タコメーター
タコメーター(tacometer)とは、エンジンなどの回転数を使用者に指示するための計器である。
概要[編集]
自動車など、エンジンの回転数が重要な機器に搭載されることが多い計器である。車種によって、タコメーターのカウント表示方法に違いがある。特に自動車はエンジン回転数を頻繁に変化させるため、エンジンの稼働状況を把握するために設置されていた重要な計器であった[注 1]。黎明期こそ高価なものであったものの、電気式のものが安価に製造できるようになってからは純正搭載車種が多くなり、一般的な装備となった物である。現在ではコストダウンなどの影響で省略されることも多い。
初期のタコメーターは機械式時計とエンジン回転数を物理的に伝えるワイヤを組み合わせ、単位時間当たり何回転するかという時計式回転計であったが、現代においてはコイルに点火するときのパルス数をカウントし、回転数を計測する電気式タコメータが主流となっている。
日本においては法令上必要な装備ではなく、たとえ壊れて動かなくなっていても車検上問題は発生しないものである。また、近年では車の回転数を重視しない人も多くなっているほか、コンビネーションメーターの多機能化などでスペースが無かったり、前述のコスト上の問題などで搭載しない車種は多い。
パワーメーター[編集]
ハイブリッド車などに搭載されている計器にハイブリッドシステムインジケーターやパワーメーターというものがある。これはエンジンとモーターの稼働状況を示す計器であり、アクセル開度と回生状態に応じて変化するメーターになっている。また、電気自動車においては電流量などを表示しているものも多い。これらは厳密にはタコメーターではないものの、アクセル開度に連動して動くことからタコメーターと同様にみられることもある計器である。
レッドゾーン[編集]
ほとんどの純正メーターには「レッドゾーン」と呼ばれる赤い数字や塗られたエリアがある。このゾーンはエンジンに高い負荷がかかる場所であり、エンジンの設計上様々な悪影響が出かねない領域である。通常はレブリミッターと呼ばれるリミッターによりレッドゾーンに入らないように制限されていることも多い(一部車種では普通に回るが)が、レッドゾーン付近でシフトダウンをした場合は回転数がレッドゾーンに入ってしまったり最悪の場合は回転数の上限を超えてしまうオーバーレブが発生してしまうこともある。なお、一部車種においてはレッドゾーン(警告)手前にイエローゾーン(注意)を設けているものや低回転部にグリーンゾーンという省燃費ゾーンを表示しているものもある。
アフターパーツとして[編集]
いわゆる追加メーターとしてのタコメーター需要は多く、もともとタコメーターが付いていない車はもとより、タコメーター装備車にさらにタコメーターを追加する例もある。これは追加メーターをもっと視認しやすい場所に設置したり、ワーニング機能[注 2]を重視する場合に追加されるものである。また、極端な例ではエンジンスワップなどでエンジン特性が変わった場合などは適合するメーターに付け替えることもある。