学校理数

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

学校理数(がっこうりすう)とは、主に高等学校検定教科書およびその指導書のみに使われ、数学との親和性がよい物理学の成立過程やトレンドから離れた物理教育法。

概要[編集]

高校理科は「地学基礎」を含めた物化生地(物理・化学・生物・地学)の 4 分野のうち 3 分野が必修だが、現実の高校では「地学基礎」の開講が少なく、物理基礎を必須とする学校が大勢であることから、物理の科目を苦手とする人が少なくない問題が噴出する。
高校の物理の科目である基礎科目の物理基礎や基礎なし物理は、工業高校など普通科でない高校生の受講も考慮して[注 1]、親和性の高い数学との関連が極力排除されて教育されている。このため、数学との親和性排除が苦手意識の醸成に繋がっているとの批判がある。
そうした現状から、「微積で解いて得する高校物理」という本まで出されている始末[注 2]で、ノーベル物理学賞の大半が素粒子物理学分野になっている中、昔ながらのニュートンの古典力学からの積み重ねの大切さが理解できずに興味を失う生徒も少なくない。

弊害[編集]

例えば、大学理系学部で共通基礎教育で履修する「力学」では、

  1. ベクトルはアルファベットをゴシックで記載
  2. 変位速度は相互に微分積分の関係
  3. 仕事は、力と変位のベクトルのスカラー積

と教えており、高大で教育内容の連携どころか断絶の状態である。

このため、高校の物理・物理基礎の内容で定着した学生が、大学入試後に学習のリセットができすに、大学の物理学の学習で落ちこぼれるケースも珍しくない。

関連項目[編集]

[編集]

  1. といいながら、工業高校では「工業数理基礎」という数学と親和性のある物理の基礎を学ぶ科目がある。
  2. もっとも、「微積で解いて得する高校物理」の著者もベクトル積と関連する力のモーメントなど、解法の限界があることは承知している。