めるようになっている。

二輪教習車[編集]

二輪車は指導員と教習生がそれぞれ別のバイクで走り、指導員の後ろを教習生が追従することで構内教習を受けるのが一般的である。そのため、前後それぞれのブレーキの作動状況、ギアポジション、車速がわかるようなインジケーターランプ(ウインカーと同じくらいのサイズ)が全面に多数取り付けられている。指導員はこのインジケーターをミラー越し、または進行先から目視することで状況を確認している。なお、転倒を前提としているため大型のエンジンガードが取り付けられており、比較的起こしやすい車体になっている。

実例[編集]

四輪車[編集]

一般的には4ドアセダンの普通乗用車が採用されることが多く、駆動方式やガソリン・ディーゼルの区別はされていない。かつて多く使われていたトヨタ・コンフォートについてもガソリン車、LPG車のどちらも採用されている例がある。なお、近年は前輪駆動車が多く、FF車での教習を行っている教習所も多い。また、雪国などではセダンタイプの4輪駆動車を教習に使用しているケースもある。 トランスミッションは当然マニュアルトランスミッションオートマチックトランスミッションが用意されている。なお、オートマチックトランスミッションの場合はCVTを含める場合がある。高速教習を行っている自動車学校ではETCを装備することもある。なお、教習車にはタコメーターが装備されるケースが多く、マニュアルトランスミッション搭載車の場合はその傾向が顕著である。

現在はトヨタ・カローラベースのトヨタ教習車とホンダ・グレイスマツダ・MAZDA2をベースにしたマツダ教習車[注 1]が各メーカーで販売されている。

過去にはトヨタ・コンフォートや日産・セドリックなどの教習仕様車が販売されていたほか、市販車を教習車に改造するサービスをしている工場もあり、教習車として採用された車は数多く存在している。一部ではミニバンSUVを使用している教習所もあり、車種の違いからくる死角や運転特性の違いを教えている教習所もある。

二輪車[編集]

普通自動二輪車(400cc)の教習車としてホンダ・CB400SFは長い期間使われており、この教習車が初めて乗ったバイクというライダーも数多い。なお、この教習仕様車はVTECをカットされ、出力も落とされているためかなりマイルドな乗り味となっており、市販されているCB400SFに乗って余りの違いに驚くライダーは多い。かつてはネイキッドタイプが教習の定番であったが、近年は大型自動二輪としてクルーザータイプのオートバイが使用されることもある。スクータータイプの教習車としてはスズキ・スカイウェイブAT限定免許として用いられることが多い。スクーターとバイクは運転特性があまりにも違うため、AT限定免許でなくても体験教習として乗車することが多い。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. MAZDA2の海外向け4ドアセダンを逆輸入し、改造したもの